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胡散臭くない王子
結局、ニーナとして私は城にいる。
命が危ない…とか、そんな理由で監禁されそうだわ。今までどれだけ逃げ回っていたと思っているの。この日が来ない為によ。もう絶望よ…。
ソファーに向き合って座る私達に暫く会話はない。ただ2人でお茶を飲むだけ。
時間の無駄だわ。
「ボナースへ帰らせて下さい。」
「無理だ。」
「殿下が私に『婚約破棄』の手続きがすむまで院で暮らせと仰ったのですよ。」
「逃げるつもりだろ。」
「そんな事はしません。」
クール様の所へ行きます!
「クールの所か?」
よまれてたわ。
「何故一緒の部屋なの?」
「一緒にいた方が安全だから。」
「……護るのであればニナ様を。」
「ニナを護ればニーナも護れる。」
「……解っていたとは思っていたけど、だったら私の気持ちも全てご存知でしょう。婚約破棄…」
「出来るだけの事はする。」
「…話を進めると言っていたわ。嘘だったの?」
「出来ると思ってないから逃げてた、違う?」
そうだけど…。
「ごめん…。本当は話をしたかったから同室にしてもらった。」
「話す事など何もないわ。」
「君には俺に言いたい事があるだろ。」
「ええ、沢山あるわよ!…私がいらなかったから、放置していたのに、都合がいいと思わないの?もし逃げていなかったら、貴方はずっと私をあの場所に放っておくのよ。逃げる私も我が儘だけど、貴方はそれを上回るわ。」
「……」
「結婚しても別居してもらうつもりだったの。恋人がいるって聞いて、物凄く嬉しかった。……今もそうよ。」
「だからずっとシャロンと言ってたのか。」
「そうよ、結婚も仕事だと思ってきたわ。けれど、ひどい扱いをうけただけ。このまま公爵のご令嬢と結婚してくれればいいと思っているわ。私をすぐに陛下に会わせて。婚約の意味が大した事でないなら、私が帰ればそれですむのよ。」
「……」
「本当のところ、公爵の後ろ楯が誰だが気になるんでしょう?騙されてる可能性だってある。私達が結婚する事で不利益を被る国はあるもの。……ねぇ、何故今になって私の話を聞く気になったの?」
「遣いが死体になって返って来た。この状況で君を置いてはおけないから。」
クール様が迎えにきてるから、おかしいとは思ったのよ。私の我が儘を聞かない時は、
いつも最悪だから。クール様がカバー出来ないから。
帰ろう。それが、1番いいのよ。
「君も言いたい事は言えただろうし、外でクールが待ってるよ。」
「ねぇ、まさか本当に直接公爵に会いにいくんじゃないわよね?…待ってよ。死にに行くようなものじゃない。」
「死ぬ気はないよ。」
「まっ!?」
何、体がフラフラする。薬…もられた?
ずるいわ…。
何故今笑うの。
気が付いていないの?
今日の笑顔は
胡散臭くないのよ。
「笑顔だけはなかなか見せないな、ニーナは。」
エドワードはニーナの頬っぺを指でムニュっと少し強く押してみた。
「連れて帰ってくれ。」
エドワードがクールに言った。
「解決すれば、また呼んでください。」
「その為の話し合いだ。」
「出来るだけの事はします。」
「では、カタサの族長をしずめておいてくれ。」
「難しい事を…。ここにいてはニーナはとんでもない事をしてしまう。我が儘ですから。何でも叶うと思ってる。」
「そうしてきたのはクールなんだろ。」
「そうですが、『助けにいく』、その我が儘だけは聞けない。」
「何故そんなに重く考える必要がある?たかが婚約の話をしに行くだけだ。クリフ、レオン、行くぞ。」
ニーナが気を失っている間に、エドワードはいってしまった。
命が危ない…とか、そんな理由で監禁されそうだわ。今までどれだけ逃げ回っていたと思っているの。この日が来ない為によ。もう絶望よ…。
ソファーに向き合って座る私達に暫く会話はない。ただ2人でお茶を飲むだけ。
時間の無駄だわ。
「ボナースへ帰らせて下さい。」
「無理だ。」
「殿下が私に『婚約破棄』の手続きがすむまで院で暮らせと仰ったのですよ。」
「逃げるつもりだろ。」
「そんな事はしません。」
クール様の所へ行きます!
「クールの所か?」
よまれてたわ。
「何故一緒の部屋なの?」
「一緒にいた方が安全だから。」
「……護るのであればニナ様を。」
「ニナを護ればニーナも護れる。」
「……解っていたとは思っていたけど、だったら私の気持ちも全てご存知でしょう。婚約破棄…」
「出来るだけの事はする。」
「…話を進めると言っていたわ。嘘だったの?」
「出来ると思ってないから逃げてた、違う?」
そうだけど…。
「ごめん…。本当は話をしたかったから同室にしてもらった。」
「話す事など何もないわ。」
「君には俺に言いたい事があるだろ。」
「ええ、沢山あるわよ!…私がいらなかったから、放置していたのに、都合がいいと思わないの?もし逃げていなかったら、貴方はずっと私をあの場所に放っておくのよ。逃げる私も我が儘だけど、貴方はそれを上回るわ。」
「……」
「結婚しても別居してもらうつもりだったの。恋人がいるって聞いて、物凄く嬉しかった。……今もそうよ。」
「だからずっとシャロンと言ってたのか。」
「そうよ、結婚も仕事だと思ってきたわ。けれど、ひどい扱いをうけただけ。このまま公爵のご令嬢と結婚してくれればいいと思っているわ。私をすぐに陛下に会わせて。婚約の意味が大した事でないなら、私が帰ればそれですむのよ。」
「……」
「本当のところ、公爵の後ろ楯が誰だが気になるんでしょう?騙されてる可能性だってある。私達が結婚する事で不利益を被る国はあるもの。……ねぇ、何故今になって私の話を聞く気になったの?」
「遣いが死体になって返って来た。この状況で君を置いてはおけないから。」
クール様が迎えにきてるから、おかしいとは思ったのよ。私の我が儘を聞かない時は、
いつも最悪だから。クール様がカバー出来ないから。
帰ろう。それが、1番いいのよ。
「君も言いたい事は言えただろうし、外でクールが待ってるよ。」
「ねぇ、まさか本当に直接公爵に会いにいくんじゃないわよね?…待ってよ。死にに行くようなものじゃない。」
「死ぬ気はないよ。」
「まっ!?」
何、体がフラフラする。薬…もられた?
ずるいわ…。
何故今笑うの。
気が付いていないの?
今日の笑顔は
胡散臭くないのよ。
「笑顔だけはなかなか見せないな、ニーナは。」
エドワードはニーナの頬っぺを指でムニュっと少し強く押してみた。
「連れて帰ってくれ。」
エドワードがクールに言った。
「解決すれば、また呼んでください。」
「その為の話し合いだ。」
「出来るだけの事はします。」
「では、カタサの族長をしずめておいてくれ。」
「難しい事を…。ここにいてはニーナはとんでもない事をしてしまう。我が儘ですから。何でも叶うと思ってる。」
「そうしてきたのはクールなんだろ。」
「そうですが、『助けにいく』、その我が儘だけは聞けない。」
「何故そんなに重く考える必要がある?たかが婚約の話をしに行くだけだ。クリフ、レオン、行くぞ。」
ニーナが気を失っている間に、エドワードはいってしまった。
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2025/10/31
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞をいただきました
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本当に本当にありがとうございました