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今思えば唯一平和だった時期(文化祭編)

私はそんなこと言った記憶ありません

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「会長たちのことは遊びだったんですか!?!?」


「私にわかるように話してくれませんか!?」






「俺も会計スルーできる…!!」


「いっつも1人会計してたもんなー」


「1人だけ財布持って1人だけ会計で止められ1人だけ温室で止められ…もうっ!それがないっ!!」


「期末落ちないよう頑張りなよー?」


「姫愛様その際はどうぞよろしくお願いいたしますm(__)m」


早速クラスSの恩恵に感動している秀くんを連れ、漸く3人揃って温室での昼食を迎えられた。
基本クラスS以外来ないからゆったり食べられていいなぁ。暑くも寒くもないし。と思ってたら2人も似たような感想を述べてて思わず笑ってしまった。
ちなみに今日はちょっと蒸し暑かったのでさっぱり食べられる、レモンの酸味がポイントの塩豚丼とじゃがいも、わかめ、玉ねぎのお味噌汁。宗くんは旨辛が病みつきになる野菜たっぷり豚キムチ定食(特盛)、秀くんは激安メニューの中でも高くて手が出なかったというリブロースステーキがたっぷり乗った肉肉プレート!ステーキの他に肉厚のハンバーグや厚切りベーコン、3種のソーセージにパリパリに焼き上げたグリルチキン、そこに追加で宗くんと同じ豚キムチ定食を特盛で頼んだという、今までよくそれで持ったな…?ってくらい食べてた。
聞いたら早弁用に朝夕の寮でのご飯を分けてもらったり、自炊したりしてなんとか持たせていたらしい。
透真先輩も食べるけど、秀くんはそれの上を行くよ…。それでなんで細いの?狡くない??


カー○ィの如くあの量を吸い込み、もとい食べてる秀くんに若干引きながら自分の分をちびちび食べてたら、神妙な顔持ちの人に、上記のようなことを言われた。
ここまで長くてごめんなさい。余計な情報あったね。


「見たんだ、土曜、ここでき、き、きすしてるの…!!///」


「土曜って…途中で帰った日か!?」


「キス!?キスって誰と!俺だって菜乃花とキスしたいのに!!」


「話す暇なくてごめん!私だって混乱してんだから…!てか秀くんのはなんか違う!」


まさかの2人の加勢にどうしたものかと頭をぐるぐる悩ませたがいい案が浮かばず。姫愛ちゃんだったら浮かぶのかな…なんて泣きそうになったら、後ろから陽だまりのような心地よい熱に包まれた。


「それ俺かな。真宮ちゃんに告白したから」


「っ、っ…!!」


「え、椿先輩…?」


ね、と至近距離で微笑まれ、恥ずかしさで思わず視線を落とす…あ、私、このくちびるに───って!!なに思ってんのバカ!!


「真宮ちゃんが誰かのものになるの、嫌だったから。いきなりで本当にごめんね」


「いや、それは、その…」


「返事は本当に急いでないし、ゆったり考えてよ。ま、その間迷惑にならない程度にアピールするけどね!」


抱きしめられてた腕が解けるとしゃら、と首に冷たい何かが付けられた。


「あ、よかった。この長さなら制服に隠れそうだね」


「え、う、受け取れないですよ、これ…!」


ゴールドの細身のチェーンに、小さめのハートの金のプレート。そこにひとつ、赤く煌めく星が埋め込まれていた。
シンプルだからそこ、際立つ赤い存在。
見た感じスワロフスキーとかラインストーンとかの類じゃない…絶対お高いやつ…!
ブルブル震えてると、透真先輩は落ち着かせるようにいつもの笑顔で私の頭を撫でた。


「いーの、俺が好きでやったことなんだから。返されても使い道ないし…どうしても嫌なら捨てて」


「捨て…っ!?」


体を震わせる私と対象に、先輩は面白そうにからからと笑った。


「って、用件は違うんだよ」


「え、そうなんすか?」


「てっきり姫愛が絡まれてるからだと…」


「タイミング良かっただけだよー。ネックレスもたまたまだし。でさ、確認したいんだけど」


「はい、なんでしょう」


「勝った方の部長と結婚」


「しません」


「じゃあ付き合う」


「ないです」


「────軽音楽部に入るのは?」


「…私はそんなこと言った記憶ありません」


「だよねぇ」


真宮ちゃん、モノ扱いされるの嫌そうだもんね。と言われ、確かに…と思った。短い付き合いなのによくわかるなぁ…。


「でも、会長はそうは思ってないし、部長もそれを承知だ。でも本人の許可がないのにその話があるのはどうかと思うんだよねー」


「入部には本人が顧問に直接入部届を出さないといけませんもんね」


「万が一軽音楽部が勝ったら会長権限で無理矢理入部だし、飛び交ってる噂に乗じて最悪籍入れられちゃうよ?」



「そ、それは嫌だ!!」


「ならちゃんと話さなきゃ。本人も納得のいく内容にしなきゃ。俺も着いてくし」


「え、面白そう。俺も行きたい」



「俺も」


「────好きにすれば…」


今更ではあるが、先輩の言うことは最もだ。私ひとりじゃ無理だけど、先輩や───…一応、秀くん宗くんという味方がいるなら、上手く撤回出来るかもしれない。
こうして私たちは本日放課後、部長ズに話を聞いて貰えるよう作戦を練った。
連絡先知ってる部長には私から、会長には諒太郎経由で呼び出してもらうことにした。

原作ではずっと1位キープだったから、今回も繰り下げで2位だと思ってて隣を見たら、全然違う人だった。
きょろ、と見回すと…秀くんの隣───19位の席にいた。


「西くん」


「<font size="5">っ真宮さん!?</font>まっ、真宮さんが、何の用…?」


うっ、耳がキーンとした…!
思わず耳を塞ぐと、声に気付いた諒太郎が口を抑え、消え入るような声でごめん、と呟いた。
てか、今回テスト落ちたんだ…?どういうこと…?


「あぁ、ごめんね。会長に連絡取れる?話したいことがあって」


「会長…?あ、あぁ、悟先輩ね。うん、取れるけど…」


「本当?ありがとう。今日の放課後、温室の噴水あたりでどうか聞いてみてもらえる?」


「わ、かった…!連絡してみる」


その後、諒太郎からOKの返事が来たことを透真先輩と宗くん秀くんに連絡し、放課後、私たちは温室に集まることにした。


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