異なる世界、鬼説

伽藍 瑠為

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突きつけられた設定

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1節「突き付けられた設定」



日差しが気持ちいい気温、空にはゆっくりと流れる雲。
ライトグリーン色の猫目をした長い白髪(はくはつ)の女性が大の字でベンチに座っていた。
その目の前には噴水が緩やかに音を立て、近くでは鳥の囀りが聞こえ平和を表していた。


















※主人公のイメージ


















「今日はロストゼロ。平和だな。」


女性は空を見上げてそう呟いた。
隣で呟きを聞いた金色の髪をしたツインテールの幼女が言葉を返す。



「平和が助かるよ。俺、死にたく無いもん。」





















※幼女のイメージ















「やっぱりその姿で俺って言うと違和感しかないね。やめた方がいいんじゃない?」



白髪の女性はそう幼女に言葉をかけた。
それに対し、幼女は言葉を口にした。



「こんな事なら俺だってキャラを男に変えたいよ。為心(いさね)も男なのに私とか言うの結構キモいよ。」

「私は職業柄丁寧語が染みついて抜けないんだよ!それにたまには俺って言うわっ!」

「でも為心は私って言えるから凄いよな…俺も丁寧語練習しとけばよかったな。」

「まぁ、今はいらないだろうけど、社会では必要だね。」

「あぁ…名前もミスったしな…。」

「まだ気にしてんの?」

「え?だって恥ずかしいじゃん?」

「うん。私もその名前あんまり呼びたくない。」



白髪の女性、為心は苦笑いでそう呟いた。
そして、幼女が口を開く。



「………「ちくび」なんてふざけた名前にするんじゃなかったわぁ。」

「だね。呼ぶこっちの身もちょっとやだ。」


更に為心は言葉を続けた。


「もし、仮にちくちゃんのHP残量が後少しで、危機的状況だったとするじゃん?」

「うん。」

「その時に危険を知らせる為に「ちくびぃぃぃ!」って呼ばなきゃいけないとか結構えぐい。」

「呼ばれるこっちもえぐい。」

「そういえばこの間、パンツは投げるって名前のキャラとすれ違ったよ。」

「それもえぐいな。」

「パンツぅぅぅ!!って呼べば良いのかな?」

「うわぁ…それきついって。」


その時だった。


「あの…お聞きしても良いですか…?」
















幼女の姿をし、背丈には似合わない太刀を肩にかけ、青色の髪をした女の子が話しかけてきた。
それに為心が答えた。


「大丈夫ですよ!どうしました?」

「この…牙の結晶アイテムって…何に使うんですか?」


その問にちくびが答えた。


「あぁ!それはね!武器の素材アイテムだよ!鍛錬(たんれん)意外にも武器のステータスアイテムがあって、それで使うだよ!」

「そうなんですねっ!ありがとうございます!」

「初心者さん?」

「…そうなんです…興味本意で始めたんですが…まさか…こんなことになるなんて…。」


暗くなる幼女に為心が答えた。


「…そうだよね…。」

「でも!頑張るって決めたんです!…病気の母と…妹を残して来てしまったので…。」


幼女は言葉を続けた。


「だから!早く帰る為にも鬼説(ここ)に慣れて頑張ろうって!だから気にしないでください!」


それを見てちくびが口を開いた。


「いい子だね。キャラメイクも可愛いし。」


その時、為心がツッコミを入れた。


「おいっ!そこじゃないだろう!」


そして、幼女が為心達に聞いた。


「失礼ですが…お二人の中身は…?」


ちくびが嫌らしい笑みを浮かべ質問を質問で返した。


「どっちだと思う?」

「あ…えっ…と…キャラメイクが上手いので女性かなって…だから声かけてみたのですが…。」


それに為心が答えた。


「ごめん…どっちも男なんだ。」

「あ!ご!ごめんなさいっ!てっきり女性の方なのかと勝手に…。」

「気にしないで。紛らわしい設定にしたのがいけないんだから。」


ちくびが口を開いた。


「でもたしかに鬼説(ここ)多いよね!」

「お二人は何故女性キャラを?」


先に為心が答えた。


「私は職業が美容師だから女性の方が得意だったんだ。」


そして、ちくびが答えた。


「俺は、可愛いアイドルが好きだから。」

「…。」


ちくびのその発言に2人はどう答えていいかわからなかった。
そして、押し出すように幼女が言葉を口にした。


「い…色々な理由がありますよね!?」


為心も苦笑いで言った。


「そ…そうだね!」

「あ!私、ユナって言います!!良かったらフレンド登録してください!」

「いいよ!私は為心!こっちは…」


為心は彼の名を呼びたくなかった。
それを察してちくびは自分で名乗った。


「あ…ちくびって言います。」

「…ちく…び…さん?…ユ…ユニークな名前ですね…。」

「あ!ユナちゃん!今、変な人って思ったでしょ!」

「いや!思わない方がおかしいですよ!」

「ユナちゃんの言う通り!」



その時、突如(とつじょ)として学院内にアナウンスが流れた。



「学院内中央広間にて時空の歪みを観測!!第1種戦闘配備!!学院の生徒は至急急行せよ。」



「今日も来ちゃったか…。」


アナウンスを聞き、為心はそう呟いた。
そして、ユナに向けて言葉を口にした。


「ユナちゃん私ら行かなきゃいけないからまた後でね!どっかでまた会おうね!」


その言葉にちくびが驚いた。


「えぇ!為心行くの!?」

「行くよ!会長も行くだろうし、怒られるよ?」

「わかったよ。じゃぁねユナちゃん!」



2人はフィールド移動専用コマンドを唱えた。



「飛行。」



そう口にした瞬間。
足元のコンクリートが弾け飛んだ。
2人の姿はそこには無く、弾け飛んだコンクリートは見る見るうちに修復されていき、空高々に2人は飛んでいた。
そして、残されたユナは届いていたメールに気づいた。


「中央広場に集合。」


参加していたクランからの要請連絡だった。


「私の初めての戦い………怖いな……でも…私は逃げないって決めた。」


ユナは勇気を振り絞り、クラン要請転送コマンドを使用し、その場を移動した。
その頃、為心達も座標に向かっていた。


「ダメだ…まだうちのクラン誰一人として現場に居ないや。転送使えねぇじゃんかよ。」


その言葉にちくびが返す。


「なら俺らもいかなくて大丈夫じゃない?」

「そうやってみんなが自己中だとずっとこのままだよ!行くだけ行く!やれる事はやる!それが大事!」



2人は空を飛行しながら会話を続けていた。



「はぁ…やっぱりいかなきゃダメかぁ。」



しかし、ちくびは言葉を漏らすばかりだった。



「でも毎回ランキング1位のノーネームさんがいるから、加勢するだけで大丈夫な気はするよ。」

「あの人って本当に化け物だよね。1人で大丈夫なんじゃ無い?」

「私もそう思う。…あ!ちくちゃん降下するよ!」

「はぁい!」



2人は降下の途中で鬼を目視で確認した。





「グヴァアァァァァアアアア!!!!」





石で出来た歪(いびつ)な装甲(そうこう)、隙間からは赤く輝く筋肉が見て伺(うかが)え、アンバランスな角を生やし、鋭く尖った爪、そして牙、長い尻尾を地面に叩きつけ、体が震えるほどの咆哮(ほうこう)を放っていた。



















「いや、めっちゃ怖!」

「だから来たくなかったんだよ。」




2人は着地と同時に一歩引いてしまった。

そして、周りには数十人の生徒が大きく円を描くように鬼を囲い、配置についていた。
その中で鬼の咆哮で震え、恐怖感に耐えられない1人の幼女が先走り、雄叫びを上げながら体に見合わない太刀を振りかざし、鬼に向かって走っていった。



『私がやらなきゃ!私がやらなきゃ!強くならなきゃ…このゲームを!…私がっ!終わらせる為にっ!』


「うぁぁぁぁぁあああああ!!!!」



凄まじい速度で駆ける幼女。
しかし、鬼もそれに気付き右手の長い爪をさらに伸ばして幼女めがけ振り下ろそうとしていた。



「ユナちゃんだっ!危ないっ!!」



ちくびがそう叫んだとほぼ同時だった。



「ちっ!閃光!!」



為心の姿が瞬間的に発光し、その場から消えた。
そして、鬼の爪が振り下ろされ、幼女に触れそうになった時、幼女の姿が消え、鬼より数メートル先に2人は移動していた。



「っ!?…マジかよ…一撃でこれかよ…。」


為心はユナの状況を確認し、叫んだ。


「誰かっ!魔氣(マギ)はいるかっ!?早くユナを回復してくれっ!!」


間一髪で回避できだと誰もが思っていたはずだった。
しかし、幼女の脇腹半分は無くなっていた。


「い…いやああああああああ!!!!!!」


周りから悲鳴が上がった。
そして、ふと気づくと為心に影が覆い被さり、振り向いた時には爪を振り上げた鬼がそこにはいた。


「っ!?…クッソっ!!!」








✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎








カーテンの隙間から入る日差しが部屋を明るく照らし、ワンルームのベットに横たわる男性が携帯を手に一言呟いた。



「やっとこの日が来たか。」



待ちに待っていたMMO RPGアプリケーション「鬼説(きせつ)」のリリース日だった。



「大まかなストーリーの予習しておこうかな。」



他国では既にリリースされ、ランキング1位を何ヶ月も記録し、大人気のアプリケーションゲームだった。

MMO RPG鬼説(きせつ)の大まかなストーリーとは、遥かなる歴史の中、世界を支配してきたのは鬼族(きぞく)だった。
長きにわたり君臨し続けてはいたが、人類の中にも自らの痕跡を残し、生存をしていた者達もいた。
そして、更に鬼族と対抗する事が出来る鬼と人間の間に生まれた者を鬼人(きじん)と呼び、鬼人は普通の人間よりも強大な力と自分だけの心魂(しんこん)を持っている。
彼らの最終的な使命は、鬼を殺し、人類を守ることだった。
そして、鬼人達にとって鬼血の比重が大きければ大きいほど、能力が強くなるが、しかし、その比重が50%を超えると、彼らは鬼になり、最終的には自分の意思を失ってしまい、鬼絶王の命令だけで動く「亜鬼人」(あぎと)になってしまう。
その為、鬼人を管理するべく学院が作られた。
訓練した生徒を任務に出し、鬼族から世界を守る物語りである。



「やっぱり面白そうだな。お!きたっ!時間だっ!ダウンロード!」



心が躍り、ダウンロードが終了した。


「えっと…役職?あ、武器か。」


そこには太刀、双剣、弓、杖が選べるようになっていた。


「どれも魅力的だな。」


陽刀(ようとう) 太刀使い。
炎系を自由に操ることができ、刀身に炎をまとい、防御力、攻撃力ともに高い、炎属性の役職。

双月(そうげつ) 双剣使い。
雷系を自由に操れ、体に雷をまとい、スピード、回避、攻撃力に特化した雷属性の役職。

皇矢(こうや) 弓使い。
風系を自由に操ることができ、矢に風を起こし、攻撃力を上げ、さらに操作でき、広範囲、遠距離からの攻撃に特化した風属性の役職。

魔氣(まぎ) 杖使い。
水系を自由に操ることができ、回復、増強、広範囲、サポートに特化した水属性の役職。



「うわ…悩むなぁ…でも…基本的にはプレイヤースキルが生きるフットワークが軽い役職が好きなんだよなぁ…なら……双月かな。」



役職が決まり、キャラクターメイキング設定へと移動した。



「キャラメイクか…えっ…と…幼女と、男児と、男性と、女性か……眉毛の形まで変えられるって細かいな…でも設定(これ)は美容師(わたし)には楽しいぞ。」



顔の形、髪型、腕の長さ、手足の大きさまでありとあらゆる設定が可能だった。



「やっぱり職業柄、男性より女性をデザインしてる方が楽しいもんな。女性で決まり。」



キャラメイクを終え、名前の選択へ移動した。



「名前か…たしか…学生時代にもし子供が女の子だったらって考えてた名前があったな……それで行くか。」



名前は為心(いさね)と記入され、ストーリーがスタートし、チュートリアルが始まった。



「スマホのゲームなのに凄いリアル!楽しい!」


その時、画面上でメールのアイコンが点滅していた。



「…ん?なんだこれ?」



ゲーム内でメールが届き、開いてみる。



『あなたは、助けを求める人がいたら助けますか?』



そう記されていた。



「ゲームの話かな?なんか、心理テスト的な?!」



男性は少し考えてから答えた。


「為心なら助ける人になってほしい!!」


イエスを選択し、次の質問が来る。



『あなたは何色が好きですか?』

「黒」

『あなたは今の現実に満足していますか?』

「ノー。」

『危険をおかしても大切な人を守り、助けたいと思いますか?』

「イエス」

『大切な人の為なら死ぬことは出来ますか?』

『イエス』

『承諾しました。』



「やべ…為心っぽくより自分の回答しちゃった…でも…なんだったんだ?これ?」



この時は何事もなくゲームは進んだ。


鬼説(ゲーム)を始めて数ヶ月が経ち、レベルもかなり上がった。
鬼説(きせつ)ではクラン機能が存在し、クラン名、結晶華(けっしょうか)に入り、沢山の仲間や友達もできた。
その中で1番仲のいい、双月の為心、魔氣のちくび、陽刀の佐藤、陽刀のリタ、皇矢のちゃま、の5人で今までより少し難易度が高い任務に出発し、鬼と戦ってる最中だった。



「やばい!吹っ飛ばされた!」



ゲーム内で、鬼の攻撃に飛ばされ、距離が空いてしまった。



「佐藤さんのところに向かってる!佐藤さん死んだら全滅するって!やばいっ!あともうちょいで倒せるのにっ!」



クランの中でも上位ランカーの男性キャラクター佐藤は全員のカバーに周り、HPゲージがレッドからバイオレットゾーンに染まり瀕死の状態だった。



「閃光!早く早く!」



スキル閃光のコマンドを何度も何度も入力した。
しかし、ゲーム画面が歪み、ラグが発生し、思うように操作できない状況に陥(おちい)った。



「こんな時にラグかよ!この距離ならギリ届くのに!助けないとやばいんだって!」



何度も何度もコマンドを入力する度に画面の歪みは増していく。


「なんで動かないんだよっ!」


更に画面は歪み、苛立(いらだ)ちに耐えられなかった。



「くそっ!どうなってんだよ!」



怒鳴り声を上げたその時だった。
画面が真っ白になり、直視出来ないほどの眩しい光へと変わり、光は部屋や全てを包み込んだ。






「うぉぉぉぁぁぁぁぁあああっ!!…………………え?」




自分がなぜか激声を発していることに気づいた。



「…………え?…………?」



その数秒後、背後で大きい岩が倒れる音がし、振り向いた。



「…………え?…これ………鬼?」



そして、クリアの文字が自分の視界に表示された。



「……なに…これ?……たしか…さっきまで…ゲームをしてたんだよな…それから……鬼が倒せなくて…光が……」



そして周りを確認する。
しかし、今の状況を確認するには情報量が多すぎた。



「これ為心になってるの…?……え?……ここ、ゲームの鬼説の世界なのか…?」



邪魔な長い白髪、聞き慣れない女性の声、女性の手と足、馴れない服装。
しかし、理解は早かった。
現実では小説、アニメ、漫画、至る所にこのような出来事は確かに存在した。



「……おい…嘘だろ…?…こんなことって…。」



心は追いついていない状況だった。



「……………そうだ!佐藤さん!…皆!無事か!?佐藤さん生きてるか!?」



一つ一つ情報を整理し、仲間の佐藤さんを思い出し、みんなの無事も確認した。



「為心!佐藤さんが回復しない!!」



魔氣を役職に持つ仲間のちくびが既に回復に入っていた。
為心はその場に走った。



「佐藤さん大丈夫か!?」

「な、なに....この....状況。」



そしてその時。
HP表示でグリーンからレッドゾーンまでしかなかった表示が瀕死を伝えるバイオレット色のHP表示が増えていることに気づき困惑した。
そして、バイオレットのHPは徐々に減り続けていた。



「…バイオレット色のHP?……佐藤さん!痛みはあるか?大丈夫か?」

「違和感はあるけど、痛みなのかな?…体は動かせない。」

「とりあえず、いろいろ試すしかない!アイテムボックス...これどうやって開くんだっ?!」



そう口にしつつ思考視点でコマンドウィンドウが開いた。
アイテムボックスのアイコンに視点誘導し、アイテムボックスが開く。
その間にも佐藤のHPは減っていく。



「為心!やばいよ!佐藤さん死んじゃう!!」



ちくびは焦りで叫けんだ。



「どうしたらいいのかわかんないんだよっ!こっちだって急いでる!赤生水(せきせいすい)ならっ…。」

「やばいよっ!早くっ!なんとかしてっ!」


鬼説(きせつ)での回復アイテム赤生水。
赤生水(その)使用コマンドを見つけたその時だった。



「みんな…なんか…ごめん。」



佐藤はその一言を残し、赤のポリゴンになって弾けて消えた。


「…うそ…。」


その場に沈黙が流れた。



「…。」



その状況の中ちくびが口を開いた。



「え…佐藤さん…本当に死んだ…?ねぇ…ねぇ…いさ…」

「わかるわけないだろっ!」



この状況を受け入れられなかった。
いや、信じたくはなかった。
そして、情報の処理が追いついていなかった。



「間に合わなかった…くっそ…。」



しかし、赤生水を使えば救えたのか、間に合えば助かったのか、それは誰にもわからなかった。


「……。」


また沈黙が続いた。
しかし、為心が気付いた。


「……ログアウト…ログアウトすれば元に戻れるんじゃないか!?」



為心がそう口にしつつログアウトコマンドを探す。
その時。


「…もう探した…なかったよ。」



小さい体に似合わない太刀(かたな)を肩にかけ、自分の洋装を楽しむかのように確認していたグレーの髪色で男児キャラクターのリタが答えた。











※リタのイメージ










ちくびはそれを見て口を開く。



「こんな状況なのに、リタくん楽しそうだね…。」

「だってジタバタしても仕方ないじゃん?…正直こういうの憧れてたし…それに佐藤さんが死んだとは限らないでしょ?」



その軽率な発言に、頭の後ろでポニーテールをした皇矢を持つ幼女キャラクターのちゃまが言葉をかけた。
















※ちゃまのイメージ









「こんな状況だからちゃんと話し合わないといけないんじゃないの?」

「……ちぇ…わかったよ…姉ちゃん。」


ちゃまは為心とちくびに向かって謝罪を入れた。


「…弟がごめん。」


それに為心が答えた。


「大丈夫だよ。リタの言うことも一理あるし…ただね…」


全員頭の整理でいっぱいだった。
そこからまた少し沈黙がつづき、そして為心が口を開く。



「ここで話しててもしょうがない。一旦学院に戻って結晶華のみんなと合流しよう。佐藤さんのことを会長に伝えないと。」



4人は転移をつかい移動した。







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