ごめんなさい。人間に化けてた嘘つき魔王と結婚なんてムリです!

シンさん

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なまけもの2

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次の日

メンフィス様の顔色がよくない。
今日だけじゃない、毎日毎日どんどん悪くなってる気がする。食欲も無さそう。紅茶しか飲んでない。

…私の知らない時に、お城に行ってるんだ。このままで大丈夫なの?
仕事して、城に行って、大丈夫なわけがないよね。早く何とかしないと…。
メンフィス様はお城に行って何をしているんだろう。相性が悪いってどういう事?私のように魔力を吸い込むのであれば、少しずつでも消してたと思う。でも出来てない。吸い込む事は出来ないんだ…。

「メンフィス様、今日のお仕事は…っ!?メンフィス様っ!!」

ガシャーン…ドサッ

皿が割れる音が聞こえた後、メンフィス様は受け身も取らずに床に倒れてしまった。

「っみんな、早くメンフィス様をベッドへ!」

私がメンフィス様を部屋まで運ぶのは無理なので、急いで4人に頼んだ。

「………」
「………」
「………」
「………」

魔王が倒れるなんて、多分こんな事を想像した事があるはずない。4人とも動かない。

「早くしなさいっ!!貴方たちの王様でしょっ!!」

「…はい!!」

やんすが答えて、それに続くように3人とも動き出した。


暫くすると落ち着いたけれど、メンフィス様はまだ目を覚まさない。

やっぱりメンフィス様じゃダメよ。


「みんな、私は水をくんでくるからここでメンフィス様の事を診ていて。」



水をくみに行くふりをして、私は急いで邸を出た。

今ならサリーさんを呼べる。
アークさんについて聞けるよね。

名前を呼べば出てくるのかな。

「サリーさん、出て来て。」

呼ぶとすぐに出てきてくれた。なぜかキラさんも…。

「どうしたの?」
「なんかあったか?」
「…サリーさん、キラさん。メンフィス様は毎日城に行ってたと思うんです。多分そのせいで真っ青になって倒れました。」
「…メンフィスが倒れたですって?」
「具合はっ!!」
「今は寝ています。そこまでは酷くないって。」
「そう…。」
「ビックリさせんなよ。メンフィスの野郎…」

2人もやっぱり心配だよね。

「サリーさん、アークさんって怠惰の悪魔なんですよね?もし力を借りれば、どんな風になりますか?まわりの人を怠け者に出来る能力みたいなのですか?」
「そうね。」
「少し力を借りれませんか?」
「…連れてきてあげるわ。力は勝手に奪いなさい。」

サリーさんは私の前からヒュっと消えた。

「リディア、俺は城に手ぇ出すのはオススメしない。いくら魔力が弱くなってたって、吸い込むのは淀んだ魔力だ。メンフィスが管理出来ないような。」
「…管理出来ないんですか?」
「何が理由かしらねぇけどな。じゃなかったら、城はあの状態にはならない。」
「……」

キラさんと話をしていると、すぐにサリーさんが帰って来た。

「連れてきたわよ。」

サリーさんの背中でスヤスヤ寝ている男の子がいる。

「アーク、起きなさい。会いたがってたリディアがいるわよ。」
「…リディア、本物?模型じゃなくて?」
「本物よ。」

アーク君はニコッとして駆け寄ってきて、私の手を握った。

「はい。」
「力を貸してくれるの?」
「うん。リディア可愛い、好き。」

どこかであった事あるのかな?いきなり好きって。…キラさんもこんなだったわ。

「ありがとう。アーク君。」
「どういたしまして。」

怠惰の魔力はホワとしてて、吸収するのに体力はいらなかった。

「さて、傲慢で強欲で怠惰で力持ちのリディア、邸を出るなら今しかないわよ。」

「うん。」
私は頷いた。

「ここから私達は手伝えないわ。敵う物体じゃないから。側にも寄れない。」
「大丈夫です!ありがとうございます。邸でメンフィス様を見ていて下さい。それから、私の後を追わないように、やんすにきつく言ってください。縛り付けてでも!」
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