ダメ女神からゴブリンを駆除しろと命令されて異世界に転移させられたアラサーなオレ、がんばって生きていく!

AA1

文字の大きさ
249 / 459

249 段取り八分、仕事二分

しおりを挟む
 規則正しい生活をしてないからか、眠りについたのは四時くらいで、目覚めたら八時半だった。

「はぁー。こんな生活してたらいつか体壊すな~」

 寝不足とストレス。紛らわすために酒の暴飲。これで健康になるとかあり得ない。ゴール前に脱落しそうだわ。

「心を癒すものが欲しいぜ」

 まあ、一日の終わりにビールが飲めたら幸せと感じる男なんですけどね。って、オレの幸せ酒しかねーな。

「シエイラは起きたか」

 まったく、ベッドで眠れると思ったら床で寝かせられるとか酷い扱いしてくれるぜ。これならホームに戻ればよかったよ。

 シャワーを浴びにホームにいくと、ミサロが玄関を掃除していた。

「おはようさん。よく眠れたか?」

 ミサロ用のマットレスを買ってなかったからオレのを使ってもらったのだ。まだ加齢臭を放つ歳でもないし、ファぶってるから問題ないはずだ。

「ええ。うん? 女の臭い」

 クンクンとオレを嗅いでくるミサロ。どいつもこいつも嗅覚鋭いな! てか、同じ部屋にいるくらいで臭いがつくとかシエイラ体臭キツいのか?

「シエイラにベッドを占領されたんだよ。お陰で床で寝たから体が痛いよ」

「タカトは女が嫌いなの?」

「普通に好きだよ。言っておくが、同性愛者じゃないからな」

 BなLを愛でようが構わないが、オレを出演させないでくれ。後輩のように本にしたらビリビリに破いてやるからな。

「じゃあ、なんでしないの?」

 ストレートに訊いてくるね、君は。

「快楽のために女を抱く趣味はないし、恋人でもないのに抱くなんてあり得ない。無責任なことはしない主義だ」

 男なんだからムラムラすることはある。邪な想像だってすることもある。だが、それを行動に移したらクズだろう。オレはそう言うクズは大嫌いなんだよ。

「なら、わたしが恋人になるわよ」

「未成年に手なんて出せるわけないだろう」

 いくらミサロの体がけしからんくても未成年は未成年。十七歳なんて完全無欠にアウトだわ。死刑にされても文句は言えんわ。

「オレたちは家族だ。体なんて差し出す必要はないんだよ」

 欲情を解決させる方法などいくらでもある。家族に求めたりはしないよ。

 ミサロの頭をわしゃわしゃしてユニットバスに向かった。

 さっぱりしたら炭酸ジュースで喉を潤し、グロック装備にしてホームを出た。

 部屋から出て食堂に。朝飯の時間は過ぎているが、食堂は二十四時間体制にしてある。厨房を任せている職員は大変だろうがな。

「すみません。食事をお願いします」

 厨房を覗いたらドワーフの女と人間のおばちゃんが二人いた。あれ? 職員にこんなおばちゃんいたっけか?

「あいよ。ちょっと待ってね」

 すぐに盆に料理が並べられ、牛丼屋にも負けぬ早さで出てきた。

 食材はタブレットで買っているから質素ではないが、まだ料理スキルは身についてないようで味に深みがない。一朝一夕にはいかないか。ごちそうさまです。

 盆を返して事務所へ。ミロンド砦にいった職員は休みにしているので、シエイラと職員三人。そして、サイルスさんがいた。

「おはようございます。ミロイド砦のことを話し合いたいんですが、大丈夫ですか?」

「ああ、構わんぞ」

「なにしてたんです?」

「ギルドの資金配分だな。ミロンド砦で回収した魔石がある。轟雷のロドスからもかなり大きい魔石が回収できた。そこそこの儲けにはなったぞ」

 へー。あれだけ食らって体が吹き飛んでなかったんだ。十六将、どんだけだよ?

「それはなによりです。ゴブリン駆除の報酬はどうです? 一人十万円くらいはいきましたかね?」

 一人三十匹も倒せてたら十万円はいっているはずだ。

「全員は把握してないが、笑顔になるくらいは稼いでいたようだぞ」

 なら十万円くらいはいっているな。それならグロックくらいは買えるか。弾はこちらで用意してやれば不満は持たれんだろう。七十パーセントオフシールはまだ五枚。五十パーセントオフシールは十数枚残っている。パレット買いすればかなり抑えられるだろうよ。

 職員のことはあとにして、二人にミロイド砦の計画案を話し、シエイラに第一陣、第二陣、第三陣の名前を書いてもらい、オレは名前を言ってもらってスケッチブックに写した。

「ミリエルの眠りの魔法で百匹くらい眠らせてラザニア村に運びます。シエイラ。そのための冒険者を確保してくれ」

「いや、兵士を使おう。魔王軍が攻めてきて兵士がなにもしてないと知られればコラウスの名が貶められる。それなら城にゴブリンを運べるからな」

 なるほど。なにもできなかったとなれば領主代理の名にも傷がつくか。

「ミロイド砦では職員や請負員を中心に働いてもらいます。サイルスさんもたくさん稼いでください」

「こちらとしては嬉しいが、そちらは大丈夫なのか?」

「冬が厳しくなったら山に入って巣を潰します。それが一番稼げますんでね」

 一日三、四十匹。それを二ヶ月続けたら一千万円は固い。それで挽回させてもらいます。

「つくづくゴブリンとはどこにでもいるのだな。女神様がタカトを呼んだのもよくわかるよ」

「失敗ありきの呼び出しですがね」

 運よくオレは一万二千匹以上は駆除できているが、予想外なことばかり起こっている。ゴブリン駆除以外で死にそうになっているのだ。気が休まる暇がないよ……。

「第一陣で処理肉をばら蒔いて、たくさん集めてください。今回は魔王軍が率いているわけではないので不測の事態はやってこないでしょう」

 もちろん、万が一の備えはする。そのためにオレが第三陣となるのだ。

「わかった。これから城にいって準備を進めてくる。指揮はカインゼルにやらせてくれ。マルスの町で落ち合う」

「わかりました。夜にカインゼルさんと打ち合わせします」

 もっと時間をかけて調整したいが、ゴブリンに逃げられても困る。迅速に動いて臨機応変にやるしかない。

「安全第一。命大事にでお願いします」

 段取り八分、仕事二分。格言に従い誰も死なないよう準備しますかね。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

レベル1のフリはやめた。貸した力を全回収

ソラ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ち、ソラ。 彼はレベル1の無能として蔑まれ、魔王討伐を目前に「お前のようなゴミはいらない」と追放を言い渡される。 だが、傲慢な勇者たちは知らなかった。 自分たちが人間最高峰の力を維持できていたのは、すべてソラの規格外のステータスを『借りていた』からだということを。 「……わかった。貸していた力、すべて返してもらうよ」 契約解除。返還されたレベルは9999。 一瞬にして力を失い、ただの凡人へと転落しパニックに陥る勇者たち。 対するソラは、星を砕くほどの万能感を取り戻しながらも、淡々と宿を去る。 静かな隠居を望むソラだったが、路地裏で「才能なし」と虐げられていた少女ミィナを助けたことで、運命が変わり始める。 「借金の利息として、君を最強にしてあげよう」 これは、世界そのものにステータスを貸し付けていた最強の『貸与者』が、不条理な世界を再定義していく物語。 (本作品はAIを活用して構成・執筆しています)

リストラされた42歳、確率の向こう側へ。~なぜか俺の選択肢がすべて正解になる件~

RIU
ファンタジー
「君には今月いっぱいで席を空けてもらいたい」 42歳、独身、社畜。会社のために尽くしてきた柏木誠は、理不尽な理由でリストラされた。 絶望の中、雨の神社で野良猫を助けた彼は、不思議な光と共に【確率固定】という異能――「無意識に正解を選び続ける豪運」を手に入れる。 試しに買った宝くじは10億円当選。 復讐心に燃える元上司を袖にし、元天才投資家の美女をパートナーに迎えた柏木は、その豪運で現代社会を無双していく。 「俺の選択に間違いはない。なぜなら、確率の方が俺に合わせるからだ」 枯れたおじさんが資産と余裕を手に入れ、美女たちに頼られながら、第2の人生を謳歌する痛快サクセスストーリー!

『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』

チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。 気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。 「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」 「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」 最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク! 本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった! 「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」 そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく! 神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ! ◆ガチャ転生×最強×スローライフ! 無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

ウルティメイド〜クビになった『元』究極メイドは、素材があれば何でも作れるクラフト系スキルで魔物の大陸を生き抜いていく〜

西館亮太
ファンタジー
「お前は今日でクビだ。」 主に突然そう宣告された究極と称されるメイドの『アミナ』。 生まれてこの方、主人の世話しかした事の無かった彼女はクビを言い渡された後、自分を陥れたメイドに魔物の巣食う島に転送されてしまう。 その大陸は、街の外に出れば魔物に襲われる危険性を伴う非常に危険な土地だった。 だがそのまま死ぬ訳にもいかず、彼女は己の必要のないスキルだと思い込んでいた、素材と知識とイメージがあればどんな物でも作れる『究極創造』を使い、『物作り屋』として冒険者や街の住人相手に商売することにした。 しかし街に到着するなり、外の世界を知らない彼女のコミュ障が露呈したり、意外と知らない事もあったりと、悩みながら自身は究極なんかでは無かったと自覚する。 そこから始まる、依頼者達とのいざこざや、素材収集の中で起こる騒動に彼女は次々と巻き込まれていく事になる。 これは、彼女が本当の究極になるまでのお話である。 ※かなり冗長です。 説明口調も多いのでそれを加味した上でお楽しみ頂けたら幸いです

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

処理中です...