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女装効果2

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「……………」

剣術を習う事になりましたが……!

心の中で、何度も言おう!

私は女なのだ!

屈強な男どもと剣の鍛練などすれば、恐らく死にます。


「お前、女みたいに細いな。」

1人…たぶん私と年が変わらない(であろう)少年が話しかけてきた。

そう!そう!女なの!
男みたい…と言われない事に喜びをえる……(末期)

「これ使えよ。この剣が1番小さくて軽いから。」

「…ありがとうございます。」

なんだか…みんなから遠巻きにされているのは……気のせいなのかな…。はじめましてなのに、既に嫌われてるの?

「おまえ王様に気に入られてんだってなぁ~」
おそろしい…とボソッと聞こえてくる。

「気に入られてるというか、盾として使われてる……から、剣術はそんなに出来なくてもいい……はず。」

「謙遜すんなって。王様に気に入られてる男に傷はつけられない…って皆相手にしようとしないし。姫様級の扱いだぞ」   

「それは…聞きたくないけど聞いておこう。なぜですか?」

「そりゃ、体に痣でも出来てたら殺されるだろ」

「体など、見られる事はありませんが。」

「まぁまぁ、その辺は何も追及しねぇし、
色んな愛ってのがあるからよっ」

完全にの相手と間違われてる……!
私は女……男色王の目になどとまらない…
というか、家族の言う通りになる可能性があるからやめてください!
例の夜伽問題!!


誰も相手にしてくれないので、城中をうろつくことにしてみた。想像していた『壺』はなかった。お金持ち=壺と鎧のイメージ。そんなお気楽に歩いていると、なんと不審者に間違えられた。

「おい、そこのお前!止まれ!どこの者だ。」
「姫様のお兄様の『アラン』です。」
「嘘をつくな!!」
「嘘じゃない!離せっ!姫に聞いてみろ!」

ジタバタしてたら急に力がゆるんだ。
たまたまそこに通りかかった兵士がいて、その警備を引き離してくれた。

「馬鹿か!お前!!殺されるぞ!あれは王の……」
「………っ!?失礼しましたー!!」

聞こえてるよ。私は王のだって。
誰にも女だと気がつかれる事もなければ、なぜか皆、私をに見ている。


………この話は、王以外の全てのものに、暗黙の了解となってしまった。
誰も私が女だと気がつかないまま…
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