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354 オレのキャパは限界よ
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五分待ってもダメ女神からの応答なし! クソ! こんなときこそ返答しろや! なんかスゲー大事なことだろうがよ!
「途中にゴブリンはいましたか?」
「ああ。結構いた。だが、小さい穴がそこかしこにあり、かなり奥に逃げ込んでいたよ」
「そうなるとここに人を残す必要がありますね。地上からエルフを何人か連れてくるか?」
ベースキャンプを荒らされても困るし、大きな街と言うなら七人での探索も限界がある。ロンガルの他になにがいるかもわからないのだから数は必要だろうよ。
「それがいいと思う。カインゼル様のほうからも人を回したらどうだ?」
「んー。東の洞窟に二千ものゴブリンが現れたと言うことは、あちらのほうが逃げやすいんじゃないかと思うんですよ」
「こちらで暴れたらまた東の洞窟に逃げ出す、と?」
察したゾラさん。そうなんですよと頷いた。
「カインゼルさんはまず外せませんし、エルフも二十人は残しておきたいですね~」
ロズたちも残しておいたほうがいいだろう。あいつらは踏ん張りが利くからな。カインゼルさんの助けとなるはずだ。
「ビシャとメビもダメか。この臭いだし」
マスクをしてもかなり不快な臭いが満ちている。オレですらこうなのだから嗅覚が鋭い二人にはキツいだろうよ。
「そうなるとラダリオンも無理か」
ラダリオンにはいて欲しいが、獣人姉妹より嗅覚が発達している。こんなのを嗅いだら気絶するだろうよ。それに、万が一のときのためには砦にいて欲しいからな。
「あ、ミシニーがきていたっけ」
忘れてた。ミシニーがきてたんだよ。
銀印ではあるが、実力は金印だ。並みの冒険者数十人に匹敵する。数で攻めるより質で攻めるか。こちらは金印のアルズライズがいて、全員銀印の冒険者たるロンダリオさんたちがいる。
「ミシニーを混ぜるならミリエルも混ぜるか」
その護衛に奴隷傭兵を六人ほどつければミリエルの身は守れて、ミリエルの重要性を旧モリスの民に思わせることもできるはずだ。
「タカト!」
ウルトラマリンのエンジン音が近づいてきたと思ったら、珍しくアルズライズが大きい声を上げた。どした?
「別の穴があった。そこにロースランの群れがいたぞ」
ハァー。また厄介な。どんだけ問題を押しつけてくんだよ。オレのキャパは限界よ。
「こちらにきそうか?」
「いや、こないだろう。ロースランが川を渡ることはあるが、泳げた話は聞いたことがない」
とはゾラさん。チームに知識人がいるって頼もしいよ。
「ロースランがなぜいるかはともかく、生きているならエサがあるってことであり、そのエサは街にある、ってことですよね?」
「だろうな。ロースランは雑食ではあるが、基本、肉食だ。群れで行動する魔物でもある。ロンガルでも狩れるだろうよ」
「アルズライズ。何匹確認できた?」
「成体が六。子が八だ」
子までいるのか。なら、そこがロースランの巣ってことだろう。
「子が多いか。巣を守る者。狩りをする者。成体になった者。それらがいると考えれば少なくとも二十匹の群れとなるな」
とはラインサーさん。この人は狩人の父親に育てられ、十八まで山の中で狩人として生きていたそうだ。そんな人の見立てなら信じてもいいだろう。
「放っておくのは悪手ですよね?」
「だな。ロースランはとにかくしぶとい。敵に回られたら最悪だ」
「ならば、ロースランはオレとアルズライズで倒します。ロンダリオさんたちは穴から出た周辺のゴブリンを静かに排除してください。ベースキャンプにも人は残しておいてくださいね。ここを失うわけにもいかないので」
「了解だ。こちらは任せろ」
安心して任せられる人たちだから助かるよ。
「マリットさん。メガネをアルズライズに渡してください。アルズライズ、しばらくロースランの監視を頼む。オレはミーティングをしてくるから。無理するなよ」
「いつも無理をしているのはタカトだろう」
ハイハイ。そうですよ。無口のクセに生意気な。
「あとは頼みます──」
そう言ってホームに入った。
玄関に現れると、ちょうどよくミリエルがいた。今回はマガジンに弾入れをしていたよ。
「奥様連中は帰ったのか?」
「はい。疲れました……」
貴族の奥様とは言え、十六の小娘が経験を重ねたおねーさまを相手するのは大変だろうよ。オレは一生相手しないと決めているがな。
「奥様連中が帰ったのならありがたい。奴隷傭兵を六人連れて南の洞窟にきてくれ。ミリエルの力が必要になったんだ」
疲れた顔に生気が戻り、目をキラキラさせて立ち上がった。
「わかりました! すぐにいきます!」
「ちょっと待て。まだ話は終わってないよ」
すぐにでもばかりに外に出そうなミリエルの襟首をつかんだ。せっかちか!
「ミシニーも連れてきてくれ。地下に大きな街があってな、探索できるヤツが必要なんだ。加えてロースランの群れまでいた。東の洞窟の抑えもあるので少数精鋭で挑むことにしたんだ」
自分を精鋭に入れるのは憚るが、補給要員としてなら優秀だ。少数精鋭で挑むならオレとミリエルがいれば万全だろうよ。
「しばらくは探索とロースラン退治に時間をかける。おそらく、三日か四日はかかると思う。だからそう急がなくて大丈夫だ。伯爵やギルドに状況を軽く話してからきてくれ。奴隷傭兵はヨシュアと相談してくれ」
「はい。わかりました」
落ち着いたようで、後片付けをしたら外に出ていった。
ふー。ラダリオンが入ってくるまでシャワーを浴びて、ロースラン退治の計画を立てるとしよう。
「途中にゴブリンはいましたか?」
「ああ。結構いた。だが、小さい穴がそこかしこにあり、かなり奥に逃げ込んでいたよ」
「そうなるとここに人を残す必要がありますね。地上からエルフを何人か連れてくるか?」
ベースキャンプを荒らされても困るし、大きな街と言うなら七人での探索も限界がある。ロンガルの他になにがいるかもわからないのだから数は必要だろうよ。
「それがいいと思う。カインゼル様のほうからも人を回したらどうだ?」
「んー。東の洞窟に二千ものゴブリンが現れたと言うことは、あちらのほうが逃げやすいんじゃないかと思うんですよ」
「こちらで暴れたらまた東の洞窟に逃げ出す、と?」
察したゾラさん。そうなんですよと頷いた。
「カインゼルさんはまず外せませんし、エルフも二十人は残しておきたいですね~」
ロズたちも残しておいたほうがいいだろう。あいつらは踏ん張りが利くからな。カインゼルさんの助けとなるはずだ。
「ビシャとメビもダメか。この臭いだし」
マスクをしてもかなり不快な臭いが満ちている。オレですらこうなのだから嗅覚が鋭い二人にはキツいだろうよ。
「そうなるとラダリオンも無理か」
ラダリオンにはいて欲しいが、獣人姉妹より嗅覚が発達している。こんなのを嗅いだら気絶するだろうよ。それに、万が一のときのためには砦にいて欲しいからな。
「あ、ミシニーがきていたっけ」
忘れてた。ミシニーがきてたんだよ。
銀印ではあるが、実力は金印だ。並みの冒険者数十人に匹敵する。数で攻めるより質で攻めるか。こちらは金印のアルズライズがいて、全員銀印の冒険者たるロンダリオさんたちがいる。
「ミシニーを混ぜるならミリエルも混ぜるか」
その護衛に奴隷傭兵を六人ほどつければミリエルの身は守れて、ミリエルの重要性を旧モリスの民に思わせることもできるはずだ。
「タカト!」
ウルトラマリンのエンジン音が近づいてきたと思ったら、珍しくアルズライズが大きい声を上げた。どした?
「別の穴があった。そこにロースランの群れがいたぞ」
ハァー。また厄介な。どんだけ問題を押しつけてくんだよ。オレのキャパは限界よ。
「こちらにきそうか?」
「いや、こないだろう。ロースランが川を渡ることはあるが、泳げた話は聞いたことがない」
とはゾラさん。チームに知識人がいるって頼もしいよ。
「ロースランがなぜいるかはともかく、生きているならエサがあるってことであり、そのエサは街にある、ってことですよね?」
「だろうな。ロースランは雑食ではあるが、基本、肉食だ。群れで行動する魔物でもある。ロンガルでも狩れるだろうよ」
「アルズライズ。何匹確認できた?」
「成体が六。子が八だ」
子までいるのか。なら、そこがロースランの巣ってことだろう。
「子が多いか。巣を守る者。狩りをする者。成体になった者。それらがいると考えれば少なくとも二十匹の群れとなるな」
とはラインサーさん。この人は狩人の父親に育てられ、十八まで山の中で狩人として生きていたそうだ。そんな人の見立てなら信じてもいいだろう。
「放っておくのは悪手ですよね?」
「だな。ロースランはとにかくしぶとい。敵に回られたら最悪だ」
「ならば、ロースランはオレとアルズライズで倒します。ロンダリオさんたちは穴から出た周辺のゴブリンを静かに排除してください。ベースキャンプにも人は残しておいてくださいね。ここを失うわけにもいかないので」
「了解だ。こちらは任せろ」
安心して任せられる人たちだから助かるよ。
「マリットさん。メガネをアルズライズに渡してください。アルズライズ、しばらくロースランの監視を頼む。オレはミーティングをしてくるから。無理するなよ」
「いつも無理をしているのはタカトだろう」
ハイハイ。そうですよ。無口のクセに生意気な。
「あとは頼みます──」
そう言ってホームに入った。
玄関に現れると、ちょうどよくミリエルがいた。今回はマガジンに弾入れをしていたよ。
「奥様連中は帰ったのか?」
「はい。疲れました……」
貴族の奥様とは言え、十六の小娘が経験を重ねたおねーさまを相手するのは大変だろうよ。オレは一生相手しないと決めているがな。
「奥様連中が帰ったのならありがたい。奴隷傭兵を六人連れて南の洞窟にきてくれ。ミリエルの力が必要になったんだ」
疲れた顔に生気が戻り、目をキラキラさせて立ち上がった。
「わかりました! すぐにいきます!」
「ちょっと待て。まだ話は終わってないよ」
すぐにでもばかりに外に出そうなミリエルの襟首をつかんだ。せっかちか!
「ミシニーも連れてきてくれ。地下に大きな街があってな、探索できるヤツが必要なんだ。加えてロースランの群れまでいた。東の洞窟の抑えもあるので少数精鋭で挑むことにしたんだ」
自分を精鋭に入れるのは憚るが、補給要員としてなら優秀だ。少数精鋭で挑むならオレとミリエルがいれば万全だろうよ。
「しばらくは探索とロースラン退治に時間をかける。おそらく、三日か四日はかかると思う。だからそう急がなくて大丈夫だ。伯爵やギルドに状況を軽く話してからきてくれ。奴隷傭兵はヨシュアと相談してくれ」
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