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奪還3
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イエナがどうなったのか確認に行きたいけど、私はここから離れられないし、どうしよう。
「お爺さん、私はこのまま店の奥へ進むから、村人の半数を連れて裏口へ向かってくれる?挟み撃ちにしましょう」
小声で指示を出していると、奥で大きな物音と怒号が聞こえてきた。怒号というか、罵声かしら。
最初は『コノヤロー』とか『死ねー』とか何人かの声が聞こえていたのに、それがどんどん無くなって、カチャ……と、最後に裏へ繋がる扉が開いた。
「イエナっ!大丈夫なの!?」
「ご心配なく。リアム様は救出しました」
「貴女は!?怪我はないの!?血塗れじゃない!!」
「そんな事より、さっさと店内にいる3人を片付けましょう」
イエナは3人とも殺すつもり?けど、作戦が成功したなら殺す必要はないよね。
「たっ……助けてくれっ!!」
「俺らは命令されただけだ!!」
それを聞いて、イエナの顔が更に冷たくなったように見える。
「命乞いするくらいなら、最初から弱い者虐めなんてしなきゃいいのよ」
そう言って、私に肩を撃たれた男は右肩からお腹の中心部にかけて、イエナに叩き斬られた。
それを見ていた村人の何人かは吐いている。
まぁ、当然だよね。私は狩りで仕留めた獲物をさばく所を何度も見てるから、血を見るのは慣れてるだけ。ただ、人をこんなにあっさり殺せるかと言えば別……。これが出来るのは、イエナが軍人だからだよね。
「店主とそこの男は、生かしておきます。マロン様、それで構いません?」
「ええ……」
私が飲み比べしている間に、イエナが全部解決してしまった……。
店内に村人達が来てくれたから数で威圧出来たし、私はアルコール中毒で死ななくてすんだのよね。
結局、私は全然役に立ってない気がする。
「お爺さん、1度村に帰りましょう。これからの事はリアムを含めて話した方が早いから」
ん?
村人達にジロジロ見られてる気がするけど、私何かしたかしら。
「マロンは女じゃったのか」
「うん……。騙しててごめんなさい」
「いいや、可愛い男の子じゃとは思っとったが、女には見えなんだから、驚いただけじゃ」
それは何だか複雑だわ。
「イエナ、リアムはどこ?」
「裏にいます」
「そう、これからどうするか話をしましょう」
「薬を飲まされてるので、すぐに行動するのは不可能です」
「薬って、大丈夫なの?」
「はい。とりあえず今は退く方がいいかと」
「わかったわ」
この後はリアムがいなきゃどうして良いのか解らないし、勢いで突っ込めるのはここまでだよね。
「お爺さん、この酒場のありったけの酒、水、食料を持って村へ帰りましょう」
「ほう、金は?」
「私が払うわ」
支払った所で、ハンストン伯爵の誘拐幇助でマスターは処刑されるだろうけど……。
村人が乗ってきたボロボロの荷馬車にリアムを乗せて、私達は村へ引き返した。
リアムが目を覚ますのをベッドの傍に座って待っているけど、2時間たっても起きない。私もクタクタだし、眠くなってきたわ……。知らない間に眠っていて、次目を覚ましたら私はベッドの中にいた。
「お爺さん、私はこのまま店の奥へ進むから、村人の半数を連れて裏口へ向かってくれる?挟み撃ちにしましょう」
小声で指示を出していると、奥で大きな物音と怒号が聞こえてきた。怒号というか、罵声かしら。
最初は『コノヤロー』とか『死ねー』とか何人かの声が聞こえていたのに、それがどんどん無くなって、カチャ……と、最後に裏へ繋がる扉が開いた。
「イエナっ!大丈夫なの!?」
「ご心配なく。リアム様は救出しました」
「貴女は!?怪我はないの!?血塗れじゃない!!」
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イエナは3人とも殺すつもり?けど、作戦が成功したなら殺す必要はないよね。
「たっ……助けてくれっ!!」
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それを聞いて、イエナの顔が更に冷たくなったように見える。
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そう言って、私に肩を撃たれた男は右肩からお腹の中心部にかけて、イエナに叩き斬られた。
それを見ていた村人の何人かは吐いている。
まぁ、当然だよね。私は狩りで仕留めた獲物をさばく所を何度も見てるから、血を見るのは慣れてるだけ。ただ、人をこんなにあっさり殺せるかと言えば別……。これが出来るのは、イエナが軍人だからだよね。
「店主とそこの男は、生かしておきます。マロン様、それで構いません?」
「ええ……」
私が飲み比べしている間に、イエナが全部解決してしまった……。
店内に村人達が来てくれたから数で威圧出来たし、私はアルコール中毒で死ななくてすんだのよね。
結局、私は全然役に立ってない気がする。
「お爺さん、1度村に帰りましょう。これからの事はリアムを含めて話した方が早いから」
ん?
村人達にジロジロ見られてる気がするけど、私何かしたかしら。
「マロンは女じゃったのか」
「うん……。騙しててごめんなさい」
「いいや、可愛い男の子じゃとは思っとったが、女には見えなんだから、驚いただけじゃ」
それは何だか複雑だわ。
「イエナ、リアムはどこ?」
「裏にいます」
「そう、これからどうするか話をしましょう」
「薬を飲まされてるので、すぐに行動するのは不可能です」
「薬って、大丈夫なの?」
「はい。とりあえず今は退く方がいいかと」
「わかったわ」
この後はリアムがいなきゃどうして良いのか解らないし、勢いで突っ込めるのはここまでだよね。
「お爺さん、この酒場のありったけの酒、水、食料を持って村へ帰りましょう」
「ほう、金は?」
「私が払うわ」
支払った所で、ハンストン伯爵の誘拐幇助でマスターは処刑されるだろうけど……。
村人が乗ってきたボロボロの荷馬車にリアムを乗せて、私達は村へ引き返した。
リアムが目を覚ますのをベッドの傍に座って待っているけど、2時間たっても起きない。私もクタクタだし、眠くなってきたわ……。知らない間に眠っていて、次目を覚ましたら私はベッドの中にいた。
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