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165 領都
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何事もなくミランド峠を越えることができた。
「タカト、眺めいいよ!」
そうだな。オレも運転してなかったらコーヒーでも飲みながら眺めたいよ。
横目だが、ライダンド伯爵領が見えた。
羊と馬が有名とかで、領内のほとんどが牧草地なんだとか。ただ、大きな川がなくて麦とかは育てられず、コラウス辺境伯領や周辺の領地から買っているそうだ。
「ジンギスカン、食べられるかな?」
羊肉はジンギスカンと間違った知識を与えてしまってごめんな。
「食べれるんじゃないか? 売ってたら買ってみるか」
「うん! 買って買って!」
「美味しいといいね!」
品種改良もされてなくエサも牧草だから肉は臭いとは思うが、調理で美味くなるはず。料理本買って調べてみるか。
高い山ではないので四時間もすれば下りられ、小川の側で昼飯休憩となった。
「ゴブリンがいるな」
牧草なので隠れる場所は限られてくるが、たくさん丘があるので姿は見て取れない。だが、察知範囲には五十匹はいる感じだ。
ここでは狙撃するかパイオニアで追いかけるかしないと駆除は難しいかもしれんな。
おむすびを食いながらゴブリンの気配を探っていると、やたらと速く動くゴブリンの気配を察知した。
……この気配、ゴブリン上位種のマーヌだ……。
「カインゼルさん! マーヌです! 九時方向二百! 数一」
ライダンドを零時にしてあるので九時方向は東だ。
「確認した! だが遠いな」
さすがにオレもカインゼルさんも二百メートル先の、それも五十キロくらいで駆けるマーヌを撃つなんて無理。今は見送るしかなかった。
「ここでマーヌを駆除するのは難しいですね」
二百メートル先の的を撃ち抜ける腕があれば可能だが、今のオレには百メートルが精々。無理と断言できるぜ。
昼飯休憩が終わり、領都までいっきに進んだ。
魔物がいる世界なのでライダンド伯爵領の領都も城壁で囲まれており、城壁外に貧民街的なものができている感じだった。
領都に入る前にパイオニア二号をホームに仕舞い、オレらはダインさんの馬車の横について入った。
ここも城門で止められることはなく素通り。中はコラウスの街同様臭くて雑然とした街並みだった。
隊は街中を進み、ちょっと裕福そうな通りに入り、ルライズ商会の支部店へ到着した。
そこでミシニーたちとは別れ、オレらは商業区の広場に向かった。
「タカトさん。無事、ライダンドに到着できました。ありがとうございます」
「いえ。皆さんのがんばりのお陰ですよ。荷物はここで降ろすんですか?」
「兄弟子の店に運びます。酒屋をやっておりますので」
酒屋? この世界の酒屋ってどんなんだ?
「これから向かうので?」
「いえ、荷を運ぶのは明日にして、まずわたしだけ挨拶にいってきます。申し訳ありませんが、荷の護衛をお願いします」
時刻は十七時過ぎ。まだ明るいとは言え、荷を降ろしたら暗くなるか。
「わかりました。ここで夜営しても構わないので?」
「はい。ここはそういう場所なので問題ありません。ただ、ここは水が貴重なので火の後始末はしっかりやってください。火事になったら罰せられますから。それを注意すればあとは自由です」
なんでも領都は井戸の数が少なく、井戸税とかあって、桶一杯銅貨一枚かかるそうだ。あ、だから樽を積んだ馬車が多かったのか。
元の世界でも水の代わりにワインを飲んでるとかあったし、ここもそうなんだろう。ライフラインが充実してない世界は厳しいぜ。
「タカトさん。申し訳ありませんが、酒を売っていただけませんか? 兄弟子に手土産にしたいので」
「構いませんよ。なににします?」
「ワインを五本。銀貨一枚くらいでお願いします」
じゃあ、買い置きのでいいなとホームから輸入ワインを五本持ってきてダインさんへ売った。
「ではいってきます」
兄弟子のところに向かうダインさんを見送り、オレらはオレらで、ダインさんの従業員たちは従業員たちに分かれて夜営の準備に取りかかった。
峠の夜営とは違いここは街の中なので四人用のワンタッチテントを設営し、テーブルやアウトドアチェアを出した。
「ラダリオン。ホームからお湯を運んできてくれ」
体を拭く用に持ってきてもらい、まず先にビシャとメビにテントの中に入ってもらい、終わったらカインゼルさん。その間にオレはホームで夕飯を買い、外へ運んだ。
体を拭いたら三人に食べてもらい、オレとラダリオンはホームに戻ってシャワーを浴びた。
ラダリオンには先に寝てもらい、軽く夕飯を食べてから外に出た。
「ビシャとメビは寝ろ。カインゼルさんもどうぞ」
オレは短くもがっつり眠ってしまったからまだ余裕はある。先に眠ってもらっても構わない。
「なら、酒を飲んでもいいか? 一杯やりたい気分だ」
「いいですよ。なに飲みます?」
「少し冷えるから温かいのがいいな」
「なら、ホットウイスキーにしますか」
カインゼルさんはなんでも飲むが、オレはホットワインかホットウイスキーくらいしか飲んだことがない。冬まで生き抜けたら日本酒にもチャレンジしてみようっと。
ホットウイスキーならジャックなダニ黒さんだ。
「お湯だけで割るのも美味いですが、蜂蜜やバター、レモンとか入れるのもいいですね」
まずは基本のお湯割りを作ってやる。
「ハイボールもよかったが、寒い日とかにはこれがいいな。身に沁みる」
気に入ってもらえてよかった。
一杯目を飲み終わったら蜂蜜とバター入りのを作ってやると、それも気に入ってくれた。
オレも飲みたいが、飲んだら確実に寝落ちする。なので、濃いコーヒーを飲み、メガネをかけて夜の見張りについた。
「タカト、眺めいいよ!」
そうだな。オレも運転してなかったらコーヒーでも飲みながら眺めたいよ。
横目だが、ライダンド伯爵領が見えた。
羊と馬が有名とかで、領内のほとんどが牧草地なんだとか。ただ、大きな川がなくて麦とかは育てられず、コラウス辺境伯領や周辺の領地から買っているそうだ。
「ジンギスカン、食べられるかな?」
羊肉はジンギスカンと間違った知識を与えてしまってごめんな。
「食べれるんじゃないか? 売ってたら買ってみるか」
「うん! 買って買って!」
「美味しいといいね!」
品種改良もされてなくエサも牧草だから肉は臭いとは思うが、調理で美味くなるはず。料理本買って調べてみるか。
高い山ではないので四時間もすれば下りられ、小川の側で昼飯休憩となった。
「ゴブリンがいるな」
牧草なので隠れる場所は限られてくるが、たくさん丘があるので姿は見て取れない。だが、察知範囲には五十匹はいる感じだ。
ここでは狙撃するかパイオニアで追いかけるかしないと駆除は難しいかもしれんな。
おむすびを食いながらゴブリンの気配を探っていると、やたらと速く動くゴブリンの気配を察知した。
……この気配、ゴブリン上位種のマーヌだ……。
「カインゼルさん! マーヌです! 九時方向二百! 数一」
ライダンドを零時にしてあるので九時方向は東だ。
「確認した! だが遠いな」
さすがにオレもカインゼルさんも二百メートル先の、それも五十キロくらいで駆けるマーヌを撃つなんて無理。今は見送るしかなかった。
「ここでマーヌを駆除するのは難しいですね」
二百メートル先の的を撃ち抜ける腕があれば可能だが、今のオレには百メートルが精々。無理と断言できるぜ。
昼飯休憩が終わり、領都までいっきに進んだ。
魔物がいる世界なのでライダンド伯爵領の領都も城壁で囲まれており、城壁外に貧民街的なものができている感じだった。
領都に入る前にパイオニア二号をホームに仕舞い、オレらはダインさんの馬車の横について入った。
ここも城門で止められることはなく素通り。中はコラウスの街同様臭くて雑然とした街並みだった。
隊は街中を進み、ちょっと裕福そうな通りに入り、ルライズ商会の支部店へ到着した。
そこでミシニーたちとは別れ、オレらは商業区の広場に向かった。
「タカトさん。無事、ライダンドに到着できました。ありがとうございます」
「いえ。皆さんのがんばりのお陰ですよ。荷物はここで降ろすんですか?」
「兄弟子の店に運びます。酒屋をやっておりますので」
酒屋? この世界の酒屋ってどんなんだ?
「これから向かうので?」
「いえ、荷を運ぶのは明日にして、まずわたしだけ挨拶にいってきます。申し訳ありませんが、荷の護衛をお願いします」
時刻は十七時過ぎ。まだ明るいとは言え、荷を降ろしたら暗くなるか。
「わかりました。ここで夜営しても構わないので?」
「はい。ここはそういう場所なので問題ありません。ただ、ここは水が貴重なので火の後始末はしっかりやってください。火事になったら罰せられますから。それを注意すればあとは自由です」
なんでも領都は井戸の数が少なく、井戸税とかあって、桶一杯銅貨一枚かかるそうだ。あ、だから樽を積んだ馬車が多かったのか。
元の世界でも水の代わりにワインを飲んでるとかあったし、ここもそうなんだろう。ライフラインが充実してない世界は厳しいぜ。
「タカトさん。申し訳ありませんが、酒を売っていただけませんか? 兄弟子に手土産にしたいので」
「構いませんよ。なににします?」
「ワインを五本。銀貨一枚くらいでお願いします」
じゃあ、買い置きのでいいなとホームから輸入ワインを五本持ってきてダインさんへ売った。
「ではいってきます」
兄弟子のところに向かうダインさんを見送り、オレらはオレらで、ダインさんの従業員たちは従業員たちに分かれて夜営の準備に取りかかった。
峠の夜営とは違いここは街の中なので四人用のワンタッチテントを設営し、テーブルやアウトドアチェアを出した。
「ラダリオン。ホームからお湯を運んできてくれ」
体を拭く用に持ってきてもらい、まず先にビシャとメビにテントの中に入ってもらい、終わったらカインゼルさん。その間にオレはホームで夕飯を買い、外へ運んだ。
体を拭いたら三人に食べてもらい、オレとラダリオンはホームに戻ってシャワーを浴びた。
ラダリオンには先に寝てもらい、軽く夕飯を食べてから外に出た。
「ビシャとメビは寝ろ。カインゼルさんもどうぞ」
オレは短くもがっつり眠ってしまったからまだ余裕はある。先に眠ってもらっても構わない。
「なら、酒を飲んでもいいか? 一杯やりたい気分だ」
「いいですよ。なに飲みます?」
「少し冷えるから温かいのがいいな」
「なら、ホットウイスキーにしますか」
カインゼルさんはなんでも飲むが、オレはホットワインかホットウイスキーくらいしか飲んだことがない。冬まで生き抜けたら日本酒にもチャレンジしてみようっと。
ホットウイスキーならジャックなダニ黒さんだ。
「お湯だけで割るのも美味いですが、蜂蜜やバター、レモンとか入れるのもいいですね」
まずは基本のお湯割りを作ってやる。
「ハイボールもよかったが、寒い日とかにはこれがいいな。身に沁みる」
気に入ってもらえてよかった。
一杯目を飲み終わったら蜂蜜とバター入りのを作ってやると、それも気に入ってくれた。
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