変愛

絢麗夢華。

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1.1 露璃恨・序

露璃恨・序:1

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それからの高校生活は何事もなかった。
トラブルに巻き込まれなかったし、誰にも関わる事無くその3年間を終わらせた。
地元の高校に行ったために、同じ中学だった奴はいっぱいいた。
俺の同級生だった奴は、俺についてあまり語らなかった。
別段俺が何かしたという訳でもないし、でもだからと言って喋る様な事も無いという、それだけのことだった。
だから、俺についての噂が色々飛び交っていた。
語られないから、噂にどんどん話が盛られて行く。
俺は中学時代に何かあったというのは、皆勘づいてはいたらしい。
それからどんどん周りへの詮索が入るが、事実を言うと自分達に非がある事を開けっぴろげにしなくてはならないからだろう、俺の同級生達は、「ちょっと…。」と言葉を濁す。
それが逆に想像を掻き立てる。
誰が仕入れたのか知らないけれど、そのうち1人の少女が命を落としたという事実が公表される。
でもそれだけだ。
どういう経緯でそうなったか、自死か他殺かさえも分からないまま、話が進む。
いつの間にか俺のせいにされている。
俺が彼女を死に至らせるまで追い詰めたと。
別にわざわざ否定しに行くほどに関わるのも面倒だったので言わなかったが、こういうやつのせいで俺は酷い目にあったのだとまた嫌な気分になった。



そんなこんなで、結局何も起こらず高校は卒業した。
それから地元からちょっと離れた大学に通って、平和な大学生活を送った。
女子はずっと苦手で、普通に人と関わるのが苦手で、コミュ障と呼ばれる部類の学生生活を謳歌した。話し掛けられれば話すけれど、こちらからは話し掛ける事は無い。と言うスタイル。それで4年間を無事に過ごせた。
大学生活も無事に終了した。

社会人になった。女性少ない会社を選んだ。苦手な事を無理にする必要が無い場所。俺にとってかなり良い職場だった。
時代がもう少し遅ければ家で出来る職業を選ぶ選択肢があったのだろうが、まだそこまで進んでいなかったので、通勤する普通の会社へと道を決めた。
それが良かったと思っている。少しはコミュ障が解消される切っ掛けになったであろうから。
別にブラックでもなく、かと言って定時帰宅が絶対みたいな甘い会社でもない。そんな普通の会社。
ずっと独身だし、彼女はいない。欲しくもならない。
だから喜んで残業が出来る。
生活にも合っていて、俺の生活は安定していた。

大学で寮に入って、社会人になる時に一人暮らしを始めた。
俺は別にそこまで趣味が多くないから、ほとんど何もない部屋に小説が数冊転がっているだけの様な部屋だった。
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