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244 寝落ち
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「……誰……?」
ホームから出てきたミサロを怪訝そうに見るビシャ。獣人の勘がミサロが普通じゃないと感じ取っているのだろうか?
「仲間だ」
そう断言する。
「詳しい説明は落ち着いてからする。今はリハルの町に向かうぞ」
KLXを隠した場所に向かい、ミサロを後ろに乗せて走らせた。
オフロードバイクにも慣れたので、暗くなる前にリハルの町に到着できた。
「ビシャ。前に泊まった宿を取っておいてくれ。オレらは支部長に説明してくる」
パイオニアを使えばラザニア村まですぐだが、さすがに夜に走るのは疲れる。そうじゃなくても連日戦いっぱなし。無理するべきじゃないだろう。
「わかった。先に食事しておくね」
ビシャに先にいってもらい、KLXをホームに入れてからギルド支部に向かった。
暗くなってもギルド支部は明かりを灯しており、武装した冒険者が何人も待機していた。
まあ、町に入るところにも武装した冒険者はいたし、町館も全体的にピリピリしている。オレが帰ってきたことも支部長に伝わっていたようで、入るなり支部長たちが迎えてくれた。
「どうなったんだい?」
「無事、魔王軍を全滅させました。人的被害はありません」
弾薬消費は激しかったけどな。まあ、五百万円はプラスされ、総額七百五十万円は超えた。ここから銃の購入やら弾薬補給とかで二、三百万円はマイナスになるけどな!
「詳しいことはカインゼルさんから聞いてもらえると助かります。気になるようでしたら冒険者ギルドから人を出して確認してください」
スケッチブックを出し、魔王軍襲撃の全体の流れをざっくり教えた。
「……あの人数でよくやれたもんだよ……」
「そうですね。注ぎ込んだ資金は金貨三百枚くらいになりますけどね」
補償してくれるところがあるなら細かく算出して提出させてもらうよ。
「……それはミシャード様と要相談だな……」
それは出ないと言っているようなもんだな。まあ、あの人相手にする気もないけど。
「ところで、そっちの女は? 人間族ではないようだが」
「仲間のミサロで人間ですよ。女神が認めた、ね」
駆除員になれたと言うことはダメ女神が認めたと言うこと。それに異論することは女神の意向に背くこと。その覚悟があるなら好きにしろと、支部長を見た。
「……そうかい。失礼なことを言った。すまない」
と、謝罪する支部長。いろいろ察したはしたが、追及はしない。認める、と言うことなんだろう。
「話が早くて助かります。これからも協力し合える仲でいたいものです」
利用するくらいなら構わない。こちらも利用しているんだからな。でも、一方的な搾取には同意できない。そうなったらこの関係は終わらせてもらいます。
「そうだね。そんな仲でいたいもんだ。お互いのためにね」
まったくだ。魔王軍に目をつけられ、この地の権力者にも目をつけられるとかゴメンである。ズブズブな関係になって大きな脅威から身を守りましょう、だ。
「オレたちは宿に一泊したら明日の朝にラザニア村に戻ります。サイルスさんにはこちらから伝えます」
あ、さすがに城に戻っちゃったかな? 携帯電話がない時代は本当に面倒だよ!
ギルド支部をあとにして宿に向かった。
部屋に入ったらビシャが下着姿のまま寝落ちしていた。さすがの体力オバケも一日中動いたら疲労も限界を超えるわな。
ベッドに運んでやり、毛布をかけてやった。
「父親みたいね」
「こんな大きな娘を持ったつもりはないよ」
せめておにいちゃんみたいねと言ってくれ。オレはまだ三十なんだからよ。
「ミサロも休んでいいぞ。疲れただろう?」
魔王軍を見限るのも精神的負担だし、環境が変われば気もつかう。肉体にも影響を与えるはずだ。
「わたしよりあなたのほうが疲れているのではないの? 目の下に隈ができているわよ」
「ちゃんと眠ったんだがな。まあ、今日はビールを飲んですぐ寝るよ」
よく冷えたビール四缶とおつまみ缶詰めを取り寄せた。
「ミサロは酒は飲めるか?」
てか、魔王軍ってなに食ってんの? グラマラスには育っているようだけど。
「飲めはするけど、あまり飲まないわ。不味いから」
「まあ、確かにこの世界の酒は飲めたもんじゃないな。薄いか不味いかのどちらかだ」
そんなに飲んでるわけじゃないが、カインゼルさんによればそうらしい。元の世界のものを買えなければ早々に挫折してただろうよ。
ミリエルが内緒で飲んでいたリンゴの酒、シードルを取り寄せ、ミサロに渡した。
「……美味しい……」
「それはよかった」
ビールを一缶飲み干したらおつまみ缶詰めを開け、晩酌を始めた。
「あ、そうだ。これを飲め。女神製の回復薬だ。これを四十日飲み続けたらミサロの遺伝子異常が治るそうだ」
「いでんし?」
遺伝子がわからないか。まあ、オレも遺伝子とはなんぞや? と問われても上手く教えられんけど。
「まあ、持病みたいなものだ。なにか患ってたのか? 言いたくないのなら聞かないが」
「……わたしの母親は無理矢理ゴブリンの種を植えつけられたのよ……」
あーこれはヘビーなヤツだ。聞いても受け止められないヤツだ。
「これは失った脚すら復活させられる効果がある。とにかく四十日飲み続けろ」
「貴重なものではないの?」
「貴重ではあるが、仲間に回復魔法が得意な者がいる。四十粒くらい惜しくはないよ」
回復薬はダブっている。四十粒くらい使ったところで問題ナッシング。どうせまたガチャで当たるだろうよ。
酒と一緒に飲んでいいのかわからんが、女神製なら大丈夫だろう。そう効果は強くないしな。
二缶目のビールを飲み干したところで酔いが回ってきた。
「……すまん。少し寝るよ……」
テーブルに突っ伏し、そのまま深い眠りへ落ちていった……。
ホームから出てきたミサロを怪訝そうに見るビシャ。獣人の勘がミサロが普通じゃないと感じ取っているのだろうか?
「仲間だ」
そう断言する。
「詳しい説明は落ち着いてからする。今はリハルの町に向かうぞ」
KLXを隠した場所に向かい、ミサロを後ろに乗せて走らせた。
オフロードバイクにも慣れたので、暗くなる前にリハルの町に到着できた。
「ビシャ。前に泊まった宿を取っておいてくれ。オレらは支部長に説明してくる」
パイオニアを使えばラザニア村まですぐだが、さすがに夜に走るのは疲れる。そうじゃなくても連日戦いっぱなし。無理するべきじゃないだろう。
「わかった。先に食事しておくね」
ビシャに先にいってもらい、KLXをホームに入れてからギルド支部に向かった。
暗くなってもギルド支部は明かりを灯しており、武装した冒険者が何人も待機していた。
まあ、町に入るところにも武装した冒険者はいたし、町館も全体的にピリピリしている。オレが帰ってきたことも支部長に伝わっていたようで、入るなり支部長たちが迎えてくれた。
「どうなったんだい?」
「無事、魔王軍を全滅させました。人的被害はありません」
弾薬消費は激しかったけどな。まあ、五百万円はプラスされ、総額七百五十万円は超えた。ここから銃の購入やら弾薬補給とかで二、三百万円はマイナスになるけどな!
「詳しいことはカインゼルさんから聞いてもらえると助かります。気になるようでしたら冒険者ギルドから人を出して確認してください」
スケッチブックを出し、魔王軍襲撃の全体の流れをざっくり教えた。
「……あの人数でよくやれたもんだよ……」
「そうですね。注ぎ込んだ資金は金貨三百枚くらいになりますけどね」
補償してくれるところがあるなら細かく算出して提出させてもらうよ。
「……それはミシャード様と要相談だな……」
それは出ないと言っているようなもんだな。まあ、あの人相手にする気もないけど。
「ところで、そっちの女は? 人間族ではないようだが」
「仲間のミサロで人間ですよ。女神が認めた、ね」
駆除員になれたと言うことはダメ女神が認めたと言うこと。それに異論することは女神の意向に背くこと。その覚悟があるなら好きにしろと、支部長を見た。
「……そうかい。失礼なことを言った。すまない」
と、謝罪する支部長。いろいろ察したはしたが、追及はしない。認める、と言うことなんだろう。
「話が早くて助かります。これからも協力し合える仲でいたいものです」
利用するくらいなら構わない。こちらも利用しているんだからな。でも、一方的な搾取には同意できない。そうなったらこの関係は終わらせてもらいます。
「そうだね。そんな仲でいたいもんだ。お互いのためにね」
まったくだ。魔王軍に目をつけられ、この地の権力者にも目をつけられるとかゴメンである。ズブズブな関係になって大きな脅威から身を守りましょう、だ。
「オレたちは宿に一泊したら明日の朝にラザニア村に戻ります。サイルスさんにはこちらから伝えます」
あ、さすがに城に戻っちゃったかな? 携帯電話がない時代は本当に面倒だよ!
ギルド支部をあとにして宿に向かった。
部屋に入ったらビシャが下着姿のまま寝落ちしていた。さすがの体力オバケも一日中動いたら疲労も限界を超えるわな。
ベッドに運んでやり、毛布をかけてやった。
「父親みたいね」
「こんな大きな娘を持ったつもりはないよ」
せめておにいちゃんみたいねと言ってくれ。オレはまだ三十なんだからよ。
「ミサロも休んでいいぞ。疲れただろう?」
魔王軍を見限るのも精神的負担だし、環境が変われば気もつかう。肉体にも影響を与えるはずだ。
「わたしよりあなたのほうが疲れているのではないの? 目の下に隈ができているわよ」
「ちゃんと眠ったんだがな。まあ、今日はビールを飲んですぐ寝るよ」
よく冷えたビール四缶とおつまみ缶詰めを取り寄せた。
「ミサロは酒は飲めるか?」
てか、魔王軍ってなに食ってんの? グラマラスには育っているようだけど。
「飲めはするけど、あまり飲まないわ。不味いから」
「まあ、確かにこの世界の酒は飲めたもんじゃないな。薄いか不味いかのどちらかだ」
そんなに飲んでるわけじゃないが、カインゼルさんによればそうらしい。元の世界のものを買えなければ早々に挫折してただろうよ。
ミリエルが内緒で飲んでいたリンゴの酒、シードルを取り寄せ、ミサロに渡した。
「……美味しい……」
「それはよかった」
ビールを一缶飲み干したらおつまみ缶詰めを開け、晩酌を始めた。
「あ、そうだ。これを飲め。女神製の回復薬だ。これを四十日飲み続けたらミサロの遺伝子異常が治るそうだ」
「いでんし?」
遺伝子がわからないか。まあ、オレも遺伝子とはなんぞや? と問われても上手く教えられんけど。
「まあ、持病みたいなものだ。なにか患ってたのか? 言いたくないのなら聞かないが」
「……わたしの母親は無理矢理ゴブリンの種を植えつけられたのよ……」
あーこれはヘビーなヤツだ。聞いても受け止められないヤツだ。
「これは失った脚すら復活させられる効果がある。とにかく四十日飲み続けろ」
「貴重なものではないの?」
「貴重ではあるが、仲間に回復魔法が得意な者がいる。四十粒くらい惜しくはないよ」
回復薬はダブっている。四十粒くらい使ったところで問題ナッシング。どうせまたガチャで当たるだろうよ。
酒と一緒に飲んでいいのかわからんが、女神製なら大丈夫だろう。そう効果は強くないしな。
二缶目のビールを飲み干したところで酔いが回ってきた。
「……すまん。少し寝るよ……」
テーブルに突っ伏し、そのまま深い眠りへ落ちていった……。
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