BLゲームの悪役令息に異世界転生したら攻略対象の王子に目をつけられました

ほしふり

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【第一章】悪役令息は行動する

(3)悪役令息のチュートリアル

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移動教室。

「では、説明をはじめます」

俺たちのクラスは別の教室に移動した。
半円型の机と席がセットでいくつかの段に区切られて備え付けられており、教卓の前で教師が喋っている。
よく見かける海外の大学みたいな場所だ。
前世の俺は大学に行くことはなかったけれど、なんとなくこういう場所なのかなぁと思った。

(そして、これは俺にとってのチュートリアルだ)

班活動を指定されない限り、移動教室でも俺の横の席はリズだ。
俺は気付かれないように彼にちらりと目線を投げる。
リズは教卓で説明する教師の話を一生懸命に聞いていた。

(本当にごめんなさい…)

俺はリズのズボンに手をのばす。
机の横は木の枠で覆われており、教卓から俺の行動は見えない。
後ろの生徒たちには俺が手を伸ばしているのは見えているかもしれないが、具体的になにをしているのかは背中で見えないはず。

なおフランツは俺達より前の席に座っているため、こちらの様子には気付いていないのは確定だ。
俺の手でズボンの表面に触れた瞬間、リズの両肩が跳ねた。
バッと俺の方を見ると目を丸くしている。

(ごめんなさい…ほんとうにごめんなさい…)

心の中で謝りながら、俺はリズのズボンを緩めて下着の中から性器を出す。
萎えているそれは可愛そうなほどに縮こまっており、手袋越しでも震えるそれが伝わってきた。

「っ…」

俺がこんな事をしようとも、彼は両膝の上に己の手を置いて握りしめている。
ぷるぷると震えながらもじっと俺の行動に耐えていた。
俺の中には罪悪感しかない。
だが、やると決めたのだから実行するしかなかった。
授業中にベリルが隣の席のリズにちょっかいをかける事とは?

つまりはこういうことである。

物語の中でリズは定期的にベリルから何かしら手を出されていたという描写がある。
入学式の時にも手で触ったことはあるのだが、その時は俺ではなく本来のベリルだった。
その記憶を思い出しながら今度は俺が触れる。
柔らかく握り込むとリズのそれは少し芯が硬くなった気配がする。

「っ…!」

リズが吐き出しかけた声を押し殺した。
俺はそのまま握りながらしごきにかかる。
同じ男なのだから好きなところはなんとなく把握している、それに俺にはベリルとしての知識もあった。

それにこの行動は、元のベリルがやった行動をなぞるだけ。
童貞の俺にとっては初めてのことだった。
そういう意味合いで俺にとってのチュートリアル。

力を加えながら圧迫し、痛くならない程度まで握り込むと自分の手を狭い筒に例えてそのまま前後に動かす。
自分以外の男性器なんて触るのは初めての事だったが、なんとかなりそうだ。
ベリルの知識と経験は偉大だ。

「あっ、っ…ぅっ…ん」

革手袋の材質に撫でられながらリズが甘く鳴いた。
周りには気づかれない程度の声だったが、本人はそれどころではない様子。
俺の手の動きに合わせて内股で太腿をすり合わせながら、椅子の上に座ったままひくひくと腰が動く。
まるで媚びるように俺の手の動きを催促するかのごとく揺れている。
先走りがとろとろと流れはじめて手袋が濡れた。
手が濡れる事により滑りが増して、それに合わせてスピードを上げる。

「ぁっ、ゃ、ぁぅっ」

唇から漏れる彼の声が俺の鼓膜を震わせた。
女の子のような艷やかな声が動きの速度に合わせて吐き出される。
必死に唇を噛み締めているが、漏れる甘い声は隠せない。

「ふぅっ、んぅっ」

鼻先にかかる吐息が艶っぽく俺を色事に誘う。
さすがBLゲームの主人公。
画面越しにゲームをプレイしていた時もエロくは感じてはいたが、近くで姉もプレイしていたため中々そんな気分にはならなかった。
だが、実際に目の前で乱れながら気持ちよさそうに身を捩っているのを見てしまうと、ぐっときた。
反応的に痛くはないらしい…それならいい。
そのまま刺激を与えていると、リズは口をはくはくとさせながら息を繰り返す。
そろそろかと思った時。

「ひぅっ!?」

息を飲み込んだかと思ったら、そのまま白濁を俺の手の中に吐き出した。
とぴゅとぴゅと温かい液体が手袋を濡らす。

(あぁ…寸止めにするつもりだったのに…)

流石に俺が初めてということもあり、ベリルほど上手くはいかない。
達した後の荒い息を繰り返しながらリズは頬を朱色に染めている。

(やってしまった…)

俺は手の中の白濁を眺めながら後悔と罪悪感に揺れていた。

(昨日…俺もフランツにされたんだよな…手で)

くたりと背中を丸めて今もなお悶ているリズを眺めながら、俺は思い出す。
昨日の事が脳裏をよぎると俺の身体が熱くなった。
フランツの手の動きに合わせて喘ぎながら、出そうと言った俺を無視してあいつは続けて、それで…
目の前で羞恥に耐えながら声を押し殺すリズと昨日の自分の姿が重なった。
かぁっと自らの顔が赤くなるのを感じながら、俺はわなわなと震える。

(うぅ…俺も被害者なのに…こんなことを…リズに対して…)

俺もやってしまったんだ…ベリルではなく、俺自らの意思で。
パワハラ、セクハラ、強姦魔。
色々と罵りの言葉が脳裏を駆け巡り、罪悪感が一気に滲む。
汚れた手袋を裏返しながら後始末をしてリズのズボンを整える。

すると、リズの身体がゆらりと揺れた。
行為中の反応ではなく、倒れる時のそれだった。
俺はとっさにリズの上半身を受け止める。

椅子には背もたれがあるので後ろに倒れる心配はないが、胸元に引き寄せられた彼は俺を見上げる。
涙が滲んだ瞳はとろりと熱に浮かされていた。
目線の焦点は合っていない。

「ベリルさま…っ」

本人の意思ではない、甘い声音で名前を呼ばれると俺の股間に色々きた。
接近した事によりふわりとリズの石鹸の香りを感じて、俺の心臓が早鐘を打つ。

(美少年ってすごい)

この一連の行動はベリルの知識や経験やそういったものを借りて行ったのだが、この絵面だけでも前世が童貞の俺には刺激が強すぎる。
このまま変な気を起こす前に離れようとしたところで、ハッと我に返る。
周りの生徒達が俺とリズに注目していた。
見られていたのはリズの身体を受け止めるあたりからだったのかもしれない。
喋っていた教師も俺たちの方に目線を向けると小首をかしげて口を開いた。

「そこの二人、何かあったのか?」

俺は言葉に詰まる。
まずい、俺のせいだ。

「…あ、あの…」

顔を真赤にしたまま、俺の腕の中でリズは困ったような目線を向けている。

「ご、ごめ…なさ…」

謝るのはどう考えても俺の方です。
こういう時の言い訳や誤魔化し…
そのセリフは、ゲームの中でも何度か覚えがある。
俺は右手を上げてその台詞を口にした。

「先生、リズ・グラフィットさんの具合が悪そうなので保健室に連れて行こうと思います、よろしいですか?」

腕の中のリズが身体を強張らせた気配がする。
ぱくぱくと口を動かしながら言葉が見つからずに俺の顔を見上げているリズ。

「…行って来なさい。授業は出席扱いとします」
「ありがとうございます」

俺はリズの方を支えながら教室を出る。
途中、フランツからの目線が俺に刺さったような気がするが、今度は俺がその視線を無視する番だ。
いざ保健室へ。


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