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119 特異種
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夜の十一時過ぎくらいに目が覚めた。
「……意外と眠ってしまったな……」
九時くらいに様子を見にいこうとしたのにな~。昼間に酒なんて飲んだのが悪ったか?
まだ眠ってるラダリオンを起こさずにユニットバスに向かい、顔を洗って眠気を追い払った。
ミリエルは……玄関か? マットレスに眠ってないので玄関にいったら発光していた。スーパーミリエルに変身したか?
「まだ起きてたのか?」
スーパーミリエルが解け、ノーマルミリエルに戻った。
「はい。二人がこれから向かうのに眠ってなんていられません」
真面目な娘だ。警戒だけだって伝えておいたのに。
「あまり無理するなよ。まだ体ができあがってないんだから」
まだミリエルがきて十日くらい。少しは肉はついてきたがまだまだ細い。一月は規則正しい生活をせんといかんぞ。
「はい。無理しません。早く回復してタカトさんやラダリオンの力になりたいですから。今はゴブリンの魔石を使って体を回復させてます」
「魔石って体も癒せるんだ」
ただ、外部バッテリー的なもんだと思ってたよ。
「回復魔法が使えなければ意味はありませんけどね」
「脚は治りそうか?」
「欠損は相当な魔力を消費しますからいつになるか……」
「回復薬を飲んでもいいんだぞ」
一粒の効果は低くても三十錠も飲めば欠損した足も治ると思う。なんたって神製だしな。
「いえ、自分の力で治していきます。回復魔法を極めたいので」
「そうか。まあ、ミリエルには後方支援を任せたいからな、ゆっくりやっていけばいいさ」
回復魔法の効果を増すのはありがたいが、銃や道具の管理もやってもらいたい。弾込めとか本当に助かるんだよ。
窓から外を見ると、LEDライトは点いており、人の動きもあったが、襲撃されてる感じはしない。真夜中にやってくるのかな?
外した装備をつけ、リュックサックにマガジンを十本詰め込み、バスケットにサンドイッチとコーヒーを入れたマグボトルを入れた。
「ミリエルも四時間くらい寝ろ。襲撃されるにしても夜中か朝方だろうからな。寝不足では碌に弾込めもできんだろう?」
「はい、わかりました」
「それじゃいってくる。ラダリオンはそのまま寝かせてていいから」
外を確認してから作業鞄とバスケットをつかんでセフティーホームを出た。
「モクダンの鳴き声か?」
フゴォオォォォッ! って叫び声が四方から聞こえる。威嚇してんのかな?
こちらをビビらせようとしてるだけなら怖くはない。ビビらせようとしてるヤツのほうがビビってる証拠だからな。
「カインゼルさんは……あそこか」
櫓の上からカインゼルさんの気配。見張りをしているようだ。
作業鞄とバスケットをパイオニアに置き、櫓へと向かい、梯子を昇った。
「カインゼルさん。交代しましょう」
櫓にはカインゼルさん一人だけ。こちらが正面なのかな?
「ああ。わかった。今のところ森の中に隠れてこちらを威嚇している状況だ」
「襲ってきますかね?」
「ちょっかいはかけてくるだろう。夜中か朝方かはわからんが」
読みは同じか。
「パイオニアに夜食を置いてきましたから食べてください。あと、少し仮眠してください。襲ってきたら嫌でも目覚めるでしょうからね」
銃声がいい目覚ましとなるだろうよ。
「ああ。そうさせてもらうよ」
気を張っていたのかやや疲れた感じが見て取れた。プランド村になにか思い入れがあるのかな?
カインゼルさんが櫓から下りたらリュックサックからマットとマガジンを出し、缶コーヒーを飲みながら周囲を警戒する。
モクダンの威嚇は絶え間なく続いており、零時を過ぎても止むことはない。まったく、汚ねーBGMだ。
不快な思いをしながら警戒していると、グゥゴォオォォォォッ! と、明らかに格の違う鳴き声が響き渡った。
「ボスかな?」
群れを率いるボスがいるとは思ってたが、また上位種的なのが率いてるのかね? ヤダヤダ。
「──動きは?」
と、カインゼルさんが戻ってきてしまった。いやまあ、あれを聞いちゃ寝てらんないだろうけどさ。
「姿は見えてません。叫んでるだけですね」
LEDライトで照らしたところには入ってきてない。闇の中で叫んでいるだけだ。
「このいかにもな叫びをしてるのは群れのボスですかね?」
「おそらくそうだろう。魔物の世界では強いのが群れを率いるからな」
「人の世界も魔物の世界も暮らし難そうですね」
緩い世界で生きてきたオレには地獄でしかないよ。
「そうだな。だが、それでも生きなければならん。死にたくないのならな」
「反論できないのが悲しいです」
こんな地獄に落とされても死にたくないと強く思う。ほんと、人間とは意地汚い生き物だよ。
「ん? 止みましたね?」
うるさく鳴き叫んでいたのにいきなりピタリと止まった。
「人間にナメられて怒ってるのだろう。ボスは常に強気をみせてないといかんからな」
「ボスになるのも大変だ」
「まったくだな」
フフと二人して笑ってしまった。
「──きたぞ」
LEDライトが照らす中に一際大きいモクダンが現れた。その手には棍棒ではなく剣を握っていた。
「最近の魔物は剣まで使うんですね」
遠くて質まではわからないが、光を反射しているところからして錆びてはいない感じだ。
「特異種のようだ。もしかすると魔王の配下かもしれんな」
ヤダ。また魔王とか出てきてる。オレはゴブリン駆除員なんだからそう言うのは勇者とかに回してくれよ……。
「……意外と眠ってしまったな……」
九時くらいに様子を見にいこうとしたのにな~。昼間に酒なんて飲んだのが悪ったか?
まだ眠ってるラダリオンを起こさずにユニットバスに向かい、顔を洗って眠気を追い払った。
ミリエルは……玄関か? マットレスに眠ってないので玄関にいったら発光していた。スーパーミリエルに変身したか?
「まだ起きてたのか?」
スーパーミリエルが解け、ノーマルミリエルに戻った。
「はい。二人がこれから向かうのに眠ってなんていられません」
真面目な娘だ。警戒だけだって伝えておいたのに。
「あまり無理するなよ。まだ体ができあがってないんだから」
まだミリエルがきて十日くらい。少しは肉はついてきたがまだまだ細い。一月は規則正しい生活をせんといかんぞ。
「はい。無理しません。早く回復してタカトさんやラダリオンの力になりたいですから。今はゴブリンの魔石を使って体を回復させてます」
「魔石って体も癒せるんだ」
ただ、外部バッテリー的なもんだと思ってたよ。
「回復魔法が使えなければ意味はありませんけどね」
「脚は治りそうか?」
「欠損は相当な魔力を消費しますからいつになるか……」
「回復薬を飲んでもいいんだぞ」
一粒の効果は低くても三十錠も飲めば欠損した足も治ると思う。なんたって神製だしな。
「いえ、自分の力で治していきます。回復魔法を極めたいので」
「そうか。まあ、ミリエルには後方支援を任せたいからな、ゆっくりやっていけばいいさ」
回復魔法の効果を増すのはありがたいが、銃や道具の管理もやってもらいたい。弾込めとか本当に助かるんだよ。
窓から外を見ると、LEDライトは点いており、人の動きもあったが、襲撃されてる感じはしない。真夜中にやってくるのかな?
外した装備をつけ、リュックサックにマガジンを十本詰め込み、バスケットにサンドイッチとコーヒーを入れたマグボトルを入れた。
「ミリエルも四時間くらい寝ろ。襲撃されるにしても夜中か朝方だろうからな。寝不足では碌に弾込めもできんだろう?」
「はい、わかりました」
「それじゃいってくる。ラダリオンはそのまま寝かせてていいから」
外を確認してから作業鞄とバスケットをつかんでセフティーホームを出た。
「モクダンの鳴き声か?」
フゴォオォォォッ! って叫び声が四方から聞こえる。威嚇してんのかな?
こちらをビビらせようとしてるだけなら怖くはない。ビビらせようとしてるヤツのほうがビビってる証拠だからな。
「カインゼルさんは……あそこか」
櫓の上からカインゼルさんの気配。見張りをしているようだ。
作業鞄とバスケットをパイオニアに置き、櫓へと向かい、梯子を昇った。
「カインゼルさん。交代しましょう」
櫓にはカインゼルさん一人だけ。こちらが正面なのかな?
「ああ。わかった。今のところ森の中に隠れてこちらを威嚇している状況だ」
「襲ってきますかね?」
「ちょっかいはかけてくるだろう。夜中か朝方かはわからんが」
読みは同じか。
「パイオニアに夜食を置いてきましたから食べてください。あと、少し仮眠してください。襲ってきたら嫌でも目覚めるでしょうからね」
銃声がいい目覚ましとなるだろうよ。
「ああ。そうさせてもらうよ」
気を張っていたのかやや疲れた感じが見て取れた。プランド村になにか思い入れがあるのかな?
カインゼルさんが櫓から下りたらリュックサックからマットとマガジンを出し、缶コーヒーを飲みながら周囲を警戒する。
モクダンの威嚇は絶え間なく続いており、零時を過ぎても止むことはない。まったく、汚ねーBGMだ。
不快な思いをしながら警戒していると、グゥゴォオォォォォッ! と、明らかに格の違う鳴き声が響き渡った。
「ボスかな?」
群れを率いるボスがいるとは思ってたが、また上位種的なのが率いてるのかね? ヤダヤダ。
「──動きは?」
と、カインゼルさんが戻ってきてしまった。いやまあ、あれを聞いちゃ寝てらんないだろうけどさ。
「姿は見えてません。叫んでるだけですね」
LEDライトで照らしたところには入ってきてない。闇の中で叫んでいるだけだ。
「このいかにもな叫びをしてるのは群れのボスですかね?」
「おそらくそうだろう。魔物の世界では強いのが群れを率いるからな」
「人の世界も魔物の世界も暮らし難そうですね」
緩い世界で生きてきたオレには地獄でしかないよ。
「そうだな。だが、それでも生きなければならん。死にたくないのならな」
「反論できないのが悲しいです」
こんな地獄に落とされても死にたくないと強く思う。ほんと、人間とは意地汚い生き物だよ。
「ん? 止みましたね?」
うるさく鳴き叫んでいたのにいきなりピタリと止まった。
「人間にナメられて怒ってるのだろう。ボスは常に強気をみせてないといかんからな」
「ボスになるのも大変だ」
「まったくだな」
フフと二人して笑ってしまった。
「──きたぞ」
LEDライトが照らす中に一際大きいモクダンが現れた。その手には棍棒ではなく剣を握っていた。
「最近の魔物は剣まで使うんですね」
遠くて質まではわからないが、光を反射しているところからして錆びてはいない感じだ。
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