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A.S.A.P

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「私を嫌いになりましたか?」

出来るだけ早くこの城を出たい。部屋はそのままだなんて聞いていないし、『ロレッソ君と会う事』を禁止されてしまった。
マアサ様も全然会いに来てくれないし、ここは孤島だ。


「逆に聞く。俺を好きになったか?」
「こんな風に閉じ込められたみたいになって、会う人も喋る人も制限されるなんて、卑怯です。それに、何故ロレッソ君と会ってはいけないって言うんですか。」
「アリスが気を許しているからだ。」
「話やすいですから。話も庶民的で合いやすいし、悩みを聞いてくれますし、トウモロコシ女だと言われますけど、それも気が楽ですから。」

…何やら、王様が不機嫌なご様子。
これはまさか『嫉妬』またの名を『やきもち』というやつでは…。

「ご機嫌ななめでしょうか?」
「すこぶる悪い。」
「何故ですか…?」
「俺にはとらない態度を、奴にはしめしている。」

いやいや、そりゃそうでしょ。自分の立場がわかってないのこの人。
それに、これは嫉妬…ですね。信じたくはないけど。

城下で話していた事を『ロレッソ君には秘密だ』とか言ってた時から、彼に嫉妬してたとしたら恐ろしい。
部屋、隣は本当に無理!! 

「どうすれば…いいですか?」
「あいつにしていたように気軽に話す。王様として仕事とてし話さない。そうでなくて、俺と話せ。」

そんな事、ムリに決まってるのに…。何を考えてるんだろ…。

「私は普通に話してます。」

「喜怒哀楽が多くは無い。普通ならもっとそれがある。」

そっくりそのままお返しする!

「私以外にもそれが出来る相手もいると思いますが。」

どうしよう。王様って自覚なく私の事を気に入ってて、嫉妬するほどになっていたとかじゃないよね…。


それって、一番たちが悪い…。

夢見る計画の最終段階に突入。

『王様が頑張る』

本気で頑張り始めてる…
無意識に!! 
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