ダメ女神からゴブリンを駆除しろと命令されて異世界に転移させられたアラサーなオレ、がんばって生きていく!

AA1

文字の大きさ
158 / 459

158 窯

しおりを挟む
 夕飯を終えたらミーティング──とはならず、飲み会となってしまって流れてしまった。

「……飲みすぎた……」

 ミシニーは当然の如くアルズライズも飲むは飲む。それに乗せられてオレも結構飲んでしまい、角の瓶どころか芋焼酎にも手を出してしまって、途中から記憶がなくなってしまった。

 買い置きしている水を出していっき飲み。喉の乾きが落ち着いてくれた。

「カインゼルさんは帰ったか」

 あの人も結構飲兵衛だが、ちゃんと自分の適量を守るタイプ。途中でドロンしたのだろう。

 ミシニーはテーブルに突っ伏して眠っており、アルズライズは床(地面)に横になって眠っていた。

「……食費どころか酒代も稼がなくちゃならんな……」

 カセットコンロを出してコーヒーを淹れて飲んだ。

 しばらくぼんやりしてるとミシニーとアルズライズも起き出してコーヒーを淹れてやった。アルズライズには砂糖とミルクをたっぷり入れたけど。

「おはようございます」

 三人でぼんやりとしてたらミリエルが起きてきて、腕時計を見たら七時を過ぎていた。

 続いてラダリオンも出てきて、ビシャとメビもやってきた。

 まだぼんやりとしていたいが、そうもいかない。意を決して椅子から立ち上がり、ホームへと戻った。

 まずは熱いシャワーを浴びて意識を覚まし、水を五百ミリリットル飲んで体中に回った酒を中和させた。

 朝飯は面倒だからビジネスホテルの朝食ビュッフェ。床中に現れた料理を玄関へと運んで、ラダリオンとミリエルに外へと出してもらった。

 あれだけ飲んだのにミシニーもアルズライズも爆食いである。羨ましい胃をお持ちだよ……。

「カインゼルさん。申し訳ありませんが、ダインさんとの話し合い、午後からでいいですか?」

 午前中は無理です。許してください。
 
「わかった。あと、天候次第だが、三日後くらいには出発を予定してるそうだ」

「わかりました。では、明日中に用意して明後日にはミスリムの町に移りますか」

「だったら宿を予約しておく。パイオニアはルライズ商会の支店に置かしてもらえるそうだ」

 なんだかんだと話は纏っているようだな。

「ミシニーたち護衛もルライズ商会の支店に集まってるのか?」

「わたしたちはコレールの町で合流だ。ルライズ商会の倉庫があるんでな」

 オレたちに配慮した、ってことかな?

「午後からミスリムの町にいきます。離所のところで落ち合いましょうか。ビシャとメビはまたラザニア村周辺のゴブリン駆除を頼む。ラダリオンは少し足を延ばしてミヨンド村のほうをやってくれ」

「おれもラダリオンに付き合っていいか?」

 と、アルズライズ。今日は仕事ないのか?

「ラダリオンがいいなら構わんよ。どうだ?」

「構わない」

 と言うので二人でがんばってください。

 簡単なミーティングだったが、お互いのスケジュールを理解できたらそれでいい。では、今日も安全第一、ご安心に。

「……いつもあんなことしてるのか?」

 皆が出ていき、コーヒーをお代わりしたらミシニーがそんなことを訊いてきた。あんなことってミーティングのことか?

「まあ、そうだな。なにか変か?」

「いや、信頼された隊はやることもあるが、年齢も性別も種族さえ違うのによく纏まっていると思ってな。長年隊を組んでるようだった」

「纏まってるか。まあ、皆には助けられてるな」
 
 各自、目的はそれぞれだが、皆やる気は持っている。そのお陰で纏まっているんだろうよ。

「……タカトらしいな……」

 フフっと笑うミシニー。なんだい、いったい?

「少し席を外す。適当にやっててくれ。あ、案内してくれた報酬だが、そこの棚から適当に選んでくれ」

 カインゼルさん、食事のときはワインを飲むので棚を置いて、ワインを並べてあるのだ。値段は千円以下のものばっかりだけど。

「飲んで待ってるよ」

「……ほどほどにな」

 そう告げてホームに戻り、冷蔵庫の補充や生活用品の買い足しと、ミリエルに話を聞きながら買い物を済ませた。

「生活していくと荷物も増えていくな」

 中央ルームも二十畳近く広くしたが、物が増えすぎて歩くのも大変になってきた。もう十畳くらい増設しないと荷物で溢れ返るな。

「しょうがない。増設するか」

 今の貯蓄は五百万円ちょい。あると言えばあるし、今のところプラスにはなってるが、護衛の仕事をしたらマイナスになる。不安で増設は躊躇っていたが、さすがに物が増えすぎた。二百万円使って増設するか。

 ミリエル用の風呂場の横に二百万円使って増設。六、七畳くらいしかならないが、そこを倉庫としよう。

 タンスとか衣服類をそこに移し、まだスペースがあるのでビールとかジュースの箱物類も移動させた。

「ふー。動いたらすっかり酒も抜けたな」

 少し休憩してから外に出ると、巨人の奥様連中がきていて、ミシニーも混ざってお茶をしていた。

「タカト。布をたくさんありがとうね。皆喜んでいるよ」

「それはなにより。礼は館で返してくれたらいいさ。大工の親父さんはきてくれるのかい?」

 まだ大工道具は買ってないが、ガズの露店から買った斧やナイフを謝礼にするとは伝えてある。大工道具は成功報酬で構わないだろう。

「ああ。仲間を連れてきてくれるってさ。奥さん連中も連れてくるとか言ってたから秋の中頃には完成するかもしれないね」

 巨人大移動だな。

「悪いが食事とか出してやってくれ。また布とか買ってくるからさ」

「布は本当に助かるよ。巨人はなにかと量を使うからね」

 だろうな。人間の十倍はデカいんだしな。普通に買ったら銀貨十枚くらいはかかるんじゃないか? 毎日同じ服着てるしな。

「あと、パンを焼く窯とかも作ってくれるか? 巨人用で構わないからさ」

「窯かい?」

「ああ。人が増えたら買うのも大変だからな。なら作ろうと思ったんだよ。あと、巨人でパンを焼けるヤツいるかい? と言うか料理人になってくれるヤツがいると助かるんだが」

 巨人が作ってくれるなら人間が増えても手間ではないだろう。鍋一つ作れば何十人分となるんだからな。食費が浮くってものだ。

「それはいいね。村にも窯があるのは助かるし。布を渡せば作ってくれるよ」

 ダインさんと打ち合わせする前にミスリムの町で布を買っておくか。

「そこは任せる。報酬は弾むからいいものを作ってくれと伝えてくれ」

「ああ、任せておきな。立派なものを作らせるよ」

 と言うことで、前倒ししてミスリムの町へと向かうことにした。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

レベル1のフリはやめた。貸した力を全回収

ソラ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ち、ソラ。 彼はレベル1の無能として蔑まれ、魔王討伐を目前に「お前のようなゴミはいらない」と追放を言い渡される。 だが、傲慢な勇者たちは知らなかった。 自分たちが人間最高峰の力を維持できていたのは、すべてソラの規格外のステータスを『借りていた』からだということを。 「……わかった。貸していた力、すべて返してもらうよ」 契約解除。返還されたレベルは9999。 一瞬にして力を失い、ただの凡人へと転落しパニックに陥る勇者たち。 対するソラは、星を砕くほどの万能感を取り戻しながらも、淡々と宿を去る。 静かな隠居を望むソラだったが、路地裏で「才能なし」と虐げられていた少女ミィナを助けたことで、運命が変わり始める。 「借金の利息として、君を最強にしてあげよう」 これは、世界そのものにステータスを貸し付けていた最強の『貸与者』が、不条理な世界を再定義していく物語。 (本作品はAIを活用して構成・執筆しています)

リストラされた42歳、確率の向こう側へ。~なぜか俺の選択肢がすべて正解になる件~

RIU
ファンタジー
「君には今月いっぱいで席を空けてもらいたい」 42歳、独身、社畜。会社のために尽くしてきた柏木誠は、理不尽な理由でリストラされた。 絶望の中、雨の神社で野良猫を助けた彼は、不思議な光と共に【確率固定】という異能――「無意識に正解を選び続ける豪運」を手に入れる。 試しに買った宝くじは10億円当選。 復讐心に燃える元上司を袖にし、元天才投資家の美女をパートナーに迎えた柏木は、その豪運で現代社会を無双していく。 「俺の選択に間違いはない。なぜなら、確率の方が俺に合わせるからだ」 枯れたおじさんが資産と余裕を手に入れ、美女たちに頼られながら、第2の人生を謳歌する痛快サクセスストーリー!

『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』

チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。 気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。 「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」 「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」 最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク! 本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった! 「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」 そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく! 神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ! ◆ガチャ転生×最強×スローライフ! 無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

ウルティメイド〜クビになった『元』究極メイドは、素材があれば何でも作れるクラフト系スキルで魔物の大陸を生き抜いていく〜

西館亮太
ファンタジー
「お前は今日でクビだ。」 主に突然そう宣告された究極と称されるメイドの『アミナ』。 生まれてこの方、主人の世話しかした事の無かった彼女はクビを言い渡された後、自分を陥れたメイドに魔物の巣食う島に転送されてしまう。 その大陸は、街の外に出れば魔物に襲われる危険性を伴う非常に危険な土地だった。 だがそのまま死ぬ訳にもいかず、彼女は己の必要のないスキルだと思い込んでいた、素材と知識とイメージがあればどんな物でも作れる『究極創造』を使い、『物作り屋』として冒険者や街の住人相手に商売することにした。 しかし街に到着するなり、外の世界を知らない彼女のコミュ障が露呈したり、意外と知らない事もあったりと、悩みながら自身は究極なんかでは無かったと自覚する。 そこから始まる、依頼者達とのいざこざや、素材収集の中で起こる騒動に彼女は次々と巻き込まれていく事になる。 これは、彼女が本当の究極になるまでのお話である。 ※かなり冗長です。 説明口調も多いのでそれを加味した上でお楽しみ頂けたら幸いです

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

魔法が使えない落ちこぼれ貴族の三男は、天才錬金術師のたまごでした

茜カナコ
ファンタジー
魔法使いよりも錬金術士の方が少ない世界。 貴族は生まれつき魔力を持っていることが多いが錬金術を使えるものは、ほとんどいない。 母も魔力が弱く、父から「できそこないの妻」と馬鹿にされ、こき使われている。 バレット男爵家の三男として生まれた僕は、魔力がなく、家でおちこぼれとしてぞんざいに扱われている。 しかし、僕には錬金術の才能があることに気づき、この家を出ると決めた。

処理中です...