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222 巨大化
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何事もなく昼前にミロイド砦が見えてきた。
「山の上にあるんだ」
まあ、視界がよくなければ敵を発見できないんだろうが、半日歩いてさらに山を登らなくちゃならんとか、なかなか心を抉ってくるぜ。
冒険者たちも不平は口にしてないものの疲れが顔や動きに出ていた。オレだけが軟弱ってわけじゃなくてよかった。
「タカトさん。ゴブリンはいますか?」
「いますね。ただ、あちらの方角にだけいません。なにかいますね」
その周辺のゴブリンの気配が怯えている。これは凶悪なのがいるときの気配だ。
「ビシャ、メビ。探ってきてくれ。無理に倒す必要はないからな。引き連れてきても構わないぞ」
この二人はまったく疲れた様子は見せてない。羨ましい限りだよ。
「わかった。メビは囮役ね」
「仕留めるときはわたしにさせてよ!」
なんてことを話ながら木々の間へ消えていった。
「ルスルさんたちは先に入っててください。二人が戻ってきたら食事の用意を始めるんで」
食事はこちらで用意するからと言って、なにも持ってきてないってことはない。多少の非常食や水は持ってきているはず。まずはそれで凌いでてください。
「わかりました。お気をつけて」
ルスルさんたちを見送り、オレも中腹まで登った。
秋から冬になる季節なので、砦周辺の雑草は枯れ始めており、所々に生えている木も葉が半分以上落ちていた。
砦がある山は標高があり、中腹まで登ると周りの山が下になった。
「うーん。ゴブリンを狂乱化させるのは麓じゃないとダメか?」
砦から処理肉をばら蒔いたところでゴブリンが臭いに釣られてやってくる距離とは思えない。まずは麓に集めてから砦に誘き寄せないとダメっぽいな。
砦までは細い道で、パイオニアを走らせるほどの幅はない。登山道だよ、これ。
「オフロードバイクを買うか?」
と言ってもオレはスクーターしか経験はない。こんな急斜面を昇ったり降りたりできる度量も技量もないよ。
「ん? 二人が戦い始めたな」
P90の銃声が聞こえた。
探るだけでいいのに、完全に倒す勢いである。
まあ、なにも失わず強くなれるってこともない。強くなるための必要経費と思って受け入れよう。
十分くらいで銃声が止み、しばらくしてこちらに駆けてくる気配を感じた。
「タカト、倒したよ!」
メビが紫色の魔石を掲げて走ってきた。
「ご苦労さん。なにがいたんだ?」
魔石はオレのリュックサックに入れてもらった。
「モクダンの大きいのが一匹いた! 棍棒を持ってた」
棍棒? 持ってた? それ、特異種じゃね?
「他にはいたか?」
「いなかった。大きいのが一匹だったよ」
ビシャもそう言うなら一匹だけなんだろう。はぐれか?
「わかった。残弾は?」
「強かったからほぼ使っちゃった」
ちゃんと空のマガジンは回収してるので、弾入りマガジンを取り寄せ、空マガジンはホームに置いてきた。
「よし。砦にいくぞ」
周囲を警戒しながら砦に向かった。
「意外と堅牢なのを造ったな」
石組みで造られており、周囲には深さ二メートルくらいの堀が掘られており、壁の高さも三メートルくらいあった。
造るのにとんでもない金がかかってるだろうにもったいない。コラウスの領主は代々バカしかつけんのか? 本当に続いている理由がわからんよ。
門は開けっ放しで格子状に組んだ木で簡易的に塞いでいる感じだ。モクダンがきたら一発で破壊されそうだ。
中に入ると広場となっており、朽ちた小屋やあばら屋がいくつかあった。いや、あるだけだった。え、これだけ? 中央に建物らしき図があったよね? どこに消えたのよ?!
「そりゃ、簡単に放棄するわな」
壁で囲んだだけの砦で井戸もない。麓から水を運んでくるのか? こんなんじゃ籠城もできんだろうが。あ、だから樽を担いでいたヤツが三人もいたのか! てか、樽三つで足りるのか?
「……なんか不安になってきた……」
これでポジティブになれるヤツがいるんなら見てみたいもんだよ。放棄した当時の領主さん、無能とか言ってごめんなさい。正しい判断でした。
「よく修繕しようと思ったな」
使えるようにしようと思ったらとんでもない金がかかるぞ。領主代理、よく許可したな。どこにそんな予算があったんだ?
「オレはホームから食料を運び出してくる。シートを敷いておいてくれ」
出入りする場所を確保したらホームに入った。
玄関には巨人が焼いた巨人サイズのパンがリヤカーに積まれていた。
食費を抑えるためにパンは巨人が作ったものをホームに運び込んでおくようミリエルに頼んでおいたのだ。
「カインゼルさんたちのほうはミロンド砦に着いたのか?」
並べてあったポリタンクが何本か消えており、食材や寸胴鍋もなくなっていた。二日かかるはずなのに?
まあ、それはあとだ。リヤカーを引っ張って外に出る。
パンをシートに移したらまたホームに。巨大化させたベーコン、巨大化させたインスタントのコーンスープ、巨大化させた蜂蜜の瓶、巨大化させたインスタントコーヒーなどを運び出した。
「凄いものですね」
何十日分にもなる食材に驚くルスルさんたち。
「ちょっとした裏技を使いました」
腕輪の力を使って大きくし、オレかミリエルが持って入ると、食材は巨大化したままとなる。まあ、巨大化させると玄関の場所を取るので小分けにして運びこまないといけないけどな。
「まずは腹拵えしましょう。たくさんあるのでたくさん食べてください」
そして、たくさん働いてもらいます。
「山の上にあるんだ」
まあ、視界がよくなければ敵を発見できないんだろうが、半日歩いてさらに山を登らなくちゃならんとか、なかなか心を抉ってくるぜ。
冒険者たちも不平は口にしてないものの疲れが顔や動きに出ていた。オレだけが軟弱ってわけじゃなくてよかった。
「タカトさん。ゴブリンはいますか?」
「いますね。ただ、あちらの方角にだけいません。なにかいますね」
その周辺のゴブリンの気配が怯えている。これは凶悪なのがいるときの気配だ。
「ビシャ、メビ。探ってきてくれ。無理に倒す必要はないからな。引き連れてきても構わないぞ」
この二人はまったく疲れた様子は見せてない。羨ましい限りだよ。
「わかった。メビは囮役ね」
「仕留めるときはわたしにさせてよ!」
なんてことを話ながら木々の間へ消えていった。
「ルスルさんたちは先に入っててください。二人が戻ってきたら食事の用意を始めるんで」
食事はこちらで用意するからと言って、なにも持ってきてないってことはない。多少の非常食や水は持ってきているはず。まずはそれで凌いでてください。
「わかりました。お気をつけて」
ルスルさんたちを見送り、オレも中腹まで登った。
秋から冬になる季節なので、砦周辺の雑草は枯れ始めており、所々に生えている木も葉が半分以上落ちていた。
砦がある山は標高があり、中腹まで登ると周りの山が下になった。
「うーん。ゴブリンを狂乱化させるのは麓じゃないとダメか?」
砦から処理肉をばら蒔いたところでゴブリンが臭いに釣られてやってくる距離とは思えない。まずは麓に集めてから砦に誘き寄せないとダメっぽいな。
砦までは細い道で、パイオニアを走らせるほどの幅はない。登山道だよ、これ。
「オフロードバイクを買うか?」
と言ってもオレはスクーターしか経験はない。こんな急斜面を昇ったり降りたりできる度量も技量もないよ。
「ん? 二人が戦い始めたな」
P90の銃声が聞こえた。
探るだけでいいのに、完全に倒す勢いである。
まあ、なにも失わず強くなれるってこともない。強くなるための必要経費と思って受け入れよう。
十分くらいで銃声が止み、しばらくしてこちらに駆けてくる気配を感じた。
「タカト、倒したよ!」
メビが紫色の魔石を掲げて走ってきた。
「ご苦労さん。なにがいたんだ?」
魔石はオレのリュックサックに入れてもらった。
「モクダンの大きいのが一匹いた! 棍棒を持ってた」
棍棒? 持ってた? それ、特異種じゃね?
「他にはいたか?」
「いなかった。大きいのが一匹だったよ」
ビシャもそう言うなら一匹だけなんだろう。はぐれか?
「わかった。残弾は?」
「強かったからほぼ使っちゃった」
ちゃんと空のマガジンは回収してるので、弾入りマガジンを取り寄せ、空マガジンはホームに置いてきた。
「よし。砦にいくぞ」
周囲を警戒しながら砦に向かった。
「意外と堅牢なのを造ったな」
石組みで造られており、周囲には深さ二メートルくらいの堀が掘られており、壁の高さも三メートルくらいあった。
造るのにとんでもない金がかかってるだろうにもったいない。コラウスの領主は代々バカしかつけんのか? 本当に続いている理由がわからんよ。
門は開けっ放しで格子状に組んだ木で簡易的に塞いでいる感じだ。モクダンがきたら一発で破壊されそうだ。
中に入ると広場となっており、朽ちた小屋やあばら屋がいくつかあった。いや、あるだけだった。え、これだけ? 中央に建物らしき図があったよね? どこに消えたのよ?!
「そりゃ、簡単に放棄するわな」
壁で囲んだだけの砦で井戸もない。麓から水を運んでくるのか? こんなんじゃ籠城もできんだろうが。あ、だから樽を担いでいたヤツが三人もいたのか! てか、樽三つで足りるのか?
「……なんか不安になってきた……」
これでポジティブになれるヤツがいるんなら見てみたいもんだよ。放棄した当時の領主さん、無能とか言ってごめんなさい。正しい判断でした。
「よく修繕しようと思ったな」
使えるようにしようと思ったらとんでもない金がかかるぞ。領主代理、よく許可したな。どこにそんな予算があったんだ?
「オレはホームから食料を運び出してくる。シートを敷いておいてくれ」
出入りする場所を確保したらホームに入った。
玄関には巨人が焼いた巨人サイズのパンがリヤカーに積まれていた。
食費を抑えるためにパンは巨人が作ったものをホームに運び込んでおくようミリエルに頼んでおいたのだ。
「カインゼルさんたちのほうはミロンド砦に着いたのか?」
並べてあったポリタンクが何本か消えており、食材や寸胴鍋もなくなっていた。二日かかるはずなのに?
まあ、それはあとだ。リヤカーを引っ張って外に出る。
パンをシートに移したらまたホームに。巨大化させたベーコン、巨大化させたインスタントのコーンスープ、巨大化させた蜂蜜の瓶、巨大化させたインスタントコーヒーなどを運び出した。
「凄いものですね」
何十日分にもなる食材に驚くルスルさんたち。
「ちょっとした裏技を使いました」
腕輪の力を使って大きくし、オレかミリエルが持って入ると、食材は巨大化したままとなる。まあ、巨大化させると玄関の場所を取るので小分けにして運びこまないといけないけどな。
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