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本編後の小話 全19話
その後
結婚する…と決めてからアルデーテにくるのは、あっという間だったわ。
どういう訳か、カタサの族長も、カーネル様も、国王様まで知っていたのよね。
結婚するとも決まって無かったのに…
完璧に根回ししていたのよ。そうじゃなければ誰とも結婚しないなんて許されないもの。
「貴方、腹黒いわね。」
「…腹黒い?」
「とぼけるところもよ。」
「それくらいしないとニーナは捕まらない。」
「捕まえるとか、そこが黒いのよ。…ところで、今日はクリフはいないの?」
「いない理由を考えてみようか…」
「休みもあるわよね。」
「ニーナは疎いよね。いろいろ…」
「言われた事が無いわ。」
「だろうね。あの兄弟が確実に邪魔してただろうし。まぁ、俺は強敵だったんだな。」
「カールとクール様の事?まぁ鍛えられたわ。強くないと生きていけないからって。」
「…妹もいるんだろう?なぜニーナだけ?」
「私がカールと仲が良かったっていうのもあるわ。別の理由だとしたら、誘拐されそうになったからかもしれないわ。」
「は…?誘拐?」
「飴をあげるって言われてついていったら、クール様にもお父様にも邸中の皆にも、物凄く怒られたわ。その辺りからだと思うの。邸に沢山あるのに何故ついていったのかしら。」
「今でもついていきそうだよね。ニーナは。」
「それは食い意地がはってると言いたいの?」
「ついていかないように。外に出る時は手を繋ごうか。」
「嫌よ!恥ずかしいわ…!」
「手を繋ぐだけだろ。」
「皆が見てるのに、何だか仲良しさんみたいじゃない。」
「仲良しさん…?」
この2年で染みついた言葉を言ってしまったわ。
「笑いたければ笑いなさいよ。」
「いや、可愛いと思うよ。」
「……最近エドワードが優しくて変だわ。」
「俺ってどんなイメージなんだ…。」
「胡散臭い。」
「それは色々信じてもらえて無かったのか?」
「初めて会った日、シャロンを庇ってるのを見て『何考えてるのかしら』って思ったわ。」
「下手に喋らすよりましだから。」
「……貴方、本当に彼女を好きだったんでしょう?そんな言い方酷過ぎるわ。」
「うん、その話は平手打ちで流してくれたし、もうしないでおこうか。」
胡散臭い笑顔だわ…。
「何か隠してるんでしょ。」
「いや、俺は彼女が好きだったから一緒にいた。」
胡散臭さ、最上級を超えてるわ。都合の悪い事があるとそうなるのね。分かりやすい。…では、私といた時はずっと都合が悪かったの?
「…」
「何をふくれてるんだ。」
「いいえ、そろそろ行くわ。」
「行くって…ここが家だよ。」
「うん。けど週に2日はマール君の所にいくの。…何故変な顔してるの?」
「基本的に…俺が君と一緒にいられる時間って昼間じゃないし、それに多くはないんだよね。公務があるから。今日みたいに1日一緒にいる日なんて少ないんだよ。」
「そうね。」
「…うん、君はあり得ないほど疎いよ。」
ボナースと教会で子供だけを相手にしているとこうなるのか?
22才だぞ…。女性としての感覚が薄すぎる。
どういう訳か、カタサの族長も、カーネル様も、国王様まで知っていたのよね。
結婚するとも決まって無かったのに…
完璧に根回ししていたのよ。そうじゃなければ誰とも結婚しないなんて許されないもの。
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「…腹黒い?」
「とぼけるところもよ。」
「それくらいしないとニーナは捕まらない。」
「捕まえるとか、そこが黒いのよ。…ところで、今日はクリフはいないの?」
「いない理由を考えてみようか…」
「休みもあるわよね。」
「ニーナは疎いよね。いろいろ…」
「言われた事が無いわ。」
「だろうね。あの兄弟が確実に邪魔してただろうし。まぁ、俺は強敵だったんだな。」
「カールとクール様の事?まぁ鍛えられたわ。強くないと生きていけないからって。」
「…妹もいるんだろう?なぜニーナだけ?」
「私がカールと仲が良かったっていうのもあるわ。別の理由だとしたら、誘拐されそうになったからかもしれないわ。」
「は…?誘拐?」
「飴をあげるって言われてついていったら、クール様にもお父様にも邸中の皆にも、物凄く怒られたわ。その辺りからだと思うの。邸に沢山あるのに何故ついていったのかしら。」
「今でもついていきそうだよね。ニーナは。」
「それは食い意地がはってると言いたいの?」
「ついていかないように。外に出る時は手を繋ごうか。」
「嫌よ!恥ずかしいわ…!」
「手を繋ぐだけだろ。」
「皆が見てるのに、何だか仲良しさんみたいじゃない。」
「仲良しさん…?」
この2年で染みついた言葉を言ってしまったわ。
「笑いたければ笑いなさいよ。」
「いや、可愛いと思うよ。」
「……最近エドワードが優しくて変だわ。」
「俺ってどんなイメージなんだ…。」
「胡散臭い。」
「それは色々信じてもらえて無かったのか?」
「初めて会った日、シャロンを庇ってるのを見て『何考えてるのかしら』って思ったわ。」
「下手に喋らすよりましだから。」
「……貴方、本当に彼女を好きだったんでしょう?そんな言い方酷過ぎるわ。」
「うん、その話は平手打ちで流してくれたし、もうしないでおこうか。」
胡散臭い笑顔だわ…。
「何か隠してるんでしょ。」
「いや、俺は彼女が好きだったから一緒にいた。」
胡散臭さ、最上級を超えてるわ。都合の悪い事があるとそうなるのね。分かりやすい。…では、私といた時はずっと都合が悪かったの?
「…」
「何をふくれてるんだ。」
「いいえ、そろそろ行くわ。」
「行くって…ここが家だよ。」
「うん。けど週に2日はマール君の所にいくの。…何故変な顔してるの?」
「基本的に…俺が君と一緒にいられる時間って昼間じゃないし、それに多くはないんだよね。公務があるから。今日みたいに1日一緒にいる日なんて少ないんだよ。」
「そうね。」
「…うん、君はあり得ないほど疎いよ。」
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22才だぞ…。女性としての感覚が薄すぎる。
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