ダメ女神からゴブリンを駆除しろと命令されて異世界に転移させられたアラサーなオレ、がんばって生きていく!

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「タカトさん! タカトさん!」

 体を激しく揺らされて目を覚ました。

 ──いけね! 眠ってしまったよ!

 ガバッと起き上がると、ミリエルとラダリオンがいた。

「ど、どうなった!?」

 てか今何時だ? 二十二時? はぁ? 八時間近く眠ってたのかよ! 眠り過ぎだ!

「安心してください。山黒は倒しましたから。何人かは怪我をしましたが、死んだ方はいません」

 ミリエルの答えにホッとする。大した被害もなく倒せたようだ。

「山黒の解体は明日にして、今日は終わりにしました」

「苦戦したか?」

「はい。ラダリオンの攻撃を何十発って受けたのに、なかなか死にませんでした。おそらく力の属性なんだと思います。でなければあんな異常な体力は出せませんから」

 力と言うと、モクダンと同じ系統か。確か、紫の魔石だったっけ? まったく、嫌な属性を持ったバケモノだよ。

「ゴルグのほうは?」

「倒したとは聞きましたが、詳細まではわかりません」

 距離が距離だしな。詳細なことは伝えてる暇はないか。

「わかった。一度確認してからラザニア村に戻る」

「明日でいいのでは?」

「いや、気になるからな。確かめるよ」

 ぐっすり眠ったお陰で体力も回復したし、ラザニア村からそう離れてない場所だ。三時間もすればゴルグたちのところにいって、ラザニア村に帰れるはずだ。道に出たらパイオニアを出せるしな。

「細かいことは帰ってからする。お前たちはゆっくり休んでおけ。他に山黒がいないとも限らないからな。あ、ビシャからメガネを借りてきてくれ」

「あたしがいってくる」

 ラダリオンが取りにいってる間に簡易P90装備に換えた。夜の山を進むなら軽い装備のほうがいいんでな。

 換え終わる頃にラダリオンが戻ってきた。

「気をつけてくださいね」

「ああ。最後まで油断はしないさ」

 二人の肩を叩き、メガネをかけて外に出た。

「山黒は……裂かれてる? 魔石を取り出してくれたのか? てか、よく解体できたな? リンクスの弾でも死ななかったのに」

 試しにナイフを抜いて突き刺してみたら刃の半分まで入った。え? 死んだからってことか?

「……魔法が関係してるのか……?」

 魔法を使えるようになってわかったが、魔法は肉体に繋がっている。魔法が強ければ強いほど人間離れした力を出せる。体力も向上する。つまり、魔法がすべての世界と言うことだ。

「ほんと、そういう重要なことは最初に説明しろってんだ」

 オレ魔力では水を三リットルくらいしか出せないが、水の魔石があるならもっと効果を出せるし、水属性でも体力を回復させたりもできる。もっと早く練習してたら駆除にも役立てれたってのによ。

 まあ、それはあとだ。ゴルグたちが戦った場所に向かうとしよう。

 一時間くらいかけて司令部にした場所にきたが、少年たちの姿はなかったが、ミスズの死体がうず高く積まれていた。

「山黒を倒したあとに集めたのか?」

 それだけの余裕があったってことは死人は出てないってことだろう。よかった。

 ホッとしたものの一応確認のためにゴルグたちが戦った場所に向かった。

 親はとにかくデカかった。デカすぎてどのくらいデカいかもわからない。山だよ。巨人とは言え、よく倒せたもんだ。巨大化したSCAR-Lの弾を何発も食らわせて倒せなかって言うのにな。

「弾痕の他に斧や斬り傷があるな」

 よくよく見ればふるボッコにした感じだ。しっかりとした武器を持った巨人はちょっとした巨大ロボット並みに凶悪だな。

「魔石を取り出したっぽいな」

 生臭い臭いがして肉塊が転がっている。これ、他の魔物が寄ってきたりしないか? つーか、こんなのを食うのがいるのか?

「ゴブリンの気配、まるでないな」

 昼間は辛うじてあったのに、感じる範囲にはまったくいなかった。山黒を倒したヤバいヤツがいると思って逃げ出したか?

 見渡す限り、熱反応はない。他の魔物も寄ってこないか。山黒とはそれだけの存在ってことなんだろうな~。

「子供でも異常だったしな。下手したらコラウスが滅んでいたぞ」

 まったく、こんなものがいる世界でゴブリン駆除とか無理ゲーすぎる。冬の稼ぎでRPG-7を買おうっと。それくらい持っておかないと怖くてたまらんわ。

 司令部だった場所に戻り、ホームからパイオニアを出して一休みすることにした。

「そう言えば、ミスズはどうなったんだ?」

 山黒との戦いでどこかに去ったか? だったらいいのだが、それだと巨人に渡す量が減るかもしれんな。

 缶コーヒーを飲みながら考えていると、ふと名案と言うか試したいことが浮かんだ。

「……もしかして、魔法で血を集められるんじゃね……?」

 血液は液体。水分が含まれている。なら、魔法でどうにかできるはずだ。

 積み重ねられた山からミスズを一匹引きずり出し、首筋に斬りつけて血を集めるイメージをする。

「……できたちゃったよ……」

 血の球が手のひらに集められた。

 これは……駆除にも戦いにも役に立つんじゃなかろうか?

 さらに血を集めたらミスズが干からびてしまった。って、これじゃ食えたもんじゃないな。ほどよく血を抜かないとダメだな。

 血の球を遠くに放り投げ、新たなミスズの首筋を斬って血を集めた。

「大体七リットルくらい抜けばいい感じか?」

 四匹もやると慣れてきたので、今度は斬りつけないで血を集めてみた。

「さすがに無理か」

 だが、水分は吸い取れた。極めたら十二分に攻撃になるぞ。

 無理をしないよう水を飲みながら休み休みやっていき、気がついたら周りが明るくなってるのに気がついた。

「イカンイカン。夢中になりすぎた。ラザニア村に戻らんと」

 後部座席を倒し、血を抜いたミスズを三匹積み込んでラザニア村へ戻った。
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