ごめんなさい。人間に化けてた嘘つき魔王と結婚なんてムリです!

シンさん

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なまけもの

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私にはメンフィス様みたいに、王城に入り込む方法がない…。

サリーさんやキラさんに頼むのは危険だからダメ。私だけで行かなきゃダメだよね。
かといって、メンフィス様に連れていってもらうなんて絶対出来ない…。

『…怠惰なリディア』になると、どんな風になるんだろう。まわりの人を怠惰にさせるとか?それって、もの凄く役に立つよね。門番を怠け者に出来るんだから。

『マーチンに仕返し、アークに手伝ってもらう』

メンフィス様はそう言ってた。
もし私たちが怠け者にならないとしたら、やっぱりそうなるのは相手の可能性が高いよね。

サリーさんに聞いてみたい。『お買い物』…って言って外出させてもらえるかな…。たぶん今度はメンフィス様がついてくるよね。メンフィス様は最近どこに行くのも私を連れてるし…。いつものように優しいけど、私から目を離すつもりはないみたい。

「メンフィス様、邸で1日お仕事なら私はやんすとどこかに…」
「そうだね、行くなら夕方にしようか。」
「はい…。」

そんなに心配なのかな。
私だけが王様にあった…、それでメンフィス様も気がついたのかもしれない。
リディアに助けて貰え…って事なんじゃないかって。
城の話は邸では禁句みたいになってる。やっぱり何かあるよね。
どうしたらいいんだろう。


最近、ご飯はみんなで食べている。

「やんす?どうしたの?」
「……」

サリーさんとキラさんに会った日から、やんす口数が少なくなった。私が城に行くのを反対してたしね。はやく元気になってくれるといいけど。

「…ねぇ、この料理は吸血鬼ヒルが作って私の皿にもったの?」
「はい。」
「…わざとでしょ?私の嫌いなトマトが沢山入ってるわ。」
「一体何の事やら。」
「…最近、みんなの私への扱いが雑だわ。」
「そんな事はございません。」
「そんな事あるわよ。私の模型をやんすの街に置いてるって知ってるのよ!」
「他の街にも置いてます。」
蛇男ハク…貴方は何をしてるの…。」
「やんす、明日回収に行こう!」
「素晴らしいです!色んな所にリディアさまが。」

やんすまで…味方がいないわ。

「…メンフィス様の指示なんでしょ?」
「俺じゃないよ。みんなリディアの事が大好きだから、領主として要望にね。」
「結局メンフィス様じゃないですか!」

私、最近お化けといる事が普通で、お化けとしか会話していないよね。変なお化けばっかりだけど、メンフィス様が大切で、彼が悲しむ事のないようにしてる。私が危ない目にあわないようにもしてくれてる。
やんすはもともと私の心配ばかり。

ごめんなさい、私はそれでも城に行くわ。
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