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13. 赤い糸
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「王妃様に挨拶して来るわ」と、妹のカトレアにだけ耳打ちして、私は話の輪から抜け出した。
王妃であるエレンディーヌ様は今日のお茶会の主催者だが、初めの挨拶の後は表立たず、会場より少し離れた場所に置かれたテーブルで、お話相手の公爵夫人と長閑に傍観者と化していた。
「後はお若い方達でどうぞ」という仲人の心境なのだろう。
「エレンディーヌ王妃様にご挨拶申し上げます。アメリア・フェルマーでございます。本日はお招き頂き、誠にありがとうございます」
「ご機嫌よう、アメリア。ふふ、困った子ね、もうこのお茶会が退屈になったの?」
礼儀正しく公爵令嬢の態で挨拶に来たのに、王妃様にはすっかりお見通しだったようだ。もちろん彼女とも幼い頃から少なからず親戚付き合いをしてきたので、私の性格はそれなりに知られている。
「聡明な貴女のことだから、このお茶会の目的は充分承知でしょう。何もレオナルドの為だけではないわ。貴女達の為でもあるのよ。だからあの子に、他の殿方達も連れて来て貰ったの。貴女が公爵家を継ぐにしても、いずれ旦那様は必要になるのだから、今日は積極的に会話を楽しんでらっしゃいな」
「……王妃様の多大なご厚意に、感謝いたします」
「ふふ。まあ、いいわ。ここに座りなさいな」
口では礼を言いながらも私の戸惑いを読み取ったのか、王妃様は自分の隣を指して笑った。
王妃様と並んで、歓談に更ける若い男女をのんびりと眺める。
「アメリアは、どなたか心に想う殿方がいるの?」
優雅に紅茶のカップに口をつけながら、突然、王妃様が悪戯っ子のように問うてきた。
「想う方……ですか?」
「ええ、将来を誓うような」
「……お恥ずかしい話、そのようなことを考えたこともありませんでした」
実際、父の後を継ぐことを目標にしてきたので、その後のこと、継承後のことは考えてもみなかった。確かに私が女公爵になるにしても、家の安泰と継承のためには夫……『種馬』が必要だ。
成人してからこっち、幾人もの貴族男性から婚約の打診があったけれど、皆から底知れぬ下心だけを感じて相手にはしなかった。我が家の名声と権力だけが目当てのくせに、表面上は砂糖漬けの甘い言葉を吐くその態度が信じられない。
「ふふ、レオナルドにはね、どうやら好いたお方がいるみたい。だけどお相手の家の事情で、結ばれるのは難しいと考えているみたいね」
「まあ……そうなのですか?」
……それは初耳だ。まさかレオナルド殿下に好きな人がいるなんて!
レオナルド殿下と結婚するのが難しい立場というと、身分の低い誰かということだろうか?
新たな情報に困惑しながら、ゲームに登場していたヒロイン達を思い返してみる。確か貴族令嬢に加え、侍女や町娘がいたはずだ。しかし加奈子は彼女達の存在を無視してプレイしていたので詳しくは思い出せない。
まさか現実のレオナルド殿下は、そちらのルートを目指しているのだろうか。カトレアではなくて?
公爵令嬢のカトレアとは何の障害もないので、2人の心が通いさえすれば結婚することは容易い。だがあまりに身分が違う場合ーー下級貴族の侍女ならまだしも、町娘では到底未来の王妃にはなれないだろう。
知っていたはずの未来が、今ではとてもあやふやなものに思える。
レオナルド殿下から伸びた糸は、てっきりカトレアに繋がれていると思っていた。でも今は、その糸がまるで例のゲームのように四方八方に伸びていて、誰がその片端を握っているのか分からない。
「エレンディーヌおば様は、その方が誰なのかご存知なのですか?」
動揺のあまり、つい王妃様を愛称で呼んでいるのにも気づかなかった。
私の問いに、王妃様はレオナルド殿下似の笑顔を見せて、小さく首を横に振った。
「いいえ、詳しくは。そのあたり、あの子はとても慎重なのよ。私にしたら、もっとなりふり構わず、積極的にいけばいいと思うのに。そうねーーもし今日ここにそのお嬢さんが来ているのなら、温室にでも誘えばいいのにね。ちょうど今、洋ランが見頃なのよ」
「……」
温室……洋ラン……
苦い思い出のある二つのキーワードに、本当にゲームの強制力が分からなくなった。もしかしたらこの言葉を聞いて、私はゲームの中でレオナルド殿下に、カトレアを温室に案内してくれるよう声を掛けたのだろうか。
本当の私は、今日はそんな頼み事しないけれどね。だって、他の令嬢達に恨まれそうだもの。
でも日を改めてお願いすることはアリかもしれない。公爵家の繁栄のために、もう少し2人の仲を後押しするべきだろう。幸い、カトレアを見ているとレオナルド殿下のことが好きなようだし。
並んで立つお似合いの美男美女を遠目に、私は思案した。
少し歳が離れているが、それも今だけだ。6歳差なんて、もう少し歳を重ねたら問題ではなくなる。
「おば様は、レオナルド殿下のお相手が、その……どのような方でも構わないのですか?」
嫁姑問題は複雑だ。それが王族なら尚更。
王妃様含め、親戚一族に可愛がられているので大丈夫だと思うが、カトレアは少し幼いところがあるので、王妃教育をどこまでこなせるかが一番頭の痛い所だった。
「ふふ、もちろん、未来の王妃になるのだから、誰でもという訳にはいかないけれど。でもね、今は有事の時ではないのだし、国益や政治的なことはひとまず置いておいて良いと思うのよ。少し、楽観しすぎかしら?」
「……幸せな結婚は、誰もが夢見ることですから」
言いながら、確かに婚姻という堅実な繋がりを国益に利用しないのは勿体ないと思う。思いはするが……自分の思考がつくづく打算的で、私は少しだけ自己嫌悪におちいった。
「私達夫婦は、先王様のご温情で幸せな婚姻を結ぶことが出来ました。貴女も知っているように、私の実家は子爵で大した力を持っていないから。本来なら許されない恋だったのに、アーノルド様も私も諦められなくて。……ふふ、随分若かったのね。2人して必死に先王様に頭を下げて、結婚の許可を頂いたの」
その時のシンデレラ的な物語は、今も広く人々に語り継がれている。聞くところによると、その頃すでに夫婦だった私のお父様とお母様も、随分と2人の仲を後押ししたそうだ。さらにエレンディーヌ様は、自分に足りなかった王妃としての素質を猛勉強して補った。
「政略結婚を強いることはもちろん出来るけれど、できればレオナルドにも幸せな結婚をして貰いたいの。アーノルド様はもちろんのこと、お義父さまもきっと同じ思いのはずよ」
「……おじい様は、私たちの幸せを本当に願って下さっていますから……」
その昔、全ての負の側面を一身に背負って犠牲になったあの人の為にも。
幸せになりなさいと、お酒を嗜む度に先代様は長舌になる。
「私達は、とても恵まれているわね」
「はい……本当に」
王妃様のしみじみとした言葉に、私は心から頷いた。
王妃であるエレンディーヌ様は今日のお茶会の主催者だが、初めの挨拶の後は表立たず、会場より少し離れた場所に置かれたテーブルで、お話相手の公爵夫人と長閑に傍観者と化していた。
「後はお若い方達でどうぞ」という仲人の心境なのだろう。
「エレンディーヌ王妃様にご挨拶申し上げます。アメリア・フェルマーでございます。本日はお招き頂き、誠にありがとうございます」
「ご機嫌よう、アメリア。ふふ、困った子ね、もうこのお茶会が退屈になったの?」
礼儀正しく公爵令嬢の態で挨拶に来たのに、王妃様にはすっかりお見通しだったようだ。もちろん彼女とも幼い頃から少なからず親戚付き合いをしてきたので、私の性格はそれなりに知られている。
「聡明な貴女のことだから、このお茶会の目的は充分承知でしょう。何もレオナルドの為だけではないわ。貴女達の為でもあるのよ。だからあの子に、他の殿方達も連れて来て貰ったの。貴女が公爵家を継ぐにしても、いずれ旦那様は必要になるのだから、今日は積極的に会話を楽しんでらっしゃいな」
「……王妃様の多大なご厚意に、感謝いたします」
「ふふ。まあ、いいわ。ここに座りなさいな」
口では礼を言いながらも私の戸惑いを読み取ったのか、王妃様は自分の隣を指して笑った。
王妃様と並んで、歓談に更ける若い男女をのんびりと眺める。
「アメリアは、どなたか心に想う殿方がいるの?」
優雅に紅茶のカップに口をつけながら、突然、王妃様が悪戯っ子のように問うてきた。
「想う方……ですか?」
「ええ、将来を誓うような」
「……お恥ずかしい話、そのようなことを考えたこともありませんでした」
実際、父の後を継ぐことを目標にしてきたので、その後のこと、継承後のことは考えてもみなかった。確かに私が女公爵になるにしても、家の安泰と継承のためには夫……『種馬』が必要だ。
成人してからこっち、幾人もの貴族男性から婚約の打診があったけれど、皆から底知れぬ下心だけを感じて相手にはしなかった。我が家の名声と権力だけが目当てのくせに、表面上は砂糖漬けの甘い言葉を吐くその態度が信じられない。
「ふふ、レオナルドにはね、どうやら好いたお方がいるみたい。だけどお相手の家の事情で、結ばれるのは難しいと考えているみたいね」
「まあ……そうなのですか?」
……それは初耳だ。まさかレオナルド殿下に好きな人がいるなんて!
レオナルド殿下と結婚するのが難しい立場というと、身分の低い誰かということだろうか?
新たな情報に困惑しながら、ゲームに登場していたヒロイン達を思い返してみる。確か貴族令嬢に加え、侍女や町娘がいたはずだ。しかし加奈子は彼女達の存在を無視してプレイしていたので詳しくは思い出せない。
まさか現実のレオナルド殿下は、そちらのルートを目指しているのだろうか。カトレアではなくて?
公爵令嬢のカトレアとは何の障害もないので、2人の心が通いさえすれば結婚することは容易い。だがあまりに身分が違う場合ーー下級貴族の侍女ならまだしも、町娘では到底未来の王妃にはなれないだろう。
知っていたはずの未来が、今ではとてもあやふやなものに思える。
レオナルド殿下から伸びた糸は、てっきりカトレアに繋がれていると思っていた。でも今は、その糸がまるで例のゲームのように四方八方に伸びていて、誰がその片端を握っているのか分からない。
「エレンディーヌおば様は、その方が誰なのかご存知なのですか?」
動揺のあまり、つい王妃様を愛称で呼んでいるのにも気づかなかった。
私の問いに、王妃様はレオナルド殿下似の笑顔を見せて、小さく首を横に振った。
「いいえ、詳しくは。そのあたり、あの子はとても慎重なのよ。私にしたら、もっとなりふり構わず、積極的にいけばいいと思うのに。そうねーーもし今日ここにそのお嬢さんが来ているのなら、温室にでも誘えばいいのにね。ちょうど今、洋ランが見頃なのよ」
「……」
温室……洋ラン……
苦い思い出のある二つのキーワードに、本当にゲームの強制力が分からなくなった。もしかしたらこの言葉を聞いて、私はゲームの中でレオナルド殿下に、カトレアを温室に案内してくれるよう声を掛けたのだろうか。
本当の私は、今日はそんな頼み事しないけれどね。だって、他の令嬢達に恨まれそうだもの。
でも日を改めてお願いすることはアリかもしれない。公爵家の繁栄のために、もう少し2人の仲を後押しするべきだろう。幸い、カトレアを見ているとレオナルド殿下のことが好きなようだし。
並んで立つお似合いの美男美女を遠目に、私は思案した。
少し歳が離れているが、それも今だけだ。6歳差なんて、もう少し歳を重ねたら問題ではなくなる。
「おば様は、レオナルド殿下のお相手が、その……どのような方でも構わないのですか?」
嫁姑問題は複雑だ。それが王族なら尚更。
王妃様含め、親戚一族に可愛がられているので大丈夫だと思うが、カトレアは少し幼いところがあるので、王妃教育をどこまでこなせるかが一番頭の痛い所だった。
「ふふ、もちろん、未来の王妃になるのだから、誰でもという訳にはいかないけれど。でもね、今は有事の時ではないのだし、国益や政治的なことはひとまず置いておいて良いと思うのよ。少し、楽観しすぎかしら?」
「……幸せな結婚は、誰もが夢見ることですから」
言いながら、確かに婚姻という堅実な繋がりを国益に利用しないのは勿体ないと思う。思いはするが……自分の思考がつくづく打算的で、私は少しだけ自己嫌悪におちいった。
「私達夫婦は、先王様のご温情で幸せな婚姻を結ぶことが出来ました。貴女も知っているように、私の実家は子爵で大した力を持っていないから。本来なら許されない恋だったのに、アーノルド様も私も諦められなくて。……ふふ、随分若かったのね。2人して必死に先王様に頭を下げて、結婚の許可を頂いたの」
その時のシンデレラ的な物語は、今も広く人々に語り継がれている。聞くところによると、その頃すでに夫婦だった私のお父様とお母様も、随分と2人の仲を後押ししたそうだ。さらにエレンディーヌ様は、自分に足りなかった王妃としての素質を猛勉強して補った。
「政略結婚を強いることはもちろん出来るけれど、できればレオナルドにも幸せな結婚をして貰いたいの。アーノルド様はもちろんのこと、お義父さまもきっと同じ思いのはずよ」
「……おじい様は、私たちの幸せを本当に願って下さっていますから……」
その昔、全ての負の側面を一身に背負って犠牲になったあの人の為にも。
幸せになりなさいと、お酒を嗜む度に先代様は長舌になる。
「私達は、とても恵まれているわね」
「はい……本当に」
王妃様のしみじみとした言葉に、私は心から頷いた。
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