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まちくたびれて
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ミランダが帰って来たのは5日目の夕方。
ヘンリーから預かった物をポケットに入れて、すぐにミランダの部屋へ向かった。
「ミランダっ!お帰りなさいっ!!」
「ただいま。なに?私がいなくてさみしかったの?」
凄い勢いで走ってきた私に、ミランダがクスクス笑っている。
その通りなのが恥ずかしい。
「私がいない間、何も面白い事はなかった?」
「面白いことなんて1つもなかったわ。暇すぎて死んじゃいそうよ。」
「まぁまぁ、1日目の事から話してみてよ。」
「わかった。」
私はミランダの休み1日目にあった事を話した。
「…邸を抜け出して王都へいって、お酒を買うお金が足りなかったから指輪を売り飛ばそうとした。そこで昔ビー玉を奪った子とじゃんけん勝負…、それから辺境伯に拳銃で脅されて、トーマに怒られた。それがたった1日であった事なの?」
「うん。」
メレブ君達へ色々送ったのは秘密にしておこう。ミランダが気にしたら困るし。
「けど、1日目なんかより3日目が大変だったわ。エリーゼが来た日にヘンリーも来たり。しかもイーサンがヘンリーを見て『ルーの父ちゃん?』って間違えたのよ。」
「プッ!!アハハハっ!凄いわ。面白い事だらけじゃない。たった5日の間に。」
…ベッドに倒れて笑うほど面白いなんて。
「そうだ、ヘンリーからミランダへ預かってる物があるの。」
ポケットから出した紙袋はしわくちゃだった。
「その紙袋がシワシワなのは、ヘンリーがポケットに入れてたからで…もともとよ。私のポケットでシワになった訳じゃないの…。」
「ふふ、どっちでもいいわよ別に。袋なんて捨てるから。」
「『それしか見つからなかった』って伝えてほしいって。」
紙袋から出てきたのは、金色のバッジのようなもの。それを見てミランダが切なそうな顔をしている。
理由は聞かない方が良さそうだよね。
「ヘンリーはこれが何か言ってなかった?」
「ううん。」
「…これね、私の旦那のものなの。4年前に死んじゃったけどね。」
「……」
「陛下の護衛をしててね、手薄になった時を狙われたのよ。」
「……子供は?」
「…妊娠してたんだけど」
「ごめん…」
馬鹿な質問をしてしまった。
子供がいたならミランダはこの仕事を続けるわけないのに。自分が死んだら、子供は1人になってしまうんだから。
養子にだしてるはずもない。実家に帰れば頼りになる家族がいるんだから。
「気にしなくていいのに。私達は死を覚悟の上で仕事をしてるし。」
…ミランダは私達の馬鹿みたいな行動を見ていて、どう思っただろう。
「ここにいて辛くない?」
「いつまでも過去を引きずるタイプじゃないわよ。ただ、トーマ・ラッセンは護衛が終わった瞬間に殴ってやるとは決めてるけどね。女は殴らない主義だからエリーゼは見逃すけど。」
「……え?」
「ルーナ、あの男は父親を名乗ってるけど違うわ。」
「確実?」
「まぁ、詮索しない条件だから、やりはしないけど。契約事項は守らないと次からの仕事に支障がでるし。」
「物凄く詮索したいって顔してるけど…。」
「そこはルーナに任せる事で。」
「…やらないわよ。」
「まぁ、謝罪まわりが先ね。」
そう言って、いつもと変わらない笑顔でかえしてくれた。
ヘンリーから預かった物をポケットに入れて、すぐにミランダの部屋へ向かった。
「ミランダっ!お帰りなさいっ!!」
「ただいま。なに?私がいなくてさみしかったの?」
凄い勢いで走ってきた私に、ミランダがクスクス笑っている。
その通りなのが恥ずかしい。
「私がいない間、何も面白い事はなかった?」
「面白いことなんて1つもなかったわ。暇すぎて死んじゃいそうよ。」
「まぁまぁ、1日目の事から話してみてよ。」
「わかった。」
私はミランダの休み1日目にあった事を話した。
「…邸を抜け出して王都へいって、お酒を買うお金が足りなかったから指輪を売り飛ばそうとした。そこで昔ビー玉を奪った子とじゃんけん勝負…、それから辺境伯に拳銃で脅されて、トーマに怒られた。それがたった1日であった事なの?」
「うん。」
メレブ君達へ色々送ったのは秘密にしておこう。ミランダが気にしたら困るし。
「けど、1日目なんかより3日目が大変だったわ。エリーゼが来た日にヘンリーも来たり。しかもイーサンがヘンリーを見て『ルーの父ちゃん?』って間違えたのよ。」
「プッ!!アハハハっ!凄いわ。面白い事だらけじゃない。たった5日の間に。」
…ベッドに倒れて笑うほど面白いなんて。
「そうだ、ヘンリーからミランダへ預かってる物があるの。」
ポケットから出した紙袋はしわくちゃだった。
「その紙袋がシワシワなのは、ヘンリーがポケットに入れてたからで…もともとよ。私のポケットでシワになった訳じゃないの…。」
「ふふ、どっちでもいいわよ別に。袋なんて捨てるから。」
「『それしか見つからなかった』って伝えてほしいって。」
紙袋から出てきたのは、金色のバッジのようなもの。それを見てミランダが切なそうな顔をしている。
理由は聞かない方が良さそうだよね。
「ヘンリーはこれが何か言ってなかった?」
「ううん。」
「…これね、私の旦那のものなの。4年前に死んじゃったけどね。」
「……」
「陛下の護衛をしててね、手薄になった時を狙われたのよ。」
「……子供は?」
「…妊娠してたんだけど」
「ごめん…」
馬鹿な質問をしてしまった。
子供がいたならミランダはこの仕事を続けるわけないのに。自分が死んだら、子供は1人になってしまうんだから。
養子にだしてるはずもない。実家に帰れば頼りになる家族がいるんだから。
「気にしなくていいのに。私達は死を覚悟の上で仕事をしてるし。」
…ミランダは私達の馬鹿みたいな行動を見ていて、どう思っただろう。
「ここにいて辛くない?」
「いつまでも過去を引きずるタイプじゃないわよ。ただ、トーマ・ラッセンは護衛が終わった瞬間に殴ってやるとは決めてるけどね。女は殴らない主義だからエリーゼは見逃すけど。」
「……え?」
「ルーナ、あの男は父親を名乗ってるけど違うわ。」
「確実?」
「まぁ、詮索しない条件だから、やりはしないけど。契約事項は守らないと次からの仕事に支障がでるし。」
「物凄く詮索したいって顔してるけど…。」
「そこはルーナに任せる事で。」
「…やらないわよ。」
「まぁ、謝罪まわりが先ね。」
そう言って、いつもと変わらない笑顔でかえしてくれた。
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