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侯爵夫人
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トーマと話をして3日後、私とトーマとミランダとマイセンさんの4人で叔父様の邸へ来ている。
ランスロット様に会った次の日から、トーマは登城したきり今日の朝まで戻らなかったし、大した作戦は練れなかったのよね。もう、トーマを頼るしかないわ。私では無理よ。
それにしても叔父様、めちゃくちゃ不機嫌だわ。
栗色の髪はオールバックで、眉間の深い皺が丸見えなのよね。まさに、ご立腹の度合いを示しているのよ。
「話とは何だ?」
「…離縁を延期したいので、その許可を頂けないでしょうか。」
「延期?」
「はい。勝手なのは重々承知しています。」
「トーマ、…少しルーナさんと2人で話をさせてくれ。話はそれが終わってからだ。いいかな?ルーナさん。」
「はい、勿論です。」
嫌だなんていえないよね。
早々にトーマもマイセンさんも部屋から追い出されて、私と叔父様の2人きりになってしまった。こんなの、想定外だわ。
「そんなに緊張する必要はない。」
トーマより少し緑っぽい瞳は、さっきとは違ってとても優しい。眉間に皺もないし、私に怒ってはいないのかしら。
「ルーナさん、離縁の延期はトーマの意思かい?」
「え?」
「離縁の理由は聞いているよ。トーマが君の意思を無視して、一方的に体の関係迫った。そして、子供が出来て結婚する事になったが、ルーナさんは精神的に苦しんでいる…と。」
「はい。」
トーマは離縁のために、最低な男を演じてる。侯爵という立場で『好きだ嫌いだ』を離縁の理由に出来ないのは当然だしね。
「ルーナさんが延期を求めていないなら、無理をすることはない。」
「いえ、延期は2人で話し合った上で決めましたので、問題ありません。」
「そうか、良かったよ。」
全然離縁に反対していないじゃない。むしろ、めちゃくちゃ心配してくれてるわ。
上手く話が進みすぎていて逆に怖いくらいよ。
「トーマ様の事はあまり責めないで下さい。きっと後悔してると思うので。」
「そうか、ルーナさんは良い人だね。」
「ありがとうございます。」
予想に反して叔父様が優しくて困る。
これなら本当の事を言った方が心が痛まないわ。
このままこの嘘をつき続ければ、叔父様とトーマの関係が悪くなってしまう気がする。
頼りになる人を見つける方が難しいと言っていたのに、数少ない頼りに出来る人を失うような事をしては駄目よ。
『自分が我慢すればいい』という考え方は、いつかトーマを追い詰めるわ。
「叔父様、本当は同意の上でした。私は、子が出来てもいいと思ってたんです。」
こんな事を言うのは恥ずかしすぎるけど、何とかトーマの汚名をはらさないと。
「今、離縁の話になってるのは、私が『ラッセン侯爵夫人』という名の重圧に耐えきれないからなんです!」
「……」
「そんな理由で離縁が出来るとは思えないので、トーマ様が悪人を演じてるんです。だから、彼は悪くありません。」
ランスロット様に会った次の日から、トーマは登城したきり今日の朝まで戻らなかったし、大した作戦は練れなかったのよね。もう、トーマを頼るしかないわ。私では無理よ。
それにしても叔父様、めちゃくちゃ不機嫌だわ。
栗色の髪はオールバックで、眉間の深い皺が丸見えなのよね。まさに、ご立腹の度合いを示しているのよ。
「話とは何だ?」
「…離縁を延期したいので、その許可を頂けないでしょうか。」
「延期?」
「はい。勝手なのは重々承知しています。」
「トーマ、…少しルーナさんと2人で話をさせてくれ。話はそれが終わってからだ。いいかな?ルーナさん。」
「はい、勿論です。」
嫌だなんていえないよね。
早々にトーマもマイセンさんも部屋から追い出されて、私と叔父様の2人きりになってしまった。こんなの、想定外だわ。
「そんなに緊張する必要はない。」
トーマより少し緑っぽい瞳は、さっきとは違ってとても優しい。眉間に皺もないし、私に怒ってはいないのかしら。
「ルーナさん、離縁の延期はトーマの意思かい?」
「え?」
「離縁の理由は聞いているよ。トーマが君の意思を無視して、一方的に体の関係迫った。そして、子供が出来て結婚する事になったが、ルーナさんは精神的に苦しんでいる…と。」
「はい。」
トーマは離縁のために、最低な男を演じてる。侯爵という立場で『好きだ嫌いだ』を離縁の理由に出来ないのは当然だしね。
「ルーナさんが延期を求めていないなら、無理をすることはない。」
「いえ、延期は2人で話し合った上で決めましたので、問題ありません。」
「そうか、良かったよ。」
全然離縁に反対していないじゃない。むしろ、めちゃくちゃ心配してくれてるわ。
上手く話が進みすぎていて逆に怖いくらいよ。
「トーマ様の事はあまり責めないで下さい。きっと後悔してると思うので。」
「そうか、ルーナさんは良い人だね。」
「ありがとうございます。」
予想に反して叔父様が優しくて困る。
これなら本当の事を言った方が心が痛まないわ。
このままこの嘘をつき続ければ、叔父様とトーマの関係が悪くなってしまう気がする。
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「叔父様、本当は同意の上でした。私は、子が出来てもいいと思ってたんです。」
こんな事を言うのは恥ずかしすぎるけど、何とかトーマの汚名をはらさないと。
「今、離縁の話になってるのは、私が『ラッセン侯爵夫人』という名の重圧に耐えきれないからなんです!」
「……」
「そんな理由で離縁が出来るとは思えないので、トーマ様が悪人を演じてるんです。だから、彼は悪くありません。」
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