21 / 71
二人きり
「……」
「……」
王子と話をしてから執務室へ戻ってお仕事。それだけでも苦痛なのに、何なの、この部屋の雰囲気は……。空気が重い!
「リアム様、眉間にシワが出来ていますが、何かありましたか?」
「いいえ」
「そうですか」
絶対に何かあったよね。
私がハリーを追い出すのに協力するって言ったの、筒抜けなのかもね。それなら、怒ってる理由も解るし……。
「疲れているようですし、今日はこれくらいにしましょう。明日の視察に支障をきたすとよくありませんから」
「いえ、問題ありません」
貴方に無くても、私にはあるの。この空気の中にいるのは限界なのよ。
「リアム様、私の事が嫌いでも構いませんが、顔に出さないでください」
「嫌いではありません」
「では、何故そんなに不機嫌なのですか?私といる時、殆ど喋らないし無表情ですよね」
「そうてしょうか…。貴女の前ではよく喋るし、笑ってる方だと思いますが」
もしかして、自覚がないの?
普段はこれ以上に無表情で口数が少ないって事?
「食事中、私と話をする事もないのにですか?」
「困りませんか?食べている時に話しかけられると」
困る?一体どんな会話をするつもりなのかしら。
「母は食事中に父に話しかけられて、いつも辛そうだったので……。まぁ、母は父に萎縮して、食事も殆ど食べていませんでしたが」
両親はあまり仲が良く無かったのね。
何だかとても辛そうな顔をしているし、これ以上聞くのは止めた方がよさそうだわ。
「そうですか。では、無理をしないで今まで通りに…」
「いいえ、話しかけても構わないようなら、話します」
「……はい」
リアムって、私が嫌いという訳でもないのかしら。ハリーと仕事以外の事なら、意外と素直に答えてくれるし。
「クレア……義姉さん」
「はい」
何故か解らないけど、リアムがとても真剣な顔をしている。
「……2人きりの時は『クレア』と、そう呼んでもいいですか?」
……真剣な顔をして何を言うかと思えば、それだけ?
「クレアでもマロンでも、好きに呼んで下さい」
「いいんですか?」
「ええ。2人きりの時であれば、咎める人もいませんし、変な噂も立てられないと思いますから」
「変な噂?」
「リアム様と私が、夫のいない間に男女の仲になっている…とか言われると、リアム様の結婚に支障をきたす可能性もありますから」
リアムには出来るだけ早く結婚してもらいたいし、こんな噂は絶対に駄目!
「……」
王子と話をしてから執務室へ戻ってお仕事。それだけでも苦痛なのに、何なの、この部屋の雰囲気は……。空気が重い!
「リアム様、眉間にシワが出来ていますが、何かありましたか?」
「いいえ」
「そうですか」
絶対に何かあったよね。
私がハリーを追い出すのに協力するって言ったの、筒抜けなのかもね。それなら、怒ってる理由も解るし……。
「疲れているようですし、今日はこれくらいにしましょう。明日の視察に支障をきたすとよくありませんから」
「いえ、問題ありません」
貴方に無くても、私にはあるの。この空気の中にいるのは限界なのよ。
「リアム様、私の事が嫌いでも構いませんが、顔に出さないでください」
「嫌いではありません」
「では、何故そんなに不機嫌なのですか?私といる時、殆ど喋らないし無表情ですよね」
「そうてしょうか…。貴女の前ではよく喋るし、笑ってる方だと思いますが」
もしかして、自覚がないの?
普段はこれ以上に無表情で口数が少ないって事?
「食事中、私と話をする事もないのにですか?」
「困りませんか?食べている時に話しかけられると」
困る?一体どんな会話をするつもりなのかしら。
「母は食事中に父に話しかけられて、いつも辛そうだったので……。まぁ、母は父に萎縮して、食事も殆ど食べていませんでしたが」
両親はあまり仲が良く無かったのね。
何だかとても辛そうな顔をしているし、これ以上聞くのは止めた方がよさそうだわ。
「そうですか。では、無理をしないで今まで通りに…」
「いいえ、話しかけても構わないようなら、話します」
「……はい」
リアムって、私が嫌いという訳でもないのかしら。ハリーと仕事以外の事なら、意外と素直に答えてくれるし。
「クレア……義姉さん」
「はい」
何故か解らないけど、リアムがとても真剣な顔をしている。
「……2人きりの時は『クレア』と、そう呼んでもいいですか?」
……真剣な顔をして何を言うかと思えば、それだけ?
「クレアでもマロンでも、好きに呼んで下さい」
「いいんですか?」
「ええ。2人きりの時であれば、咎める人もいませんし、変な噂も立てられないと思いますから」
「変な噂?」
「リアム様と私が、夫のいない間に男女の仲になっている…とか言われると、リアム様の結婚に支障をきたす可能性もありますから」
リアムには出来るだけ早く結婚してもらいたいし、こんな噂は絶対に駄目!
あなたにおすすめの小説
【短編】花婿殿に姻族でサプライズしようと隠れていたら「愛することはない」って聞いたんだが。可愛い妹はあげません!
月野槐樹
ファンタジー
妹の結婚式前にサプライズをしようと姻族みんなで隠れていたら、
花婿殿が、「君を愛することはない!」と宣言してしまった。
姻族全員大騒ぎとなった
結婚初夜、「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と夫に言われました
ましゅぺちーの
恋愛
侯爵令嬢のアリサは婚約者だった王太子テオドールと結婚した。
ちょうどその半年前、アリサの腹違いの妹のシアは不慮の事故で帰らぬ人となっていた。
王太子が婚約者の妹のシアを愛していたのは周知の事実だった。
そんな彼は、結婚初夜、アリサに冷たく言い放った。
「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と。
「お前を愛する事はない」を信じたので
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」
お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。
政略結婚の意味、理解してますか。
章槻雅希
ファンタジー
エスタファドル伯爵家の令嬢マグノリアは王命でオルガサン侯爵家嫡男ペルデルと結婚する。ダメな貴族の見本のようなオルガサン侯爵家立て直しが表向きの理由である。しかし、命を下した国王の狙いはオルガサン家の取り潰しだった。
マグノリアは仄かな恋心を封印し、政略結婚をする。裏のある結婚生活に楽しみを見出しながら。
全21話完結・予約投稿済み。
『小説家になろう』(以下、敬称略)・『アルファポリス』・『pixiv』・自サイトに重複投稿。
学園では婚約者に冷遇されていますが、有能なので全く気になりません。〜学園でお山の大将されてても、王宮では私の方が有能ですから〜
織り子
恋愛
王都カラディナにある国立魔術学園では、満十六歳の生徒たちの社交界デビューを兼ねた盛大なパーティーが開かれていた。
侯爵令嬢タレイア・オルトランは、婚約者である第二王子アスラン・オグセリアの迎えを待つも、結局ひとりで会場へ向かうことになる。
学園では身分の差がないとはいえ、アスランが公然とタレイアを侮辱し続けてきたことで、彼女は生徒たちから冷笑と蔑視の的となっていた。しかしタレイアは、王城で政務を担ってきた聡明さと矜持を失わず、毅然と振る舞う。
政略結婚で「新興国の王女のくせに」と馬鹿にされたので反撃します
nanahi
恋愛
政略結婚により新興国クリューガーから因習漂う隣国に嫁いだ王女イーリス。王宮に上がったその日から「子爵上がりの王が作った新興国風情が」と揶揄される。さらに側妃の陰謀で王との夜も邪魔され続け、次第に身の危険を感じるようになる。
イーリスが邪険にされる理由は父が王と交わした婚姻の条件にあった。財政難で困窮している隣国の王は巨万の富を得たイーリスの父の財に目をつけ、婚姻を打診してきたのだ。資金援助と引き換えに父が提示した条件がこれだ。
「娘イーリスが王子を産んだ場合、その子を王太子とすること」
すでに二人の側妃の間にそれぞれ王子がいるにも関わらずだ。こうしてイーリスの輿入れは王宮に波乱をもたらすことになる。
白い結婚を告げようとした王子は、冷遇していた妻に恋をする
夏生 羽都
恋愛
ランゲル王国の王太子ヘンリックは結婚式を挙げた夜の寝室で、妻となったローゼリアに白い結婚を宣言する、
……つもりだった。
夫婦の寝室に姿を見せたヘンリックを待っていたのは、妻と同じ髪と瞳の色を持った見知らぬ美しい女性だった。
「『愛するマリーナのために、私はキミとは白い結婚とする』でしたか? 早くおっしゃってくださいな」
そう言って椅子に座っていた美しい女性は悠然と立ち上がる。
「そ、その声はっ、ローゼリア……なのか?」
女性の声を聞いた事で、ヘンリックはやっと彼女が自分の妻となったローゼリアなのだと気付いたのだが、驚きのあまり白い結婚を宣言する事も出来ずに逃げるように自分の部屋へと戻ってしまうのだった。
※こちらは「裏切られた令嬢は、30歳も年上の伯爵さまに嫁ぎましたが、白い結婚ですわ。」のIFストーリーです。
ヘンリック(王太子)が主役となります。
また、上記作品をお読みにならなくてもお楽しみ頂ける内容となっております。
【完結】結婚前から愛人を囲う男の種などいりません!
つくも茄子
ファンタジー
伯爵令嬢のフアナは、結婚式の一ヶ月前に婚約者の恋人から「私達愛し合っているから婚約を破棄しろ」と怒鳴り込まれた。この赤毛の女性は誰?え?婚約者のジョアンの恋人?初耳です。ジョアンとは従兄妹同士の幼馴染。ジョアンの父親である侯爵はフアナの伯父でもあった。怒り心頭の伯父。されどフアナは夫に愛人がいても一向に構わない。というよりも、結婚一ヶ月前に破棄など常識に考えて無理である。無事に結婚は済ませたものの、夫は新妻を蔑ろにする。何か勘違いしているようですが、伯爵家の世継ぎは私から生まれた子供がなるんですよ?父親?別に書類上の夫である必要はありません。そんな、フアナに最高の「種」がやってきた。
他サイトにも公開中。