10 / 33
信じたくないプロローグと決意
なんて消え入るようなグラデーション
しおりを挟む今日はとろとろのスクランブルエッグとジューシーなベーコンが挟まれたイングリッシュマフィンです。シャキシャキレタスがメインのサラダやゴロゴロ野菜のコンソメスープと共に頂きました。
もう太る、絶対太る。なんでこの時代にはリン○フィットが無いのだろうか。
恐る恐る扉を開けたが、とりあえず蒼空はいなかったので少し警戒を解いて校舎へと向かった。
……一瞬、柔道部と思ったけど、多分昨日と同じ結果よなぁ…。護身術習いたかった…。
「───あれ、それ…楽器?」
「Σ( ˙꒳˙ ;)ビクッ」
「そんなびっくりしなくても…」
「ご、ごめん!<font color="#ffffff">真</font><font color="#f2f2f2">宮</font><font color="#e5e5e5">さ</font><font color="#d8d8d8">ん</font><font color="#cbcbcb">か</font><font color="#bebebe">ら</font><font color="#b1b1b1">声</font><font color="#a4a4a4">掛</font><font color="#979797">け</font><font color="#8a8a8a">ら</font><font color="#7d7d7d">れ</font><font color="#707070">る</font><font color="#636363">と</font><font color="#565656">思</font><font color="#494949">わ</font><font color="#3c3c3c">な</font><font color="#2f2f2f">く</font><font color="#222222">て</font><font color="#000000">…</font>」
「なんて消え入るようなグラデーション」
黒背景白文字だから白から黒にすると消えるんだよね。しかしこれでめっちゃ文字数稼いだな。
ちなみに見にくい人のために言うと、「真宮さんから声掛けられると思わなくて…」です。どういうことだってばよ。
────ってしまった。なんでナチュラルに諒太郎に声掛けちゃったの。仲良くしたら処女喪失まっしぐらだってのに。
「うん…あの、軽音楽部、入って…ギター、やるんだ」
「そう…楽しい?」
「<font size="5">うん!すごく!</font>」
そうか。と思わず親目線になってしまった。
アニメより鮮明に動く諒太郎はかわいいな、なんて思ってしまった。
処女を奪うような真似さえしなければな。
チューニングの音が鳴り響く。
いいなぁ、好きだな、この瞬間。
その音に導かれるように、私はヴァイオリンパートがいるという第三音楽室の扉を開けた。
「恐れ入ります。仮入部したいんですけど───」
「えっ!?真宮姫愛!?」
「なんでここに!?」
声を掛けた瞬間、音楽室がざわついた。副会長が睨んでくるよぅ、怖いよぅ…。
「我々管弦楽部は全国常連。初心者は歓迎していないんだが」
「へ?初心者?」
「君、ピアノだろう?生憎だが、我が部にピアノは必要な」
「私、ヴァイオリンやってますが…」
「は?」
いや、こっちがは?だよ。
まぁ確かにヴァイオリン持ってきてないけどね!だって手元にないんだもん!
「───真宮姫愛といえば、出るコンクール全てで賞を総ナメにしている天才ピアニストでは…」
……弾けるだろうと思ってたけど、そこまでか。そうだった、この子最強設定なんだった。それくらい普通か。…………普通か?
「しかしヴァイオリンがないじゃないか。弾けるとは思えないが」
「い、今メンテに出してまして…!お借り出来たらと思ったのですが」
「ふむ……そういう事なら仕方ない。実力を見たい、テストしても良いだろうか」
使え、と副会長からヴァイオリンを受け取った。テストね…。何を弾けば良いのやら。
軽く弓を滑らせ、音を確かめる。うん、調弦は平気そう。
「そうだな……24のカプリース第24番。それくらいは弾けないと入部は認められない」
「────へ?」
24のカプリース第24番。パガニーニ作曲で、ヴァイオリン曲では有名だろう。24曲ある奇想曲のラストを飾る曲だ。
私がヴァイオリンを始めるきっかけとなったゲームにも出てくる、私の好きな曲。
ゲーム中でも高度な技術と表現力を必要とし、上手いと称されるキャラも難しいと零していた。
「どうした?さすがに難しいか?」
「いえ、確かに難しい曲ですが、つい最近仕上げられたので弾けます」
「────そうか」
元々、この曲が弾きたくて始めたヴァイオリン。他の曲と並行してとはいえ、1年かけて仕上げた曲だ。手が、耳が、覚えてる。
ひとつ呼吸を置いて、私は私のカプリースを奏で響かせた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
肉食御曹司の独占愛で極甘懐妊しそうです
沖田弥子
恋愛
過去のトラウマから恋愛と結婚を避けて生きている、二十六歳のさやか。そんなある日、飲み会の帰り際、イケメン上司で会社の御曹司でもある久我凌河に二人きりの二次会に誘われる。ホテルの最上階にある豪華なバーで呑むことになったさやか。お酒の勢いもあって、さやかが強く抱いている『とある願望』を彼に話したところ、なんと彼と一夜を過ごすことになり、しかも恋人になってしまった!? 彼は自分を女除けとして使っているだけだ、と考えるさやかだったが、少しずつ彼に恋心を覚えるようになっていき……。肉食でイケメンな彼にとろとろに蕩かされる、極甘濃密ラブ・ロマンス!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる