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445 スーパーヒューマン
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うん。飽きた。
予想はしてだが、思いの外飽きるのが早かった。
いやだって考えてもみなよ。三千匹もかっ捌くのなんて苦行でしかないじゃない。オレ、百匹で限界がきたよ!
他の職員もがんばっているので止めるに止められない。誰か飽きたと叫んでくれたら「そうだな。止めるか」って言えるのに! 皆根気ありすぎだよ!
マスターとしての立場が邪魔をして先頭切って言えない。オレ、もっと楽に生きろよ!
「タカト殿!」
心の中で泣いていると、マルセさんたちがやってきた。
「お疲れ様です。ゴブリンは狩れましたか?」
マチェットを地面に刺して迎えた。
「ああ。だが、山に逃げられてしまったのでこちらにやってきた」
「結構な数でしたか?」
「いや、まばらだった。ほとんどのゴブリンはここで殺されたのだろう」
チッ。数がいたら魔石取りを止めて山に向かったのに……。
「魔石を取り出しているのか?」
「ええ。魔石を欲している人がいるので集めているんですよ。手伝ってもらえますか?」
六人でも加わってくれるのなら苦労は減る。まだ七割は残ってそうだしな。
「わかった。皆、やるぞ」
おう! と残りが答えると、凄まじい勢いでゴブリンを捌いて魔石を取り出していった。
オイオイ、そんなペースじゃ飽きるぜ。と思ったが、マルセさんたちの働きは暗くなるまで止まらなかった。六人で千匹は捌いたんじゃないか!?
「ご苦労様です。急ぎでもないし、酒でも飲んでください。見張りはこちらでやりますので」
この六人がいればあと二日で終わりそうだ。がんばってもらうためにも酒を振る舞っておこう。さあ、飲みねぇ!
肉体がバーバリアンな人たちはよく飲みよく食べる。ゴブリンを捌いているのに肉を平気で食らい、ワインを水のように飲んでいるよ。
なのに次の日に残さない。この人ら、本当に人間って種なんだろうか? 今日一日ですべてのゴブリンから魔石を取り出しちゃったよ……。
「助かりました。正直、マルセさんたちがいなければ途中で挫折してましたよ」
オレ、百五十匹も捌いてないよ。と言うか、今日はずっと軽トラでゴブリンの死体片付けをしてました。
「このくらいなんでもない。朝昼晩と美味いものが食えて、浴びるほど酒が飲めるんだからな」
他の連中もうんうんと頷いている。飯と酒で働いてくれるとか安い人たちである。
「じゃあ、今日は珍しいものでも出しますよ」
さすがに毎回肉は飽きるだろうし、今日は寿司を出してやろう。前に食ったの地下に潜る前だったしな。
砦に戻り、体を洗って綺麗にしたらまずはビールを出してやった。
「これも慣れるとクセになるな」
「あまり飲むと食えなくなりますよ」
「問題ない。たくさん食うために動いたんだからな」
あ、それで休憩時も水だけだったんだ。
「シエイラたちもさっぱりしろ。その間に用意してくるから」
オレも夕飯の前にさっぱりしたい。ホームに入ったらミサロに寿司を買うようにお願いしてシャワーを浴びた。
「タカト。あたしも寿司が食べたい」
「ミサロ、いいか?」
寿司のことは砦に戻る前に伝えたが、ミサロならもう夕飯を作っているはず。台無しにはできんだろう。
「大丈夫よ。館に出せばいいだけだから。今日は寿司にしましょうか」
「ミサロって寿司食えたっけ?」
「わたし、好き嫌いはないわ。食べられるなら虫でも食べれるわよ」
うちの食卓に虫を出さないでね。オレ、虫とか絶対に無理だから。イナゴですら食えないから。
二十万円分の特上寿司を外に運び出し、棚にある大吟醸を抱えて外に出た。
「これは、魚か?」
「はい。海の魚です。口に合わなければ別のものを出しますから」
なんて心配はいらなかった。躊躇することなく口に入れ、美味いと知ったら次から次と口に放り込んでいった。
「この酒、いいな!」
「ああ、美味い!」
大吟醸がえらく気に入ったようで、飲むのが止まらない。六人で二升を飲み干してしまった。うん。この人ら、人間と言う種を超えたスーパーヒューマンだわ。
「買ってきますね」
「いや、自分で買う。どうすればいいんだ?」
二升空けてまったく酔ってない。教えたらすぐに理解して三百ミリの小瓶をたくさん買って味比べを始めた。
「……ゴフリン駆除とはひひものたな……」
さすがに酔いが回ってきたようで、ちょっとろれつが回らなくなってきていた。
「あふ。こんふな酒がのへるんたからな」
ろれつが回ってないのに会話が成立している。それだけ気心がしれているってことだろうよ。
やがて一人一人酔い潰れ、そのまま眠りについてしまった。これで朝になったら酒が抜けているんだから不思議でならないよ……。
「皆も休んでいいぞ」
スーパーヒューマンほどではないが、職員たちも相当飲んでいた。明日は二日酔い決定だろうよ。
「マスターは飲まないんですか?」
シエイラもかなり飲んだようでオレにもたれかかっていた。
「アシッカに戻ったら浴びるほど飲むよ」
帰るまでが駆除。責任者たるオレまで酔い潰れることはできんよ。
「ほら、酔ったなら寝ろ」
動かすのも面倒なので膝枕をしてやった。シエイラには世話にもなっているしな。優しくしてやろう。
毛布を取り寄せてかけてやる。
「……頭撫でてください……」
シエイラは酔うと幼児化するのか? まあ、親もなく親類もいない身。愛情に飢えているんだろう。
「よしよし。安心して眠りな」
頭を優しく撫でてやると、穏やかな顔をして眠りについてしまった。
「いい夢見ろよ」
オレにもいい夢が見れる日がくることを切に願うよ……。
予想はしてだが、思いの外飽きるのが早かった。
いやだって考えてもみなよ。三千匹もかっ捌くのなんて苦行でしかないじゃない。オレ、百匹で限界がきたよ!
他の職員もがんばっているので止めるに止められない。誰か飽きたと叫んでくれたら「そうだな。止めるか」って言えるのに! 皆根気ありすぎだよ!
マスターとしての立場が邪魔をして先頭切って言えない。オレ、もっと楽に生きろよ!
「タカト殿!」
心の中で泣いていると、マルセさんたちがやってきた。
「お疲れ様です。ゴブリンは狩れましたか?」
マチェットを地面に刺して迎えた。
「ああ。だが、山に逃げられてしまったのでこちらにやってきた」
「結構な数でしたか?」
「いや、まばらだった。ほとんどのゴブリンはここで殺されたのだろう」
チッ。数がいたら魔石取りを止めて山に向かったのに……。
「魔石を取り出しているのか?」
「ええ。魔石を欲している人がいるので集めているんですよ。手伝ってもらえますか?」
六人でも加わってくれるのなら苦労は減る。まだ七割は残ってそうだしな。
「わかった。皆、やるぞ」
おう! と残りが答えると、凄まじい勢いでゴブリンを捌いて魔石を取り出していった。
オイオイ、そんなペースじゃ飽きるぜ。と思ったが、マルセさんたちの働きは暗くなるまで止まらなかった。六人で千匹は捌いたんじゃないか!?
「ご苦労様です。急ぎでもないし、酒でも飲んでください。見張りはこちらでやりますので」
この六人がいればあと二日で終わりそうだ。がんばってもらうためにも酒を振る舞っておこう。さあ、飲みねぇ!
肉体がバーバリアンな人たちはよく飲みよく食べる。ゴブリンを捌いているのに肉を平気で食らい、ワインを水のように飲んでいるよ。
なのに次の日に残さない。この人ら、本当に人間って種なんだろうか? 今日一日ですべてのゴブリンから魔石を取り出しちゃったよ……。
「助かりました。正直、マルセさんたちがいなければ途中で挫折してましたよ」
オレ、百五十匹も捌いてないよ。と言うか、今日はずっと軽トラでゴブリンの死体片付けをしてました。
「このくらいなんでもない。朝昼晩と美味いものが食えて、浴びるほど酒が飲めるんだからな」
他の連中もうんうんと頷いている。飯と酒で働いてくれるとか安い人たちである。
「じゃあ、今日は珍しいものでも出しますよ」
さすがに毎回肉は飽きるだろうし、今日は寿司を出してやろう。前に食ったの地下に潜る前だったしな。
砦に戻り、体を洗って綺麗にしたらまずはビールを出してやった。
「これも慣れるとクセになるな」
「あまり飲むと食えなくなりますよ」
「問題ない。たくさん食うために動いたんだからな」
あ、それで休憩時も水だけだったんだ。
「シエイラたちもさっぱりしろ。その間に用意してくるから」
オレも夕飯の前にさっぱりしたい。ホームに入ったらミサロに寿司を買うようにお願いしてシャワーを浴びた。
「タカト。あたしも寿司が食べたい」
「ミサロ、いいか?」
寿司のことは砦に戻る前に伝えたが、ミサロならもう夕飯を作っているはず。台無しにはできんだろう。
「大丈夫よ。館に出せばいいだけだから。今日は寿司にしましょうか」
「ミサロって寿司食えたっけ?」
「わたし、好き嫌いはないわ。食べられるなら虫でも食べれるわよ」
うちの食卓に虫を出さないでね。オレ、虫とか絶対に無理だから。イナゴですら食えないから。
二十万円分の特上寿司を外に運び出し、棚にある大吟醸を抱えて外に出た。
「これは、魚か?」
「はい。海の魚です。口に合わなければ別のものを出しますから」
なんて心配はいらなかった。躊躇することなく口に入れ、美味いと知ったら次から次と口に放り込んでいった。
「この酒、いいな!」
「ああ、美味い!」
大吟醸がえらく気に入ったようで、飲むのが止まらない。六人で二升を飲み干してしまった。うん。この人ら、人間と言う種を超えたスーパーヒューマンだわ。
「買ってきますね」
「いや、自分で買う。どうすればいいんだ?」
二升空けてまったく酔ってない。教えたらすぐに理解して三百ミリの小瓶をたくさん買って味比べを始めた。
「……ゴフリン駆除とはひひものたな……」
さすがに酔いが回ってきたようで、ちょっとろれつが回らなくなってきていた。
「あふ。こんふな酒がのへるんたからな」
ろれつが回ってないのに会話が成立している。それだけ気心がしれているってことだろうよ。
やがて一人一人酔い潰れ、そのまま眠りについてしまった。これで朝になったら酒が抜けているんだから不思議でならないよ……。
「皆も休んでいいぞ」
スーパーヒューマンほどではないが、職員たちも相当飲んでいた。明日は二日酔い決定だろうよ。
「マスターは飲まないんですか?」
シエイラもかなり飲んだようでオレにもたれかかっていた。
「アシッカに戻ったら浴びるほど飲むよ」
帰るまでが駆除。責任者たるオレまで酔い潰れることはできんよ。
「ほら、酔ったなら寝ろ」
動かすのも面倒なので膝枕をしてやった。シエイラには世話にもなっているしな。優しくしてやろう。
毛布を取り寄せてかけてやる。
「……頭撫でてください……」
シエイラは酔うと幼児化するのか? まあ、親もなく親類もいない身。愛情に飢えているんだろう。
「よしよし。安心して眠りな」
頭を優しく撫でてやると、穏やかな顔をして眠りについてしまった。
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