奪い寝

花蓮

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11月27日(麻里)

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スマホの電源をつけてラインをみる
誕生日おめでとう!
とクラスの男子から来ていた、うれしい。

今日はテストだから、しょうがない。
みんな辛い頃だ、しょうがない。

お母さんは、寝坊した!といい
私にご飯を作れという
家事できないんだよ、私は。

ひどいね
誕生日なのに

新聞を読んでるお母さんを怒ってしまった

なんて理不尽な娘

反省しつつ、ご飯を食べる


テストの真ん中の日、
誕生日なのに勉強づけ

テストが終わり
違うクラスの友達と会った時、泣きそうなくらい嬉しかった
騒ぎ始めてテンションが可笑しくなった頃
お腹が空いて下校した

誕生日といっても何もないなーとおもってた


夜、
じいちゃんと蕎麦を食べに行った。

彼の家に近い
彼の家の近くに来ると
行くことばかり考えてる

彼の家にどういこうか
と考えながら蕎麦屋に向かい

あえる?
とラインした

お母さんと帰るから、と

食べ終わって
笑顔でじいちゃんとバイバイして
彼の家に向かって歩いた

彼を見つけた

唐辛子いれすぎて、舌がビリビリする
とか
誕生日忘れてたでしょう
とか
とにかく会いたかった
話したかった

もう終わりだとわかっていたから
もう私とは一緒にいれないと言われるとわかってたから

海の方へ行った

抱きしめないと誓った彼の目の前で
もうキスしないと誓った彼の顔を見て

ごめん
今まで楽しかった
彼女に悪いから
もう一緒にいれない


振られた
と認識しながら
彼の腕をつかんでた

彼の頬に触れていた

まだ、終わってないと思いたかった

そっか
わかった

笑って私は言った

楽しかったよ、今まで
ありがとう

今日だけ

といって彼は私を抱き締めた

何回今日だけがあるの?
ときいたら

今日は、ないんだよ
今日なんてないんだよ

だから、いいんだよ

って言われた

終わらないってことじゃない
だめだよ、そんなの

私は終わらないでほしかった

彼と腕を組んで歩いてた

お母さんの車が来た

腕を離して
彼を見ずに車に乗った

やっぱりそうだと思った。
だめだよ。
とお母さんにいわれた

でしょ。
やめるよ、もう。

と私は笑って返した
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