侯爵夫人は子育て要員でした。

シンさん

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叔父様3

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トーマの予想通り、護衛長はいなかったので、私達は邸へ帰って来た。
結局、護衛としてレオン様も一緒に。

夕食後30分ほどして、私はトーマの部屋へ向かった。

コンコン
「ルーナです。」

返事を待っていると、内側からドアを開けてくれた。

「どうぞ。」
「ありがとう。」

離縁の話は使用人の前では出来ないから、2人で時間がとれる時に決めておかないとね。

「ねぇ、叔父様にはいつ会えるかしら?」
「マイセンに確認させてる。」
「ありがとう。絶対に説得してね。」
「ああ…」

何だか歯切れが悪いわね。

「そんなに難しい事なの?」
「ああ。だから、少し作戦を練って行こう。ルーナが気に入られ過ぎるのも良くないが、嫌われるとそれはそれで面倒だ。」
「確かにそうだけど、さほど好かれてなくても結婚は許してくれたわ。」
「子供がいるのに、反対出来るわけがないだろう。」
「そうね…。」

普通の思考回路の人ならそうなるよね。甥の責任でもあるんだから。
借金だらけでも、スコット伯爵家が上級貴族だったというのが、叔父様からすればせめてもの救いよね。

「…父親が肺炎で亡くなってから、ルーナはどんな生活をしていたんだ?」
「何故?」
「離縁の話をしに行った時、ルーナの事を色々聞かれて困ったんだ。『全部俺が悪い』と、そう言って押しきったけど、次はそうはいかない。」

お互い何も知らないから、困って当然よね。

「私が18才になる2ヶ月前にお父様が亡くなったの。それから、トーマと結婚するまで継母に虐められていた、貧乏で可哀想な女よ。」
「虐められて、何もやり返さなかったのか?らしくないな。」

って、私を何だと思ってるのかしら。

「勿論、しっかり虐め返したわよ。」
「何をしたんだ?」

トーマには子供の頃の悪事を知られてるんだから、今さら隠す事もないわね。

「義姉がパーティーに行く直前に、着ているドレスにカメムシを付けた記憶があるわ。カメムシ臭を香水で誤魔化そうとしてて笑えたわ。」
「…カメ…、他は?」
「蛾を部屋にはなしたわね。」
「…虫が多いな。」
「偶然に見せかけるのに、虫はちょうどいいのよ。」
「ルーナが外出しなくなったのは何故だ?」
「私が友人に会ったり、勝手に出掛けたりすると、使用人が鞭で叩かれるからよ。」
「ルーナじゃなく?」
「私を叩いて、ただて済むと思う?倍にしてやり返したわよ。あまりにも私が強いから、相手も少し考えたのね。それからは逆らえなくなったわ。だから、さりげなく虫攻撃に切り替えたのよ。」
「そうか…。」
「伯爵邸にいた使用人の働き口を斡旋してくれたんでしょう?よく考えれば、従兄弟がそこまで気を配れる状態だったと思えないしね。」
「いくつかの家に手紙を書いたくらいで、大した事はしていない。」

そう言えてしまう所が凄いところだわ。
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