241 / 306
壁2
しおりを挟む
「聞き方を変えるわ。ルーナ自身が『トーマとエミリーに会いたい』って思う事は無い?会いたいか、会いたくないか、答えは2つに1つよ。」
「……」
「会いたくないなら問題ないのよ。けどね、『会いたい、会えなくなったら寂しい』…って気持ちが少しでもあるなら、離縁はゆっくり考えた方がいいわ。」
「会えなくなるのは寂しい…っと思うかもしれないけど、それはトーマやエミリーにだけじゃなくて、イーサンやアナやカルラさん、良くしてくれた使用人達にも会えなくなるのは寂しいわ。それって普通の事だよね。」
離縁の話に関係ないと思うけど…。
「勘違いしないで、離縁する事は反対じゃないし、家に来てくれたら私だって嬉しいわ。」
「なら、どうして?」
「今のルーナには農家弟子入り以外にもやりたい事が出来たでしょう?ホイットマン様のご子息と商売の話をしていたルーナは楽しそうだったし。違う?」
「そうだけど…。」
「山小屋にいた時とは違うっていうのはそういう事よ。」
やりたいと思う事が増えてる。言われなければ気付かなかったわ。
「それとね、ルーナは現実を理解出来てないから、教えておこうと思って。平民と貴族の間に、どれだけ高い壁があるのか。私は死んだ夫に2度と会えない。それと同じくらい、会う事の叶わない相手になるのよ。ラッセン侯爵は。農家に弟子入りしたら、ランスロット様に会う時間も作れない。弟子入りしたら特別扱いしないわよ。」
「うん。」
「まぁ、全てはルーナが決める事だから、これ以上何も言わないわ。」
心配してくれてるんだよね。私には両親も兄弟もいない、トーマと縁を切ったら家族は誰もいなくなる。
スコット家も体裁があるから、私を許すはずないもの。
1人だという恐怖心は、必ず生まれてくる。それに耐えられるか考えなさいって事だよね。
平民と貴族の間にある壁か…。
・・・・
「侯爵、何で夫人と同じ部屋にしなかったんですか?」
部屋で俺を護衛するのはフレッドだ。
何でも明け透けに聞いてくるのは、良くも悪くもある。
「この邸にいて殺される事は絶対にないので、一緒の部屋でも問題ありませんよ。」
「いいんだ。」
「喧嘩でもしたんですか?」
「していない。もう、この話は終わりだ。」
ベッドが1つしかない部屋で好きな女と5日間も、仲の良い夫婦を演じて過ごすって、何の試練だ…。
「でも、この部屋だと多分侯爵は寝られませんよ。」
「何故だ?」
フレッドはニッコリ笑って答えなかった。
「……」
「会いたくないなら問題ないのよ。けどね、『会いたい、会えなくなったら寂しい』…って気持ちが少しでもあるなら、離縁はゆっくり考えた方がいいわ。」
「会えなくなるのは寂しい…っと思うかもしれないけど、それはトーマやエミリーにだけじゃなくて、イーサンやアナやカルラさん、良くしてくれた使用人達にも会えなくなるのは寂しいわ。それって普通の事だよね。」
離縁の話に関係ないと思うけど…。
「勘違いしないで、離縁する事は反対じゃないし、家に来てくれたら私だって嬉しいわ。」
「なら、どうして?」
「今のルーナには農家弟子入り以外にもやりたい事が出来たでしょう?ホイットマン様のご子息と商売の話をしていたルーナは楽しそうだったし。違う?」
「そうだけど…。」
「山小屋にいた時とは違うっていうのはそういう事よ。」
やりたいと思う事が増えてる。言われなければ気付かなかったわ。
「それとね、ルーナは現実を理解出来てないから、教えておこうと思って。平民と貴族の間に、どれだけ高い壁があるのか。私は死んだ夫に2度と会えない。それと同じくらい、会う事の叶わない相手になるのよ。ラッセン侯爵は。農家に弟子入りしたら、ランスロット様に会う時間も作れない。弟子入りしたら特別扱いしないわよ。」
「うん。」
「まぁ、全てはルーナが決める事だから、これ以上何も言わないわ。」
心配してくれてるんだよね。私には両親も兄弟もいない、トーマと縁を切ったら家族は誰もいなくなる。
スコット家も体裁があるから、私を許すはずないもの。
1人だという恐怖心は、必ず生まれてくる。それに耐えられるか考えなさいって事だよね。
平民と貴族の間にある壁か…。
・・・・
「侯爵、何で夫人と同じ部屋にしなかったんですか?」
部屋で俺を護衛するのはフレッドだ。
何でも明け透けに聞いてくるのは、良くも悪くもある。
「この邸にいて殺される事は絶対にないので、一緒の部屋でも問題ありませんよ。」
「いいんだ。」
「喧嘩でもしたんですか?」
「していない。もう、この話は終わりだ。」
ベッドが1つしかない部屋で好きな女と5日間も、仲の良い夫婦を演じて過ごすって、何の試練だ…。
「でも、この部屋だと多分侯爵は寝られませんよ。」
「何故だ?」
フレッドはニッコリ笑って答えなかった。
83
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
私たちの離婚幸福論
桔梗
ファンタジー
ヴェルディア帝国の皇后として、順風満帆な人生を歩んでいたルシェル。
しかし、彼女の平穏な日々は、ノアの突然の記憶喪失によって崩れ去る。
彼はルシェルとの記憶だけを失い、代わりに”愛する女性”としてイザベルを迎え入れたのだった。
信じていた愛が消え、冷たく突き放されるルシェル。
だがそこに、隣国アンダルシア王国の皇太子ゼノンが現れ、驚くべき提案を持ちかける。
それは救済か、あるいは——
真実を覆う闇の中、ルシェルの新たな運命が幕を開ける。
【コミカライズ決定】愛されない皇妃~最強の母になります!~
椿蛍
ファンタジー
【コミカライズ決定の情報が解禁されました】
※レーベル名、漫画家様はのちほどお知らせいたします。
※配信後は引き下げとなりますので、ご注意くださいませ。
愛されない皇妃『ユリアナ』
やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。
夫も子どもも――そして、皇妃の地位。
最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。
けれど、そこからが問題だ。
皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。
そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど……
皇帝一家を倒した大魔女。
大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!?
※表紙は作成者様からお借りしてます。
※他サイト様に掲載しております。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
金の羊亭へようこそ! 〝元〟聖女様の宿屋経営物語
紗々置 遼嘉
ファンタジー
アルシャインは真面目な聖女だった。
しかし、神聖力が枯渇して〝偽聖女〟と罵られて国を追い出された。
郊外に館を貰ったアルシャインは、護衛騎士を付けられた。
そして、そこが酒場兼宿屋だと分かると、復活させようと決意した。
そこには戦争孤児もいて、アルシャインはその子達を養うと決める。
アルシャインの食事処兼、宿屋経営の夢がどんどん形になっていく。
そして、孤児達の成長と日常、たまに恋愛がある物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる