奪い寝

花蓮

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8月15日(麻里)

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バイトをして、急いでダンスの衣装を着て祭りに行った
友達が踊ってて、この後ちょっとしたら出番だ。

終わったら浴衣に着替えるつもりで
お母さんに浴衣を取ってきてもらう、それと
私はネックレスをとってきて
と伝えた

下の段の真ん中だった。
塔を見て踊った
お客さんが近かった
知ってる人はあまりいないなぁと残念に思っていた

フォーメーションが変わったとき、気付いた
同じ学年の男子がいた
わぁ、きてたのか!
手はさすがに、ふれない

おじさんの顔がずれた

彼がいた

あーきてたのか
見られてたのか
見てくれたのか

嬉しかった




私は友達と浴衣を着て
お化け屋敷に入ったり
たくさん遊んだ
けど、ずっと彼を気にしていた
人がいっぱいいた
私は楽しめてなかった
友達にも、心配されてた

トドメの一撃が現れた
トドメの一撃が痛恨の一撃でHPが一気に減った

死んだぁぁぁあもうやだぁぁあぁぁぁあーーうわぁーーー

と私が言うため、友達がすごい不思議そうだった

実は彼の家にいこうと思ってた
甘かった
現実はシビアだ
サバイバルだ

私の前に中学校のときの、最後の最後に好きだった人が現れた

すごくすごくすごく嬉しかった
元彼もいたけど
どうでもよかった

話することが楽しかった
付き合えたらいいのにと思った
が、遠いところに住んでいるから無理だ

わかってる

元彼が話に入ってくる
どうでもいい

友達とはぐれないために、彼等と離れた

まだ話したかった
また話しかけたかった

でも、話しかけなかった

私は彼と話さなかった
目が一回あっただけだった

悲しかった
苦しかった

あーあ

ため息ばかりついていた


彼と会いたくて
祭り会場に誰もいなくなるまでいた

お兄さんがポテトをくれた

神様が可哀想だと思っているのか

元彼から会いたいときた

どうでもいい

私は家に帰った

中学校の最後の最後好きだった人に
変わったねといわれた

いい意味?

といったら

いい意味だよ

といわれた

あー、本当にいい人
本当に、いい人

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