変愛

絢麗夢華。

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1.1 露璃恨・序

露璃恨・序:4

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普段は時間が無くそこそこの食事で済ます俺ではあるが、本来は料理を自分でしたいのだ。だから休日の時間がある日は朝食から自炊する。今日は冷凍してあった鯛を使って鯛飯でも作ってみようかと土鍋を出した。そして、ちょっと拘っている塩。ぴったり3合測った米。そこに水、これまたお気に入りの薄口醤油。風味を出す為の椎茸を入れて蓋を閉じる。いつもなら朝作って昼も同じ物を食べる為2回分作るのだが、その要領でちょうど2人分が完成する。お腹がすいたであろう少女に出すには時間がかかる料理だと、炊き上がるのを待ってる間に気付いた時にはもう遅かった。しかも気付いた時は、炊き上がるのを待る間にと作っていた味噌汁の、味噌を入れる様な頃だった。即ち、完成間際だった。それからは急いで卵焼きを作り、皿にキャベツを盛り、お盆に載せる。30分は軽く超えてしまったが、それなりのものは作れたつもりだ。

「ちょっと重たいかもだけど、食べてみて。」

「はい。ありがとうございます。」

まだ声に覇気はなかったが、昨日の夜よりは少し元気になっているように感じられる。

「結構拘っているんだけど、どう?」

「とても…美味しいです……」

彼女は泣いていた。
別にそこまでのリアクション程のものでは無いはずなのだけれど。
俺は彼女に話を聴いて見ることにした。

彼女は話し始めた。
母親と口論になり、家を出たらしい。
些細な事だったらしいのだが、どうしても嫌で家を飛び出した。
それでやっぱり家に戻りたくないから、もう少し置いて欲しいと。
そういう話だった。

俺は気になる点があったが、今色々聞いては彼女を苦しめてしまう気がして、それ以上は聞けなかった。
幾ら親と喧嘩して家を飛び出したと言っても、そこまで時間は経っていないはずだ。
何故この娘はあそこまで衰弱していたのだろうか。
虐待とかかと思っていたのだが、違うのか。
何か違和感を覚えてしまう。
彼女は、何故荷物を持っていないのだろうか。
家出をするなら着替えを持っていくだろうし、どんなに急いでいてもお金くらいは持って出そうなものだが。
本当に何も持たずに飛び出して来るほどの喧嘩とはなんだろう。
この小さな子に、何をどう言えば口論で家を飛び出すほどの感情を抱かせるのだろう。
聞いてみればわかるかと思っていたのだが、聞いたことで余計に謎は深まるばかりだった。
そう言えば彼女は昨日連れて来てから風呂に入ってない。
しかしこのボロボロな服だけしか持っていないのだとすると、何に着替えるように勧めればいいのだろうか。
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