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46 許可
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ゴルグの家は村でも大きいものだった。
いや、巨人だからってことではなく、食堂兼居間の他に部屋が三つもあり、外には作業場まであるのだから大きいと言っても差し支えないだろう。
「おれら巨人は人間に重宝されるからな、そこそこ稼ぎはいいんだよ」
確かに重機がないのだから巨人は必要とされるだろう。ちゃんと意志疎通できて指先も器用。戦いともなれば決戦兵器ともなる。頭が使える者からしたら多少金を払っても味方でいてもらいたいだろうよ。
「子供も三人いるし、人間とは仲良くやれてんだな」
三人の子供が着ている服は上等、とまではいかなくても縫製がしっかりしたものだ。迫害されてたらとても着れたりしないだろうよ。
「そうだな。辺境だからこそおれたちは必要とされる。辺境伯様も話の通じるお方だからいい暮らしをさせてもらってるよ」
よかった。傲慢な貴族じゃないようで。まあ、会うこともないだろうが、話の通じる貴族なら絡まれることもなかろうて。
「子供たちはまだ小さいんだな」
見た感じ、六歳、四歳、赤ん坊だ。ちなみに男、女、男だと。
「まあ、村じゃ若夫婦に入るからな」
確かに三十歳そこらなら若夫婦になるか。いや、この世界でそうなのかは知らんけど。
と言うか、そのお子さんたちが興味津々に見てくるんですが。オモチャじゃないんだから扱いには注意してね。
「すまんな。村には人間もいるが、安全のため分けている。だから人間を近くで見るのは滅多にないんだよ」
そりゃふんべつもつかん子供のところにいくとか、死ににくるようなものだ。六歳とは言え、オレの倍はある。確実に手足をもがれるわ。
……今はラダリオンに抱えられてるから安全は守られてますけどね……。
「やはり住むなら人間のほうがよさそうだな。うちだとガキどもに潰されそうだから」
「やはりそんなことがあるのか?」
「まーな。だから子供は八歳になるまで村の外には出れん決まりだ。出るとしても大人がついてないと罰せられる。人間が住むところには兵士がいるからな」
それ監視じゃん。本当に上手くやれてんだよね?
「住むとこは村の外で構わないよ。ラダリオンもいるしな。その許可をもらえるようにお願いしてくれ」
「そうか。なら、挨拶ついでに村長に話をするか」
挨拶は人と人とのコミュニケーション。引っ越し、ではないが、しばらく厄介になるんだから挨拶はしておくべきだろう。手土産とか必要か?
「村長は人間なんだ」
「ラザニア村のはな。こちらには長老が纏めている。じゃあ、いってみるか」
ってことでゴルグ親子ともども人間の区間へと向かった。
巨人の区間と人間の区間の間には人工的な川があり、巨人の子供には飛び越えろない幅があり、十メートルくらい高台となっていた。
……これ、やっぱり監視じゃん……。
カランカランと鈴(鐘か?)を鳴らすと、兵士風の中年男が階段橋の端に現れた。
「ゴルグ、よく生きてたな!」
「ああ、こっちの二人に助けてもらった。村長はいるかい? ちょっと呼んできてくれ」
「ああ、わかった。あとで生還祝いに一杯やろう」
「おう。いい酒もらったから振る舞うよ」
夜の晩酌用に渡したワインのことだろう。五、六本くらい渡したからな。
兵士の男が下がり、一分くらいして白髪混じりの初老の男が何人かの男たちを連れてやってきた。
「ゴルグ。よく戻ってきたなのぉ。心配してたぞ」
「心配かけて申し訳ありません。ボロドの木を探していたらミドに噛まれまして、こっちの二人に助けてもらいました。その礼で二人をしばらく村に置いてくれませんか? 二人はゴブリンを狩るのを生業としてるので村としても助かると思うんで」
随分下手に出るな。年齢による敬いか?
「ラダリオン。下ろしてくれ。さすがに上からは失礼だからな」
皆さんに抱えられながらはさすがに恥ずかしいです。
「……わかった」
しょうがなくと言った感じで下ろしてもらい、階段橋の中頃まで降りてきた村長の前まで上がっていった。
「初めまして。タカトと言います。あちらはわたしの相棒でラダリオン。ゴブリンを駆除する生業をしております」
握手文化ではないので、日本人らしく四十五度のお辞儀をした。
「随分と礼儀正しいのぉ。外国の方か?」
「はい。ですが、ゴブリンを駆除する日々。東に西に動いているので故郷がどこかも忘れました。人と会うのも久しぶりです。もう二度と会えないかと思うほど山をさ迷ってました」
ミシニーに会うまではそう思ってたよ。
「それは難儀したの。ゴブリンを狩ってくれるならこちらも歓迎だ。あいつらは本当に厄介だからのぉ」
「この辺もいるんですか?」
「ああ、うんざりするほどおるよ。十数年に一度は王が立つ。辺境伯様も苦労しておるよ」
オレは十数年に一度に当たったようだ。クソ女神め、とんでもないところに転移させやがって!
「王ならここから数日歩いた先の廃村で倒しました。冒険者のミシニーと言うエルフと会いましたから聞いてもらえばわかるかと思いますよ」
「王を倒しただと!?」
「通常のゴブリンの三、四倍の体格をしていたから王だとは思いますよ」
まあ、王だと名乗ったわけじゃないから本当かどうかは知らんけど。
「お主は勇者かなにかか?」
「わたしはしがないゴブリン駆除員。素手で戦ったらそこの兵士殿にも負けますよ。王を倒せたのは入念な準備をして罠を仕掛け、ラダリオンと協力したから倒せたことです。通常は五、六匹のを狙うのがやっとです」
ちなみに今は銃はジャケットの下にグロック19とナイフくらいしか装備してません。ラダリオンに抱えられてたので。
「そ、そうか。それだけの者なら歓迎しよう。ゴルグ。あとでお前からも話を聞く。タカト殿のことは許可しよう。お前が面倒をみろ」
と、階段橋を上がっていく村長さん。
どうせミシニーからバレるだろうから王を倒したことは言ったが、面倒にならないといいな~。
まっ、なるようになる。いつでも逃げられるようにしておこう。
いや、巨人だからってことではなく、食堂兼居間の他に部屋が三つもあり、外には作業場まであるのだから大きいと言っても差し支えないだろう。
「おれら巨人は人間に重宝されるからな、そこそこ稼ぎはいいんだよ」
確かに重機がないのだから巨人は必要とされるだろう。ちゃんと意志疎通できて指先も器用。戦いともなれば決戦兵器ともなる。頭が使える者からしたら多少金を払っても味方でいてもらいたいだろうよ。
「子供も三人いるし、人間とは仲良くやれてんだな」
三人の子供が着ている服は上等、とまではいかなくても縫製がしっかりしたものだ。迫害されてたらとても着れたりしないだろうよ。
「そうだな。辺境だからこそおれたちは必要とされる。辺境伯様も話の通じるお方だからいい暮らしをさせてもらってるよ」
よかった。傲慢な貴族じゃないようで。まあ、会うこともないだろうが、話の通じる貴族なら絡まれることもなかろうて。
「子供たちはまだ小さいんだな」
見た感じ、六歳、四歳、赤ん坊だ。ちなみに男、女、男だと。
「まあ、村じゃ若夫婦に入るからな」
確かに三十歳そこらなら若夫婦になるか。いや、この世界でそうなのかは知らんけど。
と言うか、そのお子さんたちが興味津々に見てくるんですが。オモチャじゃないんだから扱いには注意してね。
「すまんな。村には人間もいるが、安全のため分けている。だから人間を近くで見るのは滅多にないんだよ」
そりゃふんべつもつかん子供のところにいくとか、死ににくるようなものだ。六歳とは言え、オレの倍はある。確実に手足をもがれるわ。
……今はラダリオンに抱えられてるから安全は守られてますけどね……。
「やはり住むなら人間のほうがよさそうだな。うちだとガキどもに潰されそうだから」
「やはりそんなことがあるのか?」
「まーな。だから子供は八歳になるまで村の外には出れん決まりだ。出るとしても大人がついてないと罰せられる。人間が住むところには兵士がいるからな」
それ監視じゃん。本当に上手くやれてんだよね?
「住むとこは村の外で構わないよ。ラダリオンもいるしな。その許可をもらえるようにお願いしてくれ」
「そうか。なら、挨拶ついでに村長に話をするか」
挨拶は人と人とのコミュニケーション。引っ越し、ではないが、しばらく厄介になるんだから挨拶はしておくべきだろう。手土産とか必要か?
「村長は人間なんだ」
「ラザニア村のはな。こちらには長老が纏めている。じゃあ、いってみるか」
ってことでゴルグ親子ともども人間の区間へと向かった。
巨人の区間と人間の区間の間には人工的な川があり、巨人の子供には飛び越えろない幅があり、十メートルくらい高台となっていた。
……これ、やっぱり監視じゃん……。
カランカランと鈴(鐘か?)を鳴らすと、兵士風の中年男が階段橋の端に現れた。
「ゴルグ、よく生きてたな!」
「ああ、こっちの二人に助けてもらった。村長はいるかい? ちょっと呼んできてくれ」
「ああ、わかった。あとで生還祝いに一杯やろう」
「おう。いい酒もらったから振る舞うよ」
夜の晩酌用に渡したワインのことだろう。五、六本くらい渡したからな。
兵士の男が下がり、一分くらいして白髪混じりの初老の男が何人かの男たちを連れてやってきた。
「ゴルグ。よく戻ってきたなのぉ。心配してたぞ」
「心配かけて申し訳ありません。ボロドの木を探していたらミドに噛まれまして、こっちの二人に助けてもらいました。その礼で二人をしばらく村に置いてくれませんか? 二人はゴブリンを狩るのを生業としてるので村としても助かると思うんで」
随分下手に出るな。年齢による敬いか?
「ラダリオン。下ろしてくれ。さすがに上からは失礼だからな」
皆さんに抱えられながらはさすがに恥ずかしいです。
「……わかった」
しょうがなくと言った感じで下ろしてもらい、階段橋の中頃まで降りてきた村長の前まで上がっていった。
「初めまして。タカトと言います。あちらはわたしの相棒でラダリオン。ゴブリンを駆除する生業をしております」
握手文化ではないので、日本人らしく四十五度のお辞儀をした。
「随分と礼儀正しいのぉ。外国の方か?」
「はい。ですが、ゴブリンを駆除する日々。東に西に動いているので故郷がどこかも忘れました。人と会うのも久しぶりです。もう二度と会えないかと思うほど山をさ迷ってました」
ミシニーに会うまではそう思ってたよ。
「それは難儀したの。ゴブリンを狩ってくれるならこちらも歓迎だ。あいつらは本当に厄介だからのぉ」
「この辺もいるんですか?」
「ああ、うんざりするほどおるよ。十数年に一度は王が立つ。辺境伯様も苦労しておるよ」
オレは十数年に一度に当たったようだ。クソ女神め、とんでもないところに転移させやがって!
「王ならここから数日歩いた先の廃村で倒しました。冒険者のミシニーと言うエルフと会いましたから聞いてもらえばわかるかと思いますよ」
「王を倒しただと!?」
「通常のゴブリンの三、四倍の体格をしていたから王だとは思いますよ」
まあ、王だと名乗ったわけじゃないから本当かどうかは知らんけど。
「お主は勇者かなにかか?」
「わたしはしがないゴブリン駆除員。素手で戦ったらそこの兵士殿にも負けますよ。王を倒せたのは入念な準備をして罠を仕掛け、ラダリオンと協力したから倒せたことです。通常は五、六匹のを狙うのがやっとです」
ちなみに今は銃はジャケットの下にグロック19とナイフくらいしか装備してません。ラダリオンに抱えられてたので。
「そ、そうか。それだけの者なら歓迎しよう。ゴルグ。あとでお前からも話を聞く。タカト殿のことは許可しよう。お前が面倒をみろ」
と、階段橋を上がっていく村長さん。
どうせミシニーからバレるだろうから王を倒したことは言ったが、面倒にならないといいな~。
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