ごめんなさい。人間に化けてた嘘つき魔王と結婚なんてムリです!

シンさん

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仕返し

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次の日

「メンフィス様、この沢山の模型はどうするんですか?捨てますか?」

「そんな事出来るわけないよっ!リディアを捨てるなんて!!」
「リディアを捨てるって、ただの模型だし…」
「模型でもリディアの模型を捨てるなんて出来ない。どこかに飾るのがいいね。」

飾る!?

「やめてください、気持ち悪いっ!」
「じゃあ俺の部屋におこう…」
「それも止めてください。」
「いいじゃないか。朝からリディアの顔が見られるし。」
「何ですか、それは。本当の私より先に模型の顔をみたいんですか?」
「それは1番に本物を見てほしいって事かな?」
「っ違います!」
「そうだね。こんなものじゃリディアの可愛さは表現出来ないからやめておくよ。」
「では、これは捨てますね。」
「『捨てる』って、なんて事を言ってるんですか!!」
「やんす?」
「これは俺の街に持っていってかざります。」
「本当にやめてっ!!」

私だって自分の等身大の模型をゴミにして捨てるなんて気分はよくないけど、飾るだなんてもっとムリ!

「そうだ、全てにドレスを着せておこう。そうすれば、ドレスもシワにならないし。」
「そうしましょう!それなら、ドレス姿を毎日見れますしね!」
「やんす、わかってるね。さすが、付き人の鏡だよ。」
「勿論ですっ!」

何を楽しそうに…。

「それで解決であれば、早く持って行って…あれ?」
「もう持っていったから大丈夫だよ。」

私が言い終わる前に全て消える…。
さすが魔王様…。

「そういえば、私の強欲の力って、まだ全部は消えてないんですか?」
「いっきに消えるものでもないしね…。」
「自然治癒?しますか?」
「強欲…キラって言うんだけど、アイツが時々回収にくる。」
「どうやって回収するんですか?」
「…手を握る………。駄目だ、許せない。リディアは『力持ちで少し強欲なリディア』になろう。」
「いやです。」
「少しだけだから。」
「『少し強欲』って意味がわからない。」

…昨日はとても寂しそうで、真面目な感じだったのに、今日はいつもの魔王様に逆戻り…。でも、こっちの方がいいよね。

「メンフィス様、マーチン侯爵から招待状が届いております。」

犬人間ゴマが郵便を確認して、必要なものをメンフィス様に渡した。…私はお化けも詳しくないけど貴族にも詳しくないので、マーチンもピンと来ない。

「俺とリディアの仲を引き裂こうとした男だよ。」
「え?」
「どうやって仕返ししようか。」

メンフィス様、笑顔だけど…ちょっと怒ってる気がするのは気のせいよね…。
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