ダメ女神からゴブリンを駆除しろと命令されて異世界に転移させられたアラサーなオレ、がんばって生きていく!

AA1

文字の大きさ
97 / 459

97 一旦帰宅

しおりを挟む
 シュポン! と催涙弾が飛んでいく。

 山なりになって五十メートル先に着弾。パンと弾けて煙が出た。

「なんかショボいな」

 でも、そこにいたゴブリン数匹がもがき苦しみ阿鼻叫喚。死ぬより酷いことになっていた。

 効くことは効いたので次々と催涙弾を撃っていく。

 十発を放ったら場所を移動。また十発撃ったら移動を繰り返し、すべてを撃ち尽くした。

「うっ。こっちに流れてきた」

 防毒マスク越しにもわかる刺激臭。こんなのをまともに吸ったら地獄だろうな。完全に非人道兵器だろう、これ。

 まあ、相手はゴブリンなので微塵にも酷いとは思わないが、使いどころを選ぶ兵器だな。

 少し登り、背中に差してるマチェットを抜いて、ぐったりするゴブリンの喉に突き刺していった。

 ただ刺していくだけだが、これはこれで重労働だな。これなら槍を使ったほうが楽だぜ。

 三十匹もやると面倒になってきた。グロックを抜きたくなるが、ラダリオンの手前オレが先にやるのは示しがつかない。頼む、ラダリオン。先に根を上げてくれ! 

 なんて願いが通じたのか、「タカト、疲れたー!」と言ってきてくれた。ナイスだ、ラダリオン! オレは信じてたぞ。

「SCARで撃っていいぞ~!」

 オレもVHS-2でやるから~。と心の中で返し、止めを刺してたらまだあのアナウンスが流れた。

 ──ピローン! 七千匹突破おめでとー! クジ計二回引けるよ~!

 だからそんな報告いらねーんだよ! ダブレットのほうに連絡入れとけや! クソが!

「ラダリオン! 休憩しよう!」

 ダメ女神のせいで気が抜けた。補給を兼ねて休憩しよう。

 セフティーホームに戻り、マガジンの補給と催涙弾の買い足し、二十分くらい休憩したら外に出た。

「ゴブリン、逃げたな」

 残ってるのは催涙弾で阿鼻叫喚になってる数百匹だけ。さて。どうやって片付けようか……。

 三百匹はいないだろうが、これを一匹一匹止めを刺すとなると気が重くなるな。

「ラダリオン。とりあえず催涙弾の練習をしよう」

 たくさん撃てば呼吸困難になって死ぬだろう。

 買った分の催涙弾を撃ち尽くす頃には昼になり、呼吸困難で死ぬゴブリンも出てきた。

 無線機のスイッチを入れ、カインゼルさんに通信してみる。いるかな?

「──こちら02。終わったのか?」

 すぐ出てくれた。ずっと待っててくれたのかな?

「もう少しかかります。昼を食べてゆっくり休んでからこちらにきてください。あ、毒マスクを忘れずにしてきてくださいね」

「了解した」

 もうゴブリンは集まってくることもないし、合流してもいいだろう。

 オレらもセフティーホームに戻り装備を外して昼にした。

 ラダリオンに食べすぎないよう注意し、オレも腹八分目に抑えておく。でも、ビール一缶は許しておくれ。カァー! 美味い!

 一時間半くらい休んだら装備をベネリM4に換えた。ラダリオンに元に戻ってもらって止めを刺してもらおう。

 外に出ると報酬金がいっきに入ってくる。催涙弾は非人道兵器に認定だな。ゴブリンは人ではないので除外されるがな。

 生き残っているゴブリンに止めを刺していると、カインゼルさんがやってきた。

「凄い数を殺したな」

「資金があればもっと殺せたんですけどね」

 我に潤沢な予算と時間、そして、人手を与えたまえ、だ。

「きて早々申し訳ありませんが、生き残りの止めを刺してください。数が多くて終わりそうにないんですよ」

 三百匹もいないかと思ったら、阿鼻叫喚に騒ぐヤツらの下に意識を失っていたのがいたのだ。まさか意識を失うと気配が弱くなるとは想像もつかなかったよ。寝てるくらいなら気配は変わらないのにな。

 このまま死ぬかどうかもわからんので、念のために止めを刺していくしかなかったのだ。とは言え、ベネリM4の反動に手首が痛くなってきた。

「ガソリン撒いて燃やしたくなるな」

 きっと凄まじいことになりそうだからしないけどさ。

 夕方になってやっと気配がなくなってくれた。あーもー引き金引きたくねー!

 アドレナリン全開のときはやれたけど、まったく出てないときに何百回と引き金を引かなくちゃならない辛さよ。精神がおかしくなりそうだ。

「暗くなりましたが、少し離れましょう」

 こんなところで野営をするのも気分が悪い。二、三キロ離れよう──と思って川上に向かったけど、まだゴブリンの死体が転がっていた。死体の多さに片付けが追いついてないようだ。

「ここからだとミスリムの町のほうが近いですかね?」 

「いや、夜は橋が通れなくなる。ラザニア村に戻ったほうがいいな」

 確かに橋が柵で通れなくなり、管理者は橋の向こうにいるそうだ。

 まあ、道まで出ればラザニア村まで三十分もかからない。そう遠くないんだからラザニア村へと帰ることにした。

「……なかなか立派な家ができてますね……」

 まだ二日なのに石組みの家ができていた。

 中を見れば十二畳くらいの広さがあり、釜戸と暖炉、ベッドがあった。

「なんだか申し訳ないな。礼に酒でも渡しておくか」

「それはこちらで用意しておきますよ。それより住みやすくしますか」

 ガス、水道、電気もなく、布団もない。せめてゆっくり眠れるくらいにしておこう。

「いや、小屋から持ってくれば充分さ。あとは自分で揃えるよ。昨日暇だったんで請負カードを見て欲しいのがたくさんあってな、さっそく買ってみたいのさ」

 まあ、カインゼルさんがそう言うならお任せするか。

「では、明日はゆっくり起きてください。昼前に出発しましょう」

「ああ。わかった」

 うちへと向かい、それぞれセフティーホームに帰った。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

レベル1のフリはやめた。貸した力を全回収

ソラ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ち、ソラ。 彼はレベル1の無能として蔑まれ、魔王討伐を目前に「お前のようなゴミはいらない」と追放を言い渡される。 だが、傲慢な勇者たちは知らなかった。 自分たちが人間最高峰の力を維持できていたのは、すべてソラの規格外のステータスを『借りていた』からだということを。 「……わかった。貸していた力、すべて返してもらうよ」 契約解除。返還されたレベルは9999。 一瞬にして力を失い、ただの凡人へと転落しパニックに陥る勇者たち。 対するソラは、星を砕くほどの万能感を取り戻しながらも、淡々と宿を去る。 静かな隠居を望むソラだったが、路地裏で「才能なし」と虐げられていた少女ミィナを助けたことで、運命が変わり始める。 「借金の利息として、君を最強にしてあげよう」 これは、世界そのものにステータスを貸し付けていた最強の『貸与者』が、不条理な世界を再定義していく物語。 (本作品はAIを活用して構成・執筆しています)

リストラされた42歳、確率の向こう側へ。~なぜか俺の選択肢がすべて正解になる件~

RIU
ファンタジー
「君には今月いっぱいで席を空けてもらいたい」 42歳、独身、社畜。会社のために尽くしてきた柏木誠は、理不尽な理由でリストラされた。 絶望の中、雨の神社で野良猫を助けた彼は、不思議な光と共に【確率固定】という異能――「無意識に正解を選び続ける豪運」を手に入れる。 試しに買った宝くじは10億円当選。 復讐心に燃える元上司を袖にし、元天才投資家の美女をパートナーに迎えた柏木は、その豪運で現代社会を無双していく。 「俺の選択に間違いはない。なぜなら、確率の方が俺に合わせるからだ」 枯れたおじさんが資産と余裕を手に入れ、美女たちに頼られながら、第2の人生を謳歌する痛快サクセスストーリー!

『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』

チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。 気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。 「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」 「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」 最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク! 本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった! 「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」 そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく! 神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ! ◆ガチャ転生×最強×スローライフ! 無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

ウルティメイド〜クビになった『元』究極メイドは、素材があれば何でも作れるクラフト系スキルで魔物の大陸を生き抜いていく〜

西館亮太
ファンタジー
「お前は今日でクビだ。」 主に突然そう宣告された究極と称されるメイドの『アミナ』。 生まれてこの方、主人の世話しかした事の無かった彼女はクビを言い渡された後、自分を陥れたメイドに魔物の巣食う島に転送されてしまう。 その大陸は、街の外に出れば魔物に襲われる危険性を伴う非常に危険な土地だった。 だがそのまま死ぬ訳にもいかず、彼女は己の必要のないスキルだと思い込んでいた、素材と知識とイメージがあればどんな物でも作れる『究極創造』を使い、『物作り屋』として冒険者や街の住人相手に商売することにした。 しかし街に到着するなり、外の世界を知らない彼女のコミュ障が露呈したり、意外と知らない事もあったりと、悩みながら自身は究極なんかでは無かったと自覚する。 そこから始まる、依頼者達とのいざこざや、素材収集の中で起こる騒動に彼女は次々と巻き込まれていく事になる。 これは、彼女が本当の究極になるまでのお話である。 ※かなり冗長です。 説明口調も多いのでそれを加味した上でお楽しみ頂けたら幸いです

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

魔法が使えない落ちこぼれ貴族の三男は、天才錬金術師のたまごでした

茜カナコ
ファンタジー
魔法使いよりも錬金術士の方が少ない世界。 貴族は生まれつき魔力を持っていることが多いが錬金術を使えるものは、ほとんどいない。 母も魔力が弱く、父から「できそこないの妻」と馬鹿にされ、こき使われている。 バレット男爵家の三男として生まれた僕は、魔力がなく、家でおちこぼれとしてぞんざいに扱われている。 しかし、僕には錬金術の才能があることに気づき、この家を出ると決めた。

処理中です...