215 / 306
雨音2
しおりを挟む
ルーナのもとへ向かって2日目。
突然の雨に、俺達は立ち往生していた。
「まだ進めそうにないか?」
「すみません。あまり整備されてない道なので、この豪雨だと視界も悪くて危険です。」
「いや、仕方がない。」
この雨の日に何か事件が起こるとは思わないし、俺が心配しすぎなだけだ。
ミランダの手紙には事件の詳細は書いていなかった。ただ、薬物中毒者が最近急激に増えていると書き添えてあった。
要は、売ってる場所が港だという事だ。それを伯爵に詳しく聞いて、城に報告しないと。
陛下は命が狙われているから、暫くは決まった人としか面会出来ない状態だ。俺は許可されているし、現状を見て伝えよう。
……雨も酷いが、この道は何だ。
数年前まではしっかり補正されていたのに、今は放置されてボロボロになっている。
港が荒れている事と関係があるのかないのか、微妙だな。
「侯爵、港に行くには時間がかかりますし、領主であるメルフス子爵にこの街の状況を聞きに行きませんか?港への道じゃなければ、進めそうですよ。」
そう言ったのは、護衛長の息子…三男のフレッドだ。
「ああ、そうしよう。」
ここで雨が止むのを待つよりましだ。
先代子爵は数年前に亡くなっている。今の子爵には会った事がない。
港のように、何か問題があるなら手助けが必要になる。
この道がなくなると、辺境へ荷物を運ぶのに迂回が必要になるし、至急修繕をしないと。
ルーナにも護衛がついてる、問題ない。俺は俺で、今出来る事をしよう。
こんな事がなければ、当分ここへ来る事も出来ないしな。
それから15分ほど馬車で進んでいると、小さな家の前に大きな荷馬車が止まっていた。
この雨の中、何を運んでいるんだ?
よく見ていると、子供が何人も降りてきて小さな家へ入っていく。
「…馬車を止めろ。」
「はい。」
「マイセン、少しあの男に話を聞く。連れてきた兵士を周囲に集めてくれ。それから…」
「はい!侯爵は俺がお護りします!」
「…ああ、頼む。」
フレッドは16才だがとても小柄だ。
新兵だが俺の護衛につくくらいだし、それなりに強いのだろう。
ヘンリーには『フレッドには気を付けろ』と言われたが、何に気を付けるんだ?
黒髪に碧い瞳の少年は笑顔で馬車を降り、俺とマイセンはその後に続いた。
突然の雨に、俺達は立ち往生していた。
「まだ進めそうにないか?」
「すみません。あまり整備されてない道なので、この豪雨だと視界も悪くて危険です。」
「いや、仕方がない。」
この雨の日に何か事件が起こるとは思わないし、俺が心配しすぎなだけだ。
ミランダの手紙には事件の詳細は書いていなかった。ただ、薬物中毒者が最近急激に増えていると書き添えてあった。
要は、売ってる場所が港だという事だ。それを伯爵に詳しく聞いて、城に報告しないと。
陛下は命が狙われているから、暫くは決まった人としか面会出来ない状態だ。俺は許可されているし、現状を見て伝えよう。
……雨も酷いが、この道は何だ。
数年前まではしっかり補正されていたのに、今は放置されてボロボロになっている。
港が荒れている事と関係があるのかないのか、微妙だな。
「侯爵、港に行くには時間がかかりますし、領主であるメルフス子爵にこの街の状況を聞きに行きませんか?港への道じゃなければ、進めそうですよ。」
そう言ったのは、護衛長の息子…三男のフレッドだ。
「ああ、そうしよう。」
ここで雨が止むのを待つよりましだ。
先代子爵は数年前に亡くなっている。今の子爵には会った事がない。
港のように、何か問題があるなら手助けが必要になる。
この道がなくなると、辺境へ荷物を運ぶのに迂回が必要になるし、至急修繕をしないと。
ルーナにも護衛がついてる、問題ない。俺は俺で、今出来る事をしよう。
こんな事がなければ、当分ここへ来る事も出来ないしな。
それから15分ほど馬車で進んでいると、小さな家の前に大きな荷馬車が止まっていた。
この雨の中、何を運んでいるんだ?
よく見ていると、子供が何人も降りてきて小さな家へ入っていく。
「…馬車を止めろ。」
「はい。」
「マイセン、少しあの男に話を聞く。連れてきた兵士を周囲に集めてくれ。それから…」
「はい!侯爵は俺がお護りします!」
「…ああ、頼む。」
フレッドは16才だがとても小柄だ。
新兵だが俺の護衛につくくらいだし、それなりに強いのだろう。
ヘンリーには『フレッドには気を付けろ』と言われたが、何に気を付けるんだ?
黒髪に碧い瞳の少年は笑顔で馬車を降り、俺とマイセンはその後に続いた。
46
あなたにおすすめの小説
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
私たちの離婚幸福論
桔梗
ファンタジー
ヴェルディア帝国の皇后として、順風満帆な人生を歩んでいたルシェル。
しかし、彼女の平穏な日々は、ノアの突然の記憶喪失によって崩れ去る。
彼はルシェルとの記憶だけを失い、代わりに”愛する女性”としてイザベルを迎え入れたのだった。
信じていた愛が消え、冷たく突き放されるルシェル。
だがそこに、隣国アンダルシア王国の皇太子ゼノンが現れ、驚くべき提案を持ちかける。
それは救済か、あるいは——
真実を覆う闇の中、ルシェルの新たな運命が幕を開ける。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
【コミカライズ決定】愛されない皇妃~最強の母になります!~
椿蛍
ファンタジー
【コミカライズ決定の情報が解禁されました】
※レーベル名、漫画家様はのちほどお知らせいたします。
※配信後は引き下げとなりますので、ご注意くださいませ。
愛されない皇妃『ユリアナ』
やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。
夫も子どもも――そして、皇妃の地位。
最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。
けれど、そこからが問題だ。
皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。
そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど……
皇帝一家を倒した大魔女。
大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!?
※表紙は作成者様からお借りしてます。
※他サイト様に掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる