56 / 71
招待4
リアムは子爵家に仕える人達や、その家族の事も考えたのよ。罪を裁けないのは悔しいけれど、より多くの人が路頭に迷う事の無いように。
……でも、私には私のやり方がある。正式に裁く必要なんてない。
私はリアムを突き飛ばした。
「陛下には寛大な裁きを下して頂けるよう、僕は尽力します。でも、それには条件が1つあります」
「……どんな?」
「没落寸前のアンデル子爵領で毎年開かれる狩猟大会に出席する事。それだけです。どうですか?」
「アンデル子爵に招待されなければ決められませんな」
「大会は誰でも参加可能です。出席して頂けますよね?」
「……」
「追放ではなく、孤島へ流す事も出来るんですよ。どちらがお好みですか?」
「……出席します」
「そう、楽しみにしていますね。では、僕達はこれで失礼します」
スッキリはしないけど、私は部屋を出た。
「追放されたら、もうその土地から出る事を許されない」
「でしょうね。けれど、1度だけ出てもらうわ。それをリアムが陛下に掛け合うのよ」
「……クレアも大会に参加するのか?」
「ええ。そこで、獲物じゃないモノを誤って撃ってしまうかもね」
「殺すつもりか?」
「殺人犯になるつもりはないわ。けど、あの男には、殺される側の気持ちを味わってもらわないとね」
「クレアがそんな事をしなくてもいい」
「では、誰がやるの?貴方は、付け火の事も御者が殺された事も無かった事にして、話を進めるつもりでしょう。友人の為に」
「……」
「別にそれが悪いとは言わないわ。村人はこれから村を立て直していける。少なくとも今よりは良くなるわ。でも、御者の家族には絶望しか待っていないじゃない。本当なら、御者の家族を大会に参加させてあげたいわ。でも、殺人犯になって欲しくはないから私がやるの」
「絶対に駄目だ」
「離婚した後の話よ。貴方達に迷惑は掛けないから、安心して」
「そうじゃなく、クレアが狙われたらどうする」
「どうもしないわ。返討にあう事だってあるのは解っているもの。その時は、私の実力不足よ」
……でも、私には私のやり方がある。正式に裁く必要なんてない。
私はリアムを突き飛ばした。
「陛下には寛大な裁きを下して頂けるよう、僕は尽力します。でも、それには条件が1つあります」
「……どんな?」
「没落寸前のアンデル子爵領で毎年開かれる狩猟大会に出席する事。それだけです。どうですか?」
「アンデル子爵に招待されなければ決められませんな」
「大会は誰でも参加可能です。出席して頂けますよね?」
「……」
「追放ではなく、孤島へ流す事も出来るんですよ。どちらがお好みですか?」
「……出席します」
「そう、楽しみにしていますね。では、僕達はこれで失礼します」
スッキリはしないけど、私は部屋を出た。
「追放されたら、もうその土地から出る事を許されない」
「でしょうね。けれど、1度だけ出てもらうわ。それをリアムが陛下に掛け合うのよ」
「……クレアも大会に参加するのか?」
「ええ。そこで、獲物じゃないモノを誤って撃ってしまうかもね」
「殺すつもりか?」
「殺人犯になるつもりはないわ。けど、あの男には、殺される側の気持ちを味わってもらわないとね」
「クレアがそんな事をしなくてもいい」
「では、誰がやるの?貴方は、付け火の事も御者が殺された事も無かった事にして、話を進めるつもりでしょう。友人の為に」
「……」
「別にそれが悪いとは言わないわ。村人はこれから村を立て直していける。少なくとも今よりは良くなるわ。でも、御者の家族には絶望しか待っていないじゃない。本当なら、御者の家族を大会に参加させてあげたいわ。でも、殺人犯になって欲しくはないから私がやるの」
「絶対に駄目だ」
「離婚した後の話よ。貴方達に迷惑は掛けないから、安心して」
「そうじゃなく、クレアが狙われたらどうする」
「どうもしないわ。返討にあう事だってあるのは解っているもの。その時は、私の実力不足よ」
あなたにおすすめの小説
【短編】花婿殿に姻族でサプライズしようと隠れていたら「愛することはない」って聞いたんだが。可愛い妹はあげません!
月野槐樹
ファンタジー
妹の結婚式前にサプライズをしようと姻族みんなで隠れていたら、
花婿殿が、「君を愛することはない!」と宣言してしまった。
姻族全員大騒ぎとなった
結婚初夜、「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と夫に言われました
ましゅぺちーの
恋愛
侯爵令嬢のアリサは婚約者だった王太子テオドールと結婚した。
ちょうどその半年前、アリサの腹違いの妹のシアは不慮の事故で帰らぬ人となっていた。
王太子が婚約者の妹のシアを愛していたのは周知の事実だった。
そんな彼は、結婚初夜、アリサに冷たく言い放った。
「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と。
「お前を愛する事はない」を信じたので
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」
お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。
政略結婚の意味、理解してますか。
章槻雅希
ファンタジー
エスタファドル伯爵家の令嬢マグノリアは王命でオルガサン侯爵家嫡男ペルデルと結婚する。ダメな貴族の見本のようなオルガサン侯爵家立て直しが表向きの理由である。しかし、命を下した国王の狙いはオルガサン家の取り潰しだった。
マグノリアは仄かな恋心を封印し、政略結婚をする。裏のある結婚生活に楽しみを見出しながら。
全21話完結・予約投稿済み。
『小説家になろう』(以下、敬称略)・『アルファポリス』・『pixiv』・自サイトに重複投稿。
学園では婚約者に冷遇されていますが、有能なので全く気になりません。〜学園でお山の大将されてても、王宮では私の方が有能ですから〜
織り子
恋愛
王都カラディナにある国立魔術学園では、満十六歳の生徒たちの社交界デビューを兼ねた盛大なパーティーが開かれていた。
侯爵令嬢タレイア・オルトランは、婚約者である第二王子アスラン・オグセリアの迎えを待つも、結局ひとりで会場へ向かうことになる。
学園では身分の差がないとはいえ、アスランが公然とタレイアを侮辱し続けてきたことで、彼女は生徒たちから冷笑と蔑視の的となっていた。しかしタレイアは、王城で政務を担ってきた聡明さと矜持を失わず、毅然と振る舞う。
政略結婚で「新興国の王女のくせに」と馬鹿にされたので反撃します
nanahi
恋愛
政略結婚により新興国クリューガーから因習漂う隣国に嫁いだ王女イーリス。王宮に上がったその日から「子爵上がりの王が作った新興国風情が」と揶揄される。さらに側妃の陰謀で王との夜も邪魔され続け、次第に身の危険を感じるようになる。
イーリスが邪険にされる理由は父が王と交わした婚姻の条件にあった。財政難で困窮している隣国の王は巨万の富を得たイーリスの父の財に目をつけ、婚姻を打診してきたのだ。資金援助と引き換えに父が提示した条件がこれだ。
「娘イーリスが王子を産んだ場合、その子を王太子とすること」
すでに二人の側妃の間にそれぞれ王子がいるにも関わらずだ。こうしてイーリスの輿入れは王宮に波乱をもたらすことになる。
白い結婚を告げようとした王子は、冷遇していた妻に恋をする
夏生 羽都
恋愛
ランゲル王国の王太子ヘンリックは結婚式を挙げた夜の寝室で、妻となったローゼリアに白い結婚を宣言する、
……つもりだった。
夫婦の寝室に姿を見せたヘンリックを待っていたのは、妻と同じ髪と瞳の色を持った見知らぬ美しい女性だった。
「『愛するマリーナのために、私はキミとは白い結婚とする』でしたか? 早くおっしゃってくださいな」
そう言って椅子に座っていた美しい女性は悠然と立ち上がる。
「そ、その声はっ、ローゼリア……なのか?」
女性の声を聞いた事で、ヘンリックはやっと彼女が自分の妻となったローゼリアなのだと気付いたのだが、驚きのあまり白い結婚を宣言する事も出来ずに逃げるように自分の部屋へと戻ってしまうのだった。
※こちらは「裏切られた令嬢は、30歳も年上の伯爵さまに嫁ぎましたが、白い結婚ですわ。」のIFストーリーです。
ヘンリック(王太子)が主役となります。
また、上記作品をお読みにならなくてもお楽しみ頂ける内容となっております。
【完結】結婚前から愛人を囲う男の種などいりません!
つくも茄子
ファンタジー
伯爵令嬢のフアナは、結婚式の一ヶ月前に婚約者の恋人から「私達愛し合っているから婚約を破棄しろ」と怒鳴り込まれた。この赤毛の女性は誰?え?婚約者のジョアンの恋人?初耳です。ジョアンとは従兄妹同士の幼馴染。ジョアンの父親である侯爵はフアナの伯父でもあった。怒り心頭の伯父。されどフアナは夫に愛人がいても一向に構わない。というよりも、結婚一ヶ月前に破棄など常識に考えて無理である。無事に結婚は済ませたものの、夫は新妻を蔑ろにする。何か勘違いしているようですが、伯爵家の世継ぎは私から生まれた子供がなるんですよ?父親?別に書類上の夫である必要はありません。そんな、フアナに最高の「種」がやってきた。
他サイトにも公開中。