ダメ女神からゴブリンを駆除しろと命令されて異世界に転移させられたアラサーなオレ、がんばって生きていく!

AA1

文字の大きさ
63 / 459

63 バズ村

しおりを挟む
 街を中心として見たとき、ロブル地区は西にあるようだ。

 その西にはマルスの町があり、五つある地区の一つがロブル地区なんだとさ。

 ちなみにラザニア村は北東の位置にあり、住所的にはミスリムの町ラング地区ラザニア村になるそうだ。

 町と街の間は大体十キロは離れており、歩いていける距離ではあるが、辻馬車がこまめに往来してるとか。運賃は片道銅貨三枚。往来切符を買うと銅貨五枚に安くなるそうだ。

 他にもコラウス辺境伯のゴブリン事情を聞いていると、ロブル地区までの案内人がやってきた。

 三十半ばの男で、力仕事よりは事務仕事がメインの見た目だった。

「ルスル。忙しいところ呼び出して悪いな。すまないが、こちらのタカトと……」

「相棒のラダリオンです」

 紹介してなかったね。失礼。

「ラダリオンをロブル地区まで案内してくれるか。二人はゴブリン狩り専門でな、準冒険者として登録してもらった。ギルドとしてはありがたい話なんで協力することにした。マルスの町としても二人に協力してくれ」

「ゴブリン狩りの専門ですか。随分と殊勝なことをしてますな」

「大魔法使いだった創設者がゴブリンに深い恨みのある人でして、資産を投げ売ってゴブリン駆除業を立ち上げたと聞いております」

 と言う設定でやっております。

「……そうですか。真偽はともかくゴブリンを狩っていただけるのならこちらとしても助かります」

「このように堅いヤツだが、頼りにはなる。人手が欲しいときはマルスの町の冒険者ギルド支部を訪ねるといい」

 つまり、人はそっちで調達しろってことね。了解です。

「タカトです。よろしくお願いします」

 席を立ち、ルスルさんに軽く一礼した。

「マルスの町の冒険者ギルド支部で支部長補佐をしておるルスルです。こちらこそよろしくお願いします」

 右手を胸に当てて一礼した。

「すぐ発ちますが大丈夫でしょうか?」

「はい。問題ありません」

 ってことで冒険者ギルドの裏に向かうと、箱馬車とたくさんの人を乗せた荷馬車が三台止まっていた。

「空いている荷馬車に乗ってください。すぐに出発しますので」

 詳しい説明はないが、こちらも説明を受けたいわけでもない。空いている荷馬車へと乗り込んだ。

 オレたちが乗り込むとすぐに出発。数日前にここにきたときの門から街を出た。

 あーこの道歩いたな~と思いながら流れる風景を眺めていると、茂みにゴブリンが隠れる気配がした。

 前は気づかなかったが、確かにこちらのほうがゴブリンの気配が多いな。なんでだ?

 途中から道を曲がり、しばらく風景を眺めながらゴブリンの気配を感じていたら遺跡が現れた。

 いや、廃墟か? 長いこと放置されているようで草木が生い茂り、ゴブリンの気配があちらこちらにあるのがわかった。

 ここがロブル地区か? と思ったが、荷馬車が止まることはない。廃墟の中を通りすぎ、荷馬車が止まった。なんだ?

 乗っているヤツらも荷馬車に止まったことにざわついていおり、しばらくするとルスルさんがやってきた。

「ここからはこのバイスがロブル地区にまで案内します。バイスはロブル地区のバズ村出身なので村長に話を通させますので、なにかあればバイスをわたしのところへと使わせてください」

 直接いってくれるわけではないのか。まあ、今日は冒険者ギルドにいくことが目的だから移動日にしても構わんか。

「わかりました。運んでくださりありがとうございました」

 荷馬車から降り、ルスルさんに礼を言った。

「途中までで申し訳ありません。こちらも人を運ばないといけませんので」

 気にせずと答え、ここでルスルさんと別れた。

 馬車をしばらく見送り、案内人のバイスさんを見た。

 革の上着に剣を持ってることからして荷馬車に乗っていた男たちとは同種ではなく、冒険者ギルドの一員なんだろう。

「タカトです。こちらはラダリオン。案内、お願いします」

「ギルド職員のバイスです。こちらこそよろしくお願いします」

 お互い軽い自己紹介をしてバズ村へと歩き出した。

「バイスさん。先ほどの廃墟はなんなんですか?」

 気になっていたことを尋ねてみた。

「昔の領都です。二百年前に魔物の軍勢に襲われたそうで、取り壊すこともできずに放置され、ゴブリンの棲み家になってしまったんです」

 定期的に冒険者を入れて排除はしているが、草木が複雑に生えすぎて思うように排除できてないとのこと。ちなみに先ほどの男たちは炭鉱員だってさ。

「鉱山にもゴブリンが現れるので本当に困っていますよ。あいつら、食料庫を漁ったり残飯を漁ったりとやりたい放題。輸送員であるおれもよく駆り出されます」

 ほんと、ゴブリン駆除に予算と人手を出せよ。取り返せるうちによ。

 三十分くらい歩くと葡萄畑に出た。

「ここ、葡萄が有名なんですか?」

 かなり広範囲に葡萄畑が広がっている。ここで消費する広さではないぞ。

「有名とまでは言えませんが、近隣の領地には出してますね。まあ、ここにもゴブリンが出て困っていますよ。できれば秋の収穫まで減らしてもらえると助かりますます」

 畑にはいないようだが、先ほどの廃墟にはかなりの数がいた。完全にあそこを棲み家にしてる感じだな。

 また三十分くらい歩くとバズ村が見えてきた。

 柵に覆われた二百人規模の村のようで、木造の家が密集するように建てられていた。

「随分と密集してるんですね」

「ゴブリンに子供が拐われたりするので家で囲んで、中央で遊ばせているんです」

 へー。そんなことして子供を守り育てているんだ。

「ここには宿屋がないんですが、泊まるなら村長に話を通しますが」

「いえ、ゴブリンを駆除しながら移動しますので大丈夫です。まずは畑に潜んでいるゴブリンを駆除しつつ廃墟に向かってみます。ゴブリンはそのままにしていくので片付けは村の方にお願いしてもらっていいですか?」

「そのくらいでしたら問題ありません。ゴブリンがいなくなるのならそのくらいお安いご用ですよ」

 了承を得て村長のところに向かい、オレたちのことを紹介してくれ、ゴブリン駆除にきたことを説明してくれた。

「ゴブリン駆除にうるさい音を立てますので村の方々にお伝えください」

「わかりました。ゴブリン狩り、よろしくお願いします」

 バイスさんのお陰で話はすんなり通り、まずは畑にいるゴブリン駆除することにした。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

レベル1のフリはやめた。貸した力を全回収

ソラ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ち、ソラ。 彼はレベル1の無能として蔑まれ、魔王討伐を目前に「お前のようなゴミはいらない」と追放を言い渡される。 だが、傲慢な勇者たちは知らなかった。 自分たちが人間最高峰の力を維持できていたのは、すべてソラの規格外のステータスを『借りていた』からだということを。 「……わかった。貸していた力、すべて返してもらうよ」 契約解除。返還されたレベルは9999。 一瞬にして力を失い、ただの凡人へと転落しパニックに陥る勇者たち。 対するソラは、星を砕くほどの万能感を取り戻しながらも、淡々と宿を去る。 静かな隠居を望むソラだったが、路地裏で「才能なし」と虐げられていた少女ミィナを助けたことで、運命が変わり始める。 「借金の利息として、君を最強にしてあげよう」 これは、世界そのものにステータスを貸し付けていた最強の『貸与者』が、不条理な世界を再定義していく物語。 (本作品はAIを活用して構成・執筆しています)

リストラされた42歳、確率の向こう側へ。~なぜか俺の選択肢がすべて正解になる件~

RIU
ファンタジー
「君には今月いっぱいで席を空けてもらいたい」 42歳、独身、社畜。会社のために尽くしてきた柏木誠は、理不尽な理由でリストラされた。 絶望の中、雨の神社で野良猫を助けた彼は、不思議な光と共に【確率固定】という異能――「無意識に正解を選び続ける豪運」を手に入れる。 試しに買った宝くじは10億円当選。 復讐心に燃える元上司を袖にし、元天才投資家の美女をパートナーに迎えた柏木は、その豪運で現代社会を無双していく。 「俺の選択に間違いはない。なぜなら、確率の方が俺に合わせるからだ」 枯れたおじさんが資産と余裕を手に入れ、美女たちに頼られながら、第2の人生を謳歌する痛快サクセスストーリー!

『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』

チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。 気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。 「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」 「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」 最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク! 本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった! 「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」 そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく! 神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ! ◆ガチャ転生×最強×スローライフ! 無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

ウルティメイド〜クビになった『元』究極メイドは、素材があれば何でも作れるクラフト系スキルで魔物の大陸を生き抜いていく〜

西館亮太
ファンタジー
「お前は今日でクビだ。」 主に突然そう宣告された究極と称されるメイドの『アミナ』。 生まれてこの方、主人の世話しかした事の無かった彼女はクビを言い渡された後、自分を陥れたメイドに魔物の巣食う島に転送されてしまう。 その大陸は、街の外に出れば魔物に襲われる危険性を伴う非常に危険な土地だった。 だがそのまま死ぬ訳にもいかず、彼女は己の必要のないスキルだと思い込んでいた、素材と知識とイメージがあればどんな物でも作れる『究極創造』を使い、『物作り屋』として冒険者や街の住人相手に商売することにした。 しかし街に到着するなり、外の世界を知らない彼女のコミュ障が露呈したり、意外と知らない事もあったりと、悩みながら自身は究極なんかでは無かったと自覚する。 そこから始まる、依頼者達とのいざこざや、素材収集の中で起こる騒動に彼女は次々と巻き込まれていく事になる。 これは、彼女が本当の究極になるまでのお話である。 ※かなり冗長です。 説明口調も多いのでそれを加味した上でお楽しみ頂けたら幸いです

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

魔法が使えない落ちこぼれ貴族の三男は、天才錬金術師のたまごでした

茜カナコ
ファンタジー
魔法使いよりも錬金術士の方が少ない世界。 貴族は生まれつき魔力を持っていることが多いが錬金術を使えるものは、ほとんどいない。 母も魔力が弱く、父から「できそこないの妻」と馬鹿にされ、こき使われている。 バレット男爵家の三男として生まれた僕は、魔力がなく、家でおちこぼれとしてぞんざいに扱われている。 しかし、僕には錬金術の才能があることに気づき、この家を出ると決めた。

処理中です...