15 / 21
小さな約束
しおりを挟む
15 小さな約束
「はい…どうぞ。」
ドアが開くとそこには、
「突然お邪魔してすいません。」
神鳥 切は驚いた。
そこに居たのは妹の親友、黒駄 未沙だった。
「黒ちゃん!?どうしたの?…もう…ここに来て大丈夫なの?」
数日前の東北大震災の日。
❇︎ ❇︎ ❇︎
黒駄 未沙は神鳥 切に言われるがまま近くのマンションの屋上に居た。
遠くを見つめ、古里が海に消えていく様を眺めていた。
消えていく、育った地、思い出の地、大切な地、全てが簡単に海に飲み込まれていく。
「…。」
そして、黒駄 未沙は数分前の出来事が脳裏に焼き付いていた。
「あ…プーちゃん…。」
言葉を発した神鳥 美撫が驚きの表情と青ざめた様な顔で逃げ行く人込みの中を家に向かって急に走り出し、その兄である神鳥 切は、
「黒ちゃん高いところに避難して!ここは海から近い!もしかしたら本当に死ぬかもしれない!あそこのマンションなら多分大丈夫だから!俺は美撫を追いかける!!」
そう言って神鳥 美撫を追いかけて行った2人の背中が頭から離れなかった。
嫌なイメージだけが黒駄 未沙を襲っていた。
あの時、2人をなんとしてでも止めるべきであったと、自分自身が嫌われようが、憎まれようが、恨まれようが、大切な親友と、大好きな親友の兄、神鳥 切をなんとしてでも引き止めるべきであったと。
黒駄 未沙は心から後悔していた。
「…え…人…?…嘘…?」
その時だった。
屋上から眺めていた先に流されているボートがあった。そして、2人がいるのを発見した。
黒駄 未沙は親友の神鳥 美撫とその兄である神鳥 切が生きて帰ってきてくれた事に喜んだ。
「帰ってきた!無事に2人が帰ってきた!よかったっ!」
本当に嬉しかった。
心が安堵した。
地震の規模がかなり大きかった為に、予想外の津波に黒駄 未沙は2人を心配していた。
最悪の場合も考えていた為、心苦しさが胸一杯に膨らんでいたが、2人は帰ってきた。
嬉しさのあまり黒駄 未沙は大声を上げた。
「みぃなぁーーっ!おにぃさぁーん!」
自分はここにいるよ。2人ともおかえり。と伝えたかったのだ。
すると屋上にいた街の大人たちの1人が、
「やばいぞっ!あのままだとこのマンションにぶつかる!早く助けに行かないとっ!」
「え?」
「追突した衝撃で海に投げ飛ばされるって言ってんだっ!急げ!」
そう言って大人たち数人は階段を使い、下に降りて行った。
黒田 みさは生きていた2人を見つけ、安心し、肩を撫で下ろしていたが、まだ2人の危険は続いていた事に改めて気づく。
そして黒駄 未沙も全速力で階段を駆け降りた。
3階フロアに着く途中に衝撃音が耳に入ったが、おそらく、ボートがマンションにぶつかった音だと直ぐに理解した。
黒駄 未沙は焦った。2人は無事ではない可能性を否定できなかったからだ。
そうして3階フロアに着いた時。
目の前では。
「…やめろ…ダメだ…離れちゃっダメだっ!やめろっ!ここまで来てっ!…そんなのってっ!…あっ!…あぁ…や…やぁめぇろぉぉぉぉ!」
その場から続く通路の奥で神鳥 切だけが塀の外に体を半分出し、荒れ狂い叫んでいるのが見えた。
黒田 みさは瞬時に理解した。
きっとあの塀の向こう側に親友の神鳥 美撫が兄の神鳥 切と腕一本で繋げられているのだと。
直ぐに全速力で走り出した。
『お願いっ!間に合ってっ!』
「やだっ!死にたくないっ!待ってお兄ちゃんっ!嫌だっ!嫌だよっ!お兄ちゃんっ!お兄ぢゃんっ!おに……」
急に神鳥 美撫の声が聞こえなくなった。
「みぃな゛ぁぁぁあ!!!」
神鳥 切の叫び声が聞こえた瞬間、黒駄 未沙も理解してしまった。
「…い…いっ…やぁぁぁぁあああ!!!」
間に合わなかった。
目の前の現状を受け止められず、悲鳴をあげた。
そして、親友は海に落ち流されながら。
「お…にうぐ、ちゃぁぁん!!」
必死に助けを求めていた。
それを目撃してしまった黒駄 未沙は
「…あっ…ぁあっ…。」
あまりの衝撃に耐えきれず、その場に崩れるように倒れ、気絶した。
❇︎ ❇︎ ❇︎
まだあれから数日しか経っていない。
それなのに、黒駄 未沙はここへ来た。
「…いえ…本当はまだ実感がなく……え…?美撫…。」
そして、黒駄 未沙は神鳥 美撫を目視し、驚いた。
まるで一瞬、時が停まったかの様だった。
口に手を当て、言葉を失い、自然と涙が溢れ落ちた。
「き…綺麗…。」
「東京の美容師さんに、たまたま頼める機会があって…美撫が喜んでくれたらなって…思ったんだ…。綺麗だよね…今にでも目を開けそうなのに…眠ったままなんて…嘘みたいだよね…。」
冷たい空気が流れた。押し潰されそうな空気に抗うかの様に、黒駄 未沙は泣きながら言葉を続けた。
「あっあのっ!…今日は…私…どうしても…お兄さんに…伝えておかなければならない事を…言いに…ここまで来たんです…。」
「伝えたい…こと?」
「美撫は…私にずっと…自分の夢を語っていました。お兄さんは凄い人なんだと。」
「え…?美撫…が?」
❇︎ ❇︎ ❇︎
「すごーい!それ、本当にお兄さんが切ったの?」
黒駄 未沙が物珍しそうに神鳥 美撫の髪型を見て、そう呟いた。
「そうだよ!凄いよね!?私もびっくりしちゃった!」
2人は学校が休みの日を使い、カフェで神鳥 美撫の兄である神鳥 切が髪を切った話に驚き合っていた。
「でも何でまた急に髪なんか?」
黒駄 未沙は素朴な疑問を感じた。
「美容室代を自分のお小遣いにしたかったみたいよ?」
「何それー!笑っちゃう!」
「本当に笑っちゃうよね!…でも…。」
「でも?」
「普通はそんな事で髪なんて切れるようになれるはずがないんだよね…。」
「え?どういう意味?」
黒駄 未沙は神鳥 美撫の言葉が理解出来なかった。
現に、目の前にはもう既に神鳥 切が切った髪型が存在するからだ。
「私もね、美容師になりたいから色々と調べたの。そしたらさ。美容師になるまで下積みでアシスタントを3年から長くて7年もするんだって。しかも、その中でもカットの練習が1番難しいのに、カットの事を何も知らない、ど素人のあの人はそれをたったの2ヶ月で出来ちゃったんだよ?信じられない。」
「それが本当なら…お兄さんって…。」
「うん。多分才能があるんだと思うんだよね。…でも才能は才能でも、きっと努力の才能なんだと思う。指の絆創膏かなり酷かったから。」
「そうなんだ。」
「でも、努力無しで才能に恵まれるのも羨ましいけど、努力する才能があるお兄ちゃんは本当に凄いと思う。…その1つの目標、いや、必ず成し遂げたい目標にゼロから成し遂げてしまう才能が本当に凄いなって思うんだよね。そして…とてもかっこいい。」
神鳥 美撫はまるで恋する乙女かの様に頬を照らした。
「なんか…お兄さんかっこよくて…それに意外と可愛いね。」
黒駄 未沙は神鳥 切の意外な一面を見た。
「そうでしょー?私もそう思うの!それに…」
さらに神鳥 美撫は言葉を続けた。
「私…結構嬉しいんだ。私が夢に見る美容師に大好きなお兄ちゃんが美容師になってくれたらいいなって本当に思うんだけどね。」
神鳥 美撫はさっきとは違う何処か遠くを見て寂しそうにそう呟いた。
「その言い方だとお兄さん美容師にならないの?」
「うん。ならないみたい。一時期は色々と調べてたみたいだけど、それももう無くなっちゃった。多分理想と違ったんだと思う。」
「そう…なんだ…。美撫は残念?」
「すっごく残念!だから…私が美容師になって…髪を切ってくれる事がこんなにも嬉しくて、そして、凄くいい世界だって私がお兄ちゃんに教えてあげるんだ。」
その時、黒駄 未沙は、その言葉を発した神鳥 美撫が
何処か輝いていて、そして、凄く大人に見えた。
❇︎ ❇︎ ❇︎
「美撫は…美撫はっ…お兄さんが…美容師になる事を……望んでいたんです。」
「…え…?」
「だから…美撫はいつも…才能がある。お兄さんが美容師を諦めてしまった事に…。」
「ずっと…怒ってたって事か…。」
「…はい…。」
妹は、神鳥 切が美容師に成る事を恨む事など、ましてや、許す許さないなど、悩む事など、初めから関係なかったのだ。
どんな時でも兄を思い、評価をし、神鳥 切が知らないところで、妹との神鳥 美撫は兄を支えていた。
黒駄 未沙はそれを伝えに来なければならなかったのだ。
きっと、兄である神鳥 切は悔やんでいるだろう。
後悔しているのだろう。
きっと、前に進めていないだろうと思い、神鳥 美撫の意思や、願いを、伝えなければならないと意を決してこの場所へとおもむいたのだ。
「…俺は…そんなことも知らずに…。」
神鳥 切は決意の眼差しで、
「…黒ちゃんの前で…美撫に…誓うよ…。俺…本気で…美容師に…なる。」
その言葉を発した瞬間、風が吹き、茜色の夕陽が神鳥 切を照らし、その光景は一瞬、時が停まったかの様だった。
❇︎ ❇︎ ❇︎
「俺が…美容師になるのは…もう目覚めないかもしれない…妹と約束したからなんだ。」
「はい…どうぞ。」
ドアが開くとそこには、
「突然お邪魔してすいません。」
神鳥 切は驚いた。
そこに居たのは妹の親友、黒駄 未沙だった。
「黒ちゃん!?どうしたの?…もう…ここに来て大丈夫なの?」
数日前の東北大震災の日。
❇︎ ❇︎ ❇︎
黒駄 未沙は神鳥 切に言われるがまま近くのマンションの屋上に居た。
遠くを見つめ、古里が海に消えていく様を眺めていた。
消えていく、育った地、思い出の地、大切な地、全てが簡単に海に飲み込まれていく。
「…。」
そして、黒駄 未沙は数分前の出来事が脳裏に焼き付いていた。
「あ…プーちゃん…。」
言葉を発した神鳥 美撫が驚きの表情と青ざめた様な顔で逃げ行く人込みの中を家に向かって急に走り出し、その兄である神鳥 切は、
「黒ちゃん高いところに避難して!ここは海から近い!もしかしたら本当に死ぬかもしれない!あそこのマンションなら多分大丈夫だから!俺は美撫を追いかける!!」
そう言って神鳥 美撫を追いかけて行った2人の背中が頭から離れなかった。
嫌なイメージだけが黒駄 未沙を襲っていた。
あの時、2人をなんとしてでも止めるべきであったと、自分自身が嫌われようが、憎まれようが、恨まれようが、大切な親友と、大好きな親友の兄、神鳥 切をなんとしてでも引き止めるべきであったと。
黒駄 未沙は心から後悔していた。
「…え…人…?…嘘…?」
その時だった。
屋上から眺めていた先に流されているボートがあった。そして、2人がいるのを発見した。
黒駄 未沙は親友の神鳥 美撫とその兄である神鳥 切が生きて帰ってきてくれた事に喜んだ。
「帰ってきた!無事に2人が帰ってきた!よかったっ!」
本当に嬉しかった。
心が安堵した。
地震の規模がかなり大きかった為に、予想外の津波に黒駄 未沙は2人を心配していた。
最悪の場合も考えていた為、心苦しさが胸一杯に膨らんでいたが、2人は帰ってきた。
嬉しさのあまり黒駄 未沙は大声を上げた。
「みぃなぁーーっ!おにぃさぁーん!」
自分はここにいるよ。2人ともおかえり。と伝えたかったのだ。
すると屋上にいた街の大人たちの1人が、
「やばいぞっ!あのままだとこのマンションにぶつかる!早く助けに行かないとっ!」
「え?」
「追突した衝撃で海に投げ飛ばされるって言ってんだっ!急げ!」
そう言って大人たち数人は階段を使い、下に降りて行った。
黒田 みさは生きていた2人を見つけ、安心し、肩を撫で下ろしていたが、まだ2人の危険は続いていた事に改めて気づく。
そして黒駄 未沙も全速力で階段を駆け降りた。
3階フロアに着く途中に衝撃音が耳に入ったが、おそらく、ボートがマンションにぶつかった音だと直ぐに理解した。
黒駄 未沙は焦った。2人は無事ではない可能性を否定できなかったからだ。
そうして3階フロアに着いた時。
目の前では。
「…やめろ…ダメだ…離れちゃっダメだっ!やめろっ!ここまで来てっ!…そんなのってっ!…あっ!…あぁ…や…やぁめぇろぉぉぉぉ!」
その場から続く通路の奥で神鳥 切だけが塀の外に体を半分出し、荒れ狂い叫んでいるのが見えた。
黒田 みさは瞬時に理解した。
きっとあの塀の向こう側に親友の神鳥 美撫が兄の神鳥 切と腕一本で繋げられているのだと。
直ぐに全速力で走り出した。
『お願いっ!間に合ってっ!』
「やだっ!死にたくないっ!待ってお兄ちゃんっ!嫌だっ!嫌だよっ!お兄ちゃんっ!お兄ぢゃんっ!おに……」
急に神鳥 美撫の声が聞こえなくなった。
「みぃな゛ぁぁぁあ!!!」
神鳥 切の叫び声が聞こえた瞬間、黒駄 未沙も理解してしまった。
「…い…いっ…やぁぁぁぁあああ!!!」
間に合わなかった。
目の前の現状を受け止められず、悲鳴をあげた。
そして、親友は海に落ち流されながら。
「お…にうぐ、ちゃぁぁん!!」
必死に助けを求めていた。
それを目撃してしまった黒駄 未沙は
「…あっ…ぁあっ…。」
あまりの衝撃に耐えきれず、その場に崩れるように倒れ、気絶した。
❇︎ ❇︎ ❇︎
まだあれから数日しか経っていない。
それなのに、黒駄 未沙はここへ来た。
「…いえ…本当はまだ実感がなく……え…?美撫…。」
そして、黒駄 未沙は神鳥 美撫を目視し、驚いた。
まるで一瞬、時が停まったかの様だった。
口に手を当て、言葉を失い、自然と涙が溢れ落ちた。
「き…綺麗…。」
「東京の美容師さんに、たまたま頼める機会があって…美撫が喜んでくれたらなって…思ったんだ…。綺麗だよね…今にでも目を開けそうなのに…眠ったままなんて…嘘みたいだよね…。」
冷たい空気が流れた。押し潰されそうな空気に抗うかの様に、黒駄 未沙は泣きながら言葉を続けた。
「あっあのっ!…今日は…私…どうしても…お兄さんに…伝えておかなければならない事を…言いに…ここまで来たんです…。」
「伝えたい…こと?」
「美撫は…私にずっと…自分の夢を語っていました。お兄さんは凄い人なんだと。」
「え…?美撫…が?」
❇︎ ❇︎ ❇︎
「すごーい!それ、本当にお兄さんが切ったの?」
黒駄 未沙が物珍しそうに神鳥 美撫の髪型を見て、そう呟いた。
「そうだよ!凄いよね!?私もびっくりしちゃった!」
2人は学校が休みの日を使い、カフェで神鳥 美撫の兄である神鳥 切が髪を切った話に驚き合っていた。
「でも何でまた急に髪なんか?」
黒駄 未沙は素朴な疑問を感じた。
「美容室代を自分のお小遣いにしたかったみたいよ?」
「何それー!笑っちゃう!」
「本当に笑っちゃうよね!…でも…。」
「でも?」
「普通はそんな事で髪なんて切れるようになれるはずがないんだよね…。」
「え?どういう意味?」
黒駄 未沙は神鳥 美撫の言葉が理解出来なかった。
現に、目の前にはもう既に神鳥 切が切った髪型が存在するからだ。
「私もね、美容師になりたいから色々と調べたの。そしたらさ。美容師になるまで下積みでアシスタントを3年から長くて7年もするんだって。しかも、その中でもカットの練習が1番難しいのに、カットの事を何も知らない、ど素人のあの人はそれをたったの2ヶ月で出来ちゃったんだよ?信じられない。」
「それが本当なら…お兄さんって…。」
「うん。多分才能があるんだと思うんだよね。…でも才能は才能でも、きっと努力の才能なんだと思う。指の絆創膏かなり酷かったから。」
「そうなんだ。」
「でも、努力無しで才能に恵まれるのも羨ましいけど、努力する才能があるお兄ちゃんは本当に凄いと思う。…その1つの目標、いや、必ず成し遂げたい目標にゼロから成し遂げてしまう才能が本当に凄いなって思うんだよね。そして…とてもかっこいい。」
神鳥 美撫はまるで恋する乙女かの様に頬を照らした。
「なんか…お兄さんかっこよくて…それに意外と可愛いね。」
黒駄 未沙は神鳥 切の意外な一面を見た。
「そうでしょー?私もそう思うの!それに…」
さらに神鳥 美撫は言葉を続けた。
「私…結構嬉しいんだ。私が夢に見る美容師に大好きなお兄ちゃんが美容師になってくれたらいいなって本当に思うんだけどね。」
神鳥 美撫はさっきとは違う何処か遠くを見て寂しそうにそう呟いた。
「その言い方だとお兄さん美容師にならないの?」
「うん。ならないみたい。一時期は色々と調べてたみたいだけど、それももう無くなっちゃった。多分理想と違ったんだと思う。」
「そう…なんだ…。美撫は残念?」
「すっごく残念!だから…私が美容師になって…髪を切ってくれる事がこんなにも嬉しくて、そして、凄くいい世界だって私がお兄ちゃんに教えてあげるんだ。」
その時、黒駄 未沙は、その言葉を発した神鳥 美撫が
何処か輝いていて、そして、凄く大人に見えた。
❇︎ ❇︎ ❇︎
「美撫は…美撫はっ…お兄さんが…美容師になる事を……望んでいたんです。」
「…え…?」
「だから…美撫はいつも…才能がある。お兄さんが美容師を諦めてしまった事に…。」
「ずっと…怒ってたって事か…。」
「…はい…。」
妹は、神鳥 切が美容師に成る事を恨む事など、ましてや、許す許さないなど、悩む事など、初めから関係なかったのだ。
どんな時でも兄を思い、評価をし、神鳥 切が知らないところで、妹との神鳥 美撫は兄を支えていた。
黒駄 未沙はそれを伝えに来なければならなかったのだ。
きっと、兄である神鳥 切は悔やんでいるだろう。
後悔しているのだろう。
きっと、前に進めていないだろうと思い、神鳥 美撫の意思や、願いを、伝えなければならないと意を決してこの場所へとおもむいたのだ。
「…俺は…そんなことも知らずに…。」
神鳥 切は決意の眼差しで、
「…黒ちゃんの前で…美撫に…誓うよ…。俺…本気で…美容師に…なる。」
その言葉を発した瞬間、風が吹き、茜色の夕陽が神鳥 切を照らし、その光景は一瞬、時が停まったかの様だった。
❇︎ ❇︎ ❇︎
「俺が…美容師になるのは…もう目覚めないかもしれない…妹と約束したからなんだ。」
0
あなたにおすすめの小説
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
妹の仇 兄の復讐
MisakiNonagase
青春
神奈川県の海に近い住宅街。夏の終わりが、夕焼けに溶けていく季節だった。
僕、孝之は高校三年生、十七歳。妹の茜は十五歳、高校一年生。父と母との四人暮らし。ごく普通の家庭で、僕と茜は、ブラコンやシスコンと騒がれるほどではないが、それなりに仲の良い兄妹だった。茜は少し内気で、真面目な顔をしているが、家族の前ではよく笑う。特に、幼馴染で僕の交際相手でもある佑香が来ると、姉のように慕って明るくなる。
その平穏が、ほんの些細な噂によって、静かに、しかし深く切り裂かれようとは、その時はまだ知らなかった。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる