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2/嬭処夛-思はれ続ける愛の方向-
嬭処夛:1
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私がその子に出会ったのは、中学校に上がる前、小学5年か、6年の頃の話だった。
向こうはあまり記憶が無いと言う。気付いたらずっとそこにいた、兄弟の様な存在、それがその子にとっての私だった。
当然である。その子が産まれたばかりの頃から私はその子を知っているのだから。
当時の私で歩いて2分もかからない近所に住む夫婦の間に産まれた子供、それがその子だった。
そして、その子の両親は、私の両親とは既知の仲であった。
いや、既知所ではない。
同じ学校で学び、同じ就職先を選んだ仲良し4人組。
元々彼らは優秀であった様で、かなりレベルの高いと噂の会社で早くから頭角を表していた。
男女2人づつ4人組とは言っても、カップルが2つと言うより、4人で恋愛をしている様な仲の良さだったと、たまに遊びに来る、4人の友人が言っていた。
思い出す限り、その人曰く、「君の母親が叶さんじゃなくて梨佳さんでもおかしくなかったし、君の父親が、悠介じゃなくて慎でも疑わなかった。こういう事を言っちゃ悠介に悪いけど、君の父親が慎って今日明かされても、俺はおかしいとは思わないってレベルだよ。」らしい。
「あ、これ、絶対悠介には言っちゃ駄目だからね」と、その人は言った。
たまたま出来た子供が私で、たまたま出来た私の為に、4人組は2人×2と言う形になったのではないか。
そう思った。
しかし、それは杞憂だった様だ。
元から男女それぞれが仲良いグループ2つ。
そして、その中で幼馴染同士の男女、それが翔太の両親。梨佳さんと慎さん。
梨佳さんと仲が良かった母さん、叶と、慎さんと仲の良かった父さん、悠介が、幼馴染であった梨佳さんと慎さんの仲介で知り合い、結果4人でつるむ様になったらしい。
「慎も梨佳ちゃんも、お互いの事を気になっては居たんだけどねぇ……何せ幼馴染だし、もし振られたらどうしよって」父さんが言う。
母さんが引き継ぎ、
「それで見ててもどかしくなってね、梨佳もあんだけ見ててわかりやすいくらいに慎くんを意識してるのに、やっぱり頑固であんまりにも面白いから、父さんと一緒に、応援することにしたのよ。それで4人で出かけても途中で用事出来たって2人で時間ずらして消えたり、急な用事で無理になったって当日急に連絡してみたり、それもやり過ぎるとバレるから、途中から私達が実は気になりだして、2人で色々見たいなぁなんて言ってみたりね。実際に2人で色々見てたんだけどさ。そういう事にしとこうって言うのがいつの間にか本気になっちゃった。」
向こうはあまり記憶が無いと言う。気付いたらずっとそこにいた、兄弟の様な存在、それがその子にとっての私だった。
当然である。その子が産まれたばかりの頃から私はその子を知っているのだから。
当時の私で歩いて2分もかからない近所に住む夫婦の間に産まれた子供、それがその子だった。
そして、その子の両親は、私の両親とは既知の仲であった。
いや、既知所ではない。
同じ学校で学び、同じ就職先を選んだ仲良し4人組。
元々彼らは優秀であった様で、かなりレベルの高いと噂の会社で早くから頭角を表していた。
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「あ、これ、絶対悠介には言っちゃ駄目だからね」と、その人は言った。
たまたま出来た子供が私で、たまたま出来た私の為に、4人組は2人×2と言う形になったのではないか。
そう思った。
しかし、それは杞憂だった様だ。
元から男女それぞれが仲良いグループ2つ。
そして、その中で幼馴染同士の男女、それが翔太の両親。梨佳さんと慎さん。
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「慎も梨佳ちゃんも、お互いの事を気になっては居たんだけどねぇ……何せ幼馴染だし、もし振られたらどうしよって」父さんが言う。
母さんが引き継ぎ、
「それで見ててもどかしくなってね、梨佳もあんだけ見ててわかりやすいくらいに慎くんを意識してるのに、やっぱり頑固であんまりにも面白いから、父さんと一緒に、応援することにしたのよ。それで4人で出かけても途中で用事出来たって2人で時間ずらして消えたり、急な用事で無理になったって当日急に連絡してみたり、それもやり過ぎるとバレるから、途中から私達が実は気になりだして、2人で色々見たいなぁなんて言ってみたりね。実際に2人で色々見てたんだけどさ。そういう事にしとこうって言うのがいつの間にか本気になっちゃった。」
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