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アランとは

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「アランの事はマアサ様に聞いていただくのが一番かと…」
私を計画に巻き込んだのに、無茶だけ言って殆ど会わないとか…
「姫の計画を一度聞いてみてください。そうすれば全てわかります。」

「俺はアリス、お前に聞いている。マアサは関係ない。」

いや大ありです!!
私がこんなくだらない生活を強いられているのは、誰のせいだと思っているのですか!!

「解りました。言います。けれど、私を獄門にするのはやめて下さい。」
「する訳がないだろう。」

いや、国王様をだましていたんだし、断頭台に一直線です。
だから、あいだにマアサ様というクッションをかませたかったのに…

「国王様が誰とも結婚しないから、心配になって私をお兄様として連れて来たんです。」

「何故アランである必要がある?」

「女の人を連れて来ても、直ぐに追い出すから『お兄様』を連れて来ていたんです。」

「そういえば、最近『お兄様』を連れて来ないのはそれでか…」

「そうです。マアサ様の夢見る乙女の計画はこうです。」



『アランの事を男だと思っていたのに、実は女なのに気が付いて好きになる。頑張ってアランを演じている私の心をつかんで、恋人、婚約、結婚、跡継ぎ問題解消』


「この作戦が失敗に終わってる時点で、本当は帰れたはずなんです。何故かアリスとしてここに残っている意味が解りません。」

計画終了っ!

「では、アランはアリスだった、男だと思っていたのは女だった、という所まではほぼ変わらないという事か…。」


何この兄妹…
普通ここは『妹の我が儘で申し訳ない。すぐに解放』ってなるでしょ!!

「そういえば内容も同じだ。アランに好きになってもらえるように頑張るのは俺」

そこは突かれたくなかった…

「王様が私を好きになってからの話です。そうじゃないので無効です。」

「俺は結構アリスを気に入っている、そのうち好きに変わるかもしれない。」


そのうちっていつの事よっ!?
ほんと、何なのこの兄妹!! 
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