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公爵夫人
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部屋に戻ってすぐに朝顔を作ったのだけど、笑ってすませられるレベルじゃない物が出来てしまった…。
私が作った朝顔を見て、トーマが唖然としてる。
「これを、公爵夫人に渡す……?」
「ええ。私が昔、これをカリオン公爵の別邸のお庭に植えたらしいの。」
「これを…」
言いたい事は解るわ。ゴミにしか見えないもの…。
私の作った朝顔、くるくると細く丸めた緑の紙に、クチャクチャっと握り潰して広げただけの青い紙、その二つをくっつけただけ。蔓もなければ、葉っぱもない。
「…本当に渡すのか?」
「ええ。」
「ルーナが渡したいというなら、無理に止めはしないが…。」
そうは言ってるけど『止めて欲しい』ってトーマの顔に書いてあるわ。
『ラッセン侯爵夫人は頭がおかしいのか』と、噂になるかもしれないもの。使用人達の噂話というのは、凄い速度で広まるのだと城で体感したしね。
でも、この花は絶対に必要なのよ。
「公爵夫人と私のお母様は、同じ病だったの。お母様は死んだけど、夫人は生きてる。とても凄い事よ。辛い病だもの…。」
「そうだな…。」
「朝、お母様が痛みに悶えてる姿を見て、早く良くなって欲しいと何度も思ったわ。けど、完治しない病だった。」
私は机に置いてあるボロボロの朝顔を手に取った。
「朝顔なんていつでも見る事が出来る。……元気な人ならね。でも、そうじゃない人も沢山いるわ。」
私にとって簡単な事は、誰かにとって困難な事。
「だから、こう思ったの。朝、見に行く事が出来ないなら、持って行けばいい。それも出来ないなら、夜に咲く…枯れない朝顔を私が作れば良いって。」
クラリス様の病状は軽くなったとしても、病気が辛い事にはかわりないわ。今日、私達に会う事もきっと辛いはず。体の事を考えれば、これから先『会いたい』と言っても会わせて貰うのはまず不可能。
だから、これが最初で最後のチャンスよ。
「『無いなら自分で作れば良い』…か。その気持ちがあれば、法律でも何でも新しく作れるな。」
そう言って、トーマが青い紙を折って何かを作っている。見ていると、あっという間に青い紙が花のような形になった。
「どうやって作ったの…?」
「昔、東の国の出身だった使用人が器用に作ってたから。」
「だったら、私がこれを作ってる時に言いなさいよ…。」
「俺の作った花は、公爵夫人には思い出の品でも何でもない。」
「確かにそうね。」
「この花は、俺からルーナへ。」
「くれるの?」
「ああ。シリウスの子を助ける為に、一緒に頑張ろう。」
「うん!」
『一緒に』…そう言ってくれたのが、何だかとても嬉しかった。
私が作った朝顔を見て、トーマが唖然としてる。
「これを、公爵夫人に渡す……?」
「ええ。私が昔、これをカリオン公爵の別邸のお庭に植えたらしいの。」
「これを…」
言いたい事は解るわ。ゴミにしか見えないもの…。
私の作った朝顔、くるくると細く丸めた緑の紙に、クチャクチャっと握り潰して広げただけの青い紙、その二つをくっつけただけ。蔓もなければ、葉っぱもない。
「…本当に渡すのか?」
「ええ。」
「ルーナが渡したいというなら、無理に止めはしないが…。」
そうは言ってるけど『止めて欲しい』ってトーマの顔に書いてあるわ。
『ラッセン侯爵夫人は頭がおかしいのか』と、噂になるかもしれないもの。使用人達の噂話というのは、凄い速度で広まるのだと城で体感したしね。
でも、この花は絶対に必要なのよ。
「公爵夫人と私のお母様は、同じ病だったの。お母様は死んだけど、夫人は生きてる。とても凄い事よ。辛い病だもの…。」
「そうだな…。」
「朝、お母様が痛みに悶えてる姿を見て、早く良くなって欲しいと何度も思ったわ。けど、完治しない病だった。」
私は机に置いてあるボロボロの朝顔を手に取った。
「朝顔なんていつでも見る事が出来る。……元気な人ならね。でも、そうじゃない人も沢山いるわ。」
私にとって簡単な事は、誰かにとって困難な事。
「だから、こう思ったの。朝、見に行く事が出来ないなら、持って行けばいい。それも出来ないなら、夜に咲く…枯れない朝顔を私が作れば良いって。」
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だから、これが最初で最後のチャンスよ。
「『無いなら自分で作れば良い』…か。その気持ちがあれば、法律でも何でも新しく作れるな。」
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「どうやって作ったの…?」
「昔、東の国の出身だった使用人が器用に作ってたから。」
「だったら、私がこれを作ってる時に言いなさいよ…。」
「俺の作った花は、公爵夫人には思い出の品でも何でもない。」
「確かにそうね。」
「この花は、俺からルーナへ。」
「くれるの?」
「ああ。シリウスの子を助ける為に、一緒に頑張ろう。」
「うん!」
『一緒に』…そう言ってくれたのが、何だかとても嬉しかった。
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