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バトル祭2回戦 過去からの因
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20 バトル祭2回戦 過去からの因
UBSはバトル祭2回戦の為、賑わう中、神鳥 切、須堂 恵、千場 流の3人は1階ロビーから地下1階会場を眺めていた。
「恵?コンディションどう?」
神鳥 切が須堂 恵の心配をした。
「んー完璧と言えば嘘になるかな?でも、多壊さんのおかげで混乱は無くなった。多分今まで自分が出来るっておごってたのかもしれない。恥ずかしい話だよ。」
「でも自分を見つめ直せたってことだろ?俺らじゃその道を正してやることもできなかった。それに自分に見合った技術がわかってできるってそれはそれで凄いことだよね。」
神鳥 切は改めて須堂 恵の現状の凄さを確認した。
「もうヘマすんじゃねぇぞ!」
隣にいた千場 流が須堂 恵に拳を突き出した。
「悪かったな流。」
そして拳と拳を合わせ微笑み合った。
きっと2人にはそれ以上言葉はいらなかったのだ。
「俺らAブロックだから今日は後半戦だね。…ようやくあいつらが見れる。」
神鳥 切がもうすでに今日のプログラムを確認してきていた。
「噂だとあいつら相当強いと評判らしいぜ!」
千場 流がそう口にし。
「じゃー前半は敵状視察だな。…あいつらの戦う相手は強いのか?」
須堂 恵は敵状視察ができるほどの相手なのかどうかを神鳥 切に聞いてきた。
「…それが…上条なんだよね…。」
神鳥 切が苦笑いした。
「「え゛!?」」
須堂 恵、千場 流の声が重なった。
そして、3人は待つ。
まだ見ぬ人物。
双葉 沙切(フタバ サキ)が現れるのを。
「まさか、双葉チームと上条チームがあたるとはね…。実際上条ってどうなの?…切は席隣だろ?レベルはどんな感じだった?」
須堂 恵が素朴な疑問を神鳥 切に聞いてきた。
「それが…感性の広げ方はどうかわからないが、カットの技術に関して言えば正確さはずば抜けてると思う。」
「なるほどねぇ。性格のわりに繊細なんだねぇ。」
「それってちょっと悪口入ってるよね?」
須堂 恵の言葉の意味を神鳥 切は冷静に読み取った。
「あ…ばれた?」
「うん。」
すると、会場をずっと眺め、宿敵の浦桐 啓多を探していた千場 流が。
「見つけた!!浦桐の野郎だ!!」
千場 流の指さす方向に浦桐 啓多、そしてその後に引き続き、相鐘 拓斗も居た。
さらに後ろに…
「あれが…双葉 沙切…。」
浦桐 啓多そして相鐘 拓斗より背が低く、真っ黒な髪に二つ結びのツインテールをし、少し気品さがある女性を見つけ須堂 恵が呟いた。
「一体どんなカットをするんだろう。」
そう呟き終わると双葉 沙切もこちらの視線に気づき、不敵な笑みを浮かべた。
ここへきて初めて須堂 恵と双葉 沙切はお互いを認識した。
「俺…あいつ苦手そうだわ…。」
須堂 恵がそう言った。
「どういう事?」
神鳥 切が疑問に思い聞き返す。
「普通バトル意識してる奴に笑わないよねぇ。」
「あぁ、なるほどね。」
そう普通なら。だが、それは双葉 沙切が普通ではないということに他ならない。
バトル祭の行く末で闘うであろう相手に敵意では無く不敵の印象だったからだ。
須堂 恵は双葉 沙切の笑みからその部分を読み取った。
「あ、明だ。」
神鳥 切が会場に向かう途中の上条 明を見つけた。
「よっ!切!」
上条 明も神鳥 切に気づきこちら側へ足を向ける。
「次の対戦相手は強いって評判らしいんだけど大丈夫?」
神鳥 切は上条 明の心配をしていた。
「そうだね。もうその噂で持ちきりだよ。でも私はそんなの気にしない。全力でぶつかるだけだもん!」
上条 明らしいといえばらしい。だが、神鳥 切はその言葉を期待していた。
何故なら、上条 明の性格は何処か妹に似ていたからだ。
「頑張れよ。」
「もちろん!誰に言ってんのよ。」
「確かに。」
2人は微笑みあった。
すると、横から。
「何いい感じになってんのぉ?」
千場 流がニヤニヤしながら入ってきた。
「いやっ!…そ、そう言うわけじゃ無いんだからっ!このバカっ!もう行くっ!」
そう言って何故か上条 明が頬を赤く染め、その場から立ち去った。
残された3人は頭にハテナを出しながらも上条 明を見送った。
すると後ろから男性の声がかかった。
「おーいっ!」
神鳥 切が振り返るとそこには。
「「え!?よっ陽さん!?」」
須堂 恵と神鳥 切の声が重なった。
2人の反応見て多壊 陽は。
「え?来ちゃダメだった?2人を応援しようと思って来たんだけど…。」
「いやっ!そ、そう言うわけではなくて…。」
神鳥 切が慌てる中。
「いやー!懐かしいなここ。何も変わってない。」
多壊 陽のその言葉に須堂 恵と神鳥 切は。
「あっ!陽さんここの卒業生ですよね?」
須堂 恵が言葉を発した。
「そうだよ!あれ?俺それ教えたっけ?」
「実は…。」
須堂 恵と神鳥 切は多壊 陽のセンシビリティの観戦の話をした。
「それは恥ずかしい所を見られてたね。」
多壊 陽は笑ってそう言った。
「え?多壊 陽ってあのセンシビリティで主将抜きで3位取ったあの多壊 陽さん!?」
横から千場 流が驚いていた。
「え?流 知ってんの?」
須堂 恵が聞き返した。
「知ってるも何も俺がUBSに入学した理由は多壊 陽さんがいたチームをセンシビリティで見て入学したんだもん!」
「お前もあのセンシビリティに居たのか!?」
「そうだよ。」
須堂 恵と千場 流の会話が続く中多壊 陽がそれを止めた。
「恥ずかしいからその辺にしてくれぇ。」
多壊 陽は笑ってそう言った。
それを見ていた神鳥 切はあの会場に千場 流が居て、更にUBSに入学した理由が多壊 陽のチームのバトルに影響された事に深く喜びを覚えた。
あの壮絶な空間を知っている。
あの結末を知っている。
あの涙を知っている。
あの感情を知っている。
あの想いを知っている。
それがたまらなく嬉しかった。
千場 流は成るべくしてこのチームに入ったに違いない。そう信じてしまうほど目の前の光景をみて神鳥 切は微笑んだ。
「これよりバトル祭を開始します。選手の皆様は準備をお願いします。」
放送が流れた。
「お!始まるのか!切くんたちはBブロックでしょ?Aブロックの見ものはどれ?」
多壊 陽が楽しそうに聞いてる。
「僕らがこれから観戦するバトルはあそこです。」
神鳥 切は指をさした。
「さっきの赤毛の子か。友達のバトルって事?」
「まぁ、それもあるんですけど、今回は対戦相手をしっかり見たくて。」
神鳥 切は今までの経緯を話した。
学園では須堂 恵が有名な事。
千場 流が既に負けた事。
相鐘財閥の相鐘 拓斗がチームにいる事。
敵意を向けられている事。
「へぇー恵くんが学園で有名ね。なるほど、敵状視察ってことね。確かに謎が多くて相当ヤバそうな相手だね。」
それと同時に多壊 陽は前にウィッグを切らせた時の2人のレベルに驚いた事を思い出した。
学園に入学してからの成長ではなく、才能では片付けられない物。
楽しい学生時代を引き換えに身につけた過去の重さが垣間見えた気がした。
そして、この子達に置ける信念や、目標が測りきれない物なのではないか、そんな気さえしていた。
「そうか。とりあえずどんなもんか見物ですね。」
多壊 陽が呟き、会場に目を落とすと赤髪の上条 明と黒髮のツインテールの双葉 沙切が会話をしていた。
すると、双葉 沙切がこちらに目を向けた。
「恵くん見られてるよ。手でも振ってあげたら?」
多壊 陽は冗談を言う。
「やめてくださいよ。俺多分あの人苦手なんすから。」
そして、アナウンスが流れた。
『それでは!united beauty schoolバトル祭を開始します!皆さん準備はよろしいですか?…それでは…スタート!!』
スタートのブザー音と共に音楽が流れ、バトル祭は一斉に始まった。
UBSはバトル祭2回戦の為、賑わう中、神鳥 切、須堂 恵、千場 流の3人は1階ロビーから地下1階会場を眺めていた。
「恵?コンディションどう?」
神鳥 切が須堂 恵の心配をした。
「んー完璧と言えば嘘になるかな?でも、多壊さんのおかげで混乱は無くなった。多分今まで自分が出来るっておごってたのかもしれない。恥ずかしい話だよ。」
「でも自分を見つめ直せたってことだろ?俺らじゃその道を正してやることもできなかった。それに自分に見合った技術がわかってできるってそれはそれで凄いことだよね。」
神鳥 切は改めて須堂 恵の現状の凄さを確認した。
「もうヘマすんじゃねぇぞ!」
隣にいた千場 流が須堂 恵に拳を突き出した。
「悪かったな流。」
そして拳と拳を合わせ微笑み合った。
きっと2人にはそれ以上言葉はいらなかったのだ。
「俺らAブロックだから今日は後半戦だね。…ようやくあいつらが見れる。」
神鳥 切がもうすでに今日のプログラムを確認してきていた。
「噂だとあいつら相当強いと評判らしいぜ!」
千場 流がそう口にし。
「じゃー前半は敵状視察だな。…あいつらの戦う相手は強いのか?」
須堂 恵は敵状視察ができるほどの相手なのかどうかを神鳥 切に聞いてきた。
「…それが…上条なんだよね…。」
神鳥 切が苦笑いした。
「「え゛!?」」
須堂 恵、千場 流の声が重なった。
そして、3人は待つ。
まだ見ぬ人物。
双葉 沙切(フタバ サキ)が現れるのを。
「まさか、双葉チームと上条チームがあたるとはね…。実際上条ってどうなの?…切は席隣だろ?レベルはどんな感じだった?」
須堂 恵が素朴な疑問を神鳥 切に聞いてきた。
「それが…感性の広げ方はどうかわからないが、カットの技術に関して言えば正確さはずば抜けてると思う。」
「なるほどねぇ。性格のわりに繊細なんだねぇ。」
「それってちょっと悪口入ってるよね?」
須堂 恵の言葉の意味を神鳥 切は冷静に読み取った。
「あ…ばれた?」
「うん。」
すると、会場をずっと眺め、宿敵の浦桐 啓多を探していた千場 流が。
「見つけた!!浦桐の野郎だ!!」
千場 流の指さす方向に浦桐 啓多、そしてその後に引き続き、相鐘 拓斗も居た。
さらに後ろに…
「あれが…双葉 沙切…。」
浦桐 啓多そして相鐘 拓斗より背が低く、真っ黒な髪に二つ結びのツインテールをし、少し気品さがある女性を見つけ須堂 恵が呟いた。
「一体どんなカットをするんだろう。」
そう呟き終わると双葉 沙切もこちらの視線に気づき、不敵な笑みを浮かべた。
ここへきて初めて須堂 恵と双葉 沙切はお互いを認識した。
「俺…あいつ苦手そうだわ…。」
須堂 恵がそう言った。
「どういう事?」
神鳥 切が疑問に思い聞き返す。
「普通バトル意識してる奴に笑わないよねぇ。」
「あぁ、なるほどね。」
そう普通なら。だが、それは双葉 沙切が普通ではないということに他ならない。
バトル祭の行く末で闘うであろう相手に敵意では無く不敵の印象だったからだ。
須堂 恵は双葉 沙切の笑みからその部分を読み取った。
「あ、明だ。」
神鳥 切が会場に向かう途中の上条 明を見つけた。
「よっ!切!」
上条 明も神鳥 切に気づきこちら側へ足を向ける。
「次の対戦相手は強いって評判らしいんだけど大丈夫?」
神鳥 切は上条 明の心配をしていた。
「そうだね。もうその噂で持ちきりだよ。でも私はそんなの気にしない。全力でぶつかるだけだもん!」
上条 明らしいといえばらしい。だが、神鳥 切はその言葉を期待していた。
何故なら、上条 明の性格は何処か妹に似ていたからだ。
「頑張れよ。」
「もちろん!誰に言ってんのよ。」
「確かに。」
2人は微笑みあった。
すると、横から。
「何いい感じになってんのぉ?」
千場 流がニヤニヤしながら入ってきた。
「いやっ!…そ、そう言うわけじゃ無いんだからっ!このバカっ!もう行くっ!」
そう言って何故か上条 明が頬を赤く染め、その場から立ち去った。
残された3人は頭にハテナを出しながらも上条 明を見送った。
すると後ろから男性の声がかかった。
「おーいっ!」
神鳥 切が振り返るとそこには。
「「え!?よっ陽さん!?」」
須堂 恵と神鳥 切の声が重なった。
2人の反応見て多壊 陽は。
「え?来ちゃダメだった?2人を応援しようと思って来たんだけど…。」
「いやっ!そ、そう言うわけではなくて…。」
神鳥 切が慌てる中。
「いやー!懐かしいなここ。何も変わってない。」
多壊 陽のその言葉に須堂 恵と神鳥 切は。
「あっ!陽さんここの卒業生ですよね?」
須堂 恵が言葉を発した。
「そうだよ!あれ?俺それ教えたっけ?」
「実は…。」
須堂 恵と神鳥 切は多壊 陽のセンシビリティの観戦の話をした。
「それは恥ずかしい所を見られてたね。」
多壊 陽は笑ってそう言った。
「え?多壊 陽ってあのセンシビリティで主将抜きで3位取ったあの多壊 陽さん!?」
横から千場 流が驚いていた。
「え?流 知ってんの?」
須堂 恵が聞き返した。
「知ってるも何も俺がUBSに入学した理由は多壊 陽さんがいたチームをセンシビリティで見て入学したんだもん!」
「お前もあのセンシビリティに居たのか!?」
「そうだよ。」
須堂 恵と千場 流の会話が続く中多壊 陽がそれを止めた。
「恥ずかしいからその辺にしてくれぇ。」
多壊 陽は笑ってそう言った。
それを見ていた神鳥 切はあの会場に千場 流が居て、更にUBSに入学した理由が多壊 陽のチームのバトルに影響された事に深く喜びを覚えた。
あの壮絶な空間を知っている。
あの結末を知っている。
あの涙を知っている。
あの感情を知っている。
あの想いを知っている。
それがたまらなく嬉しかった。
千場 流は成るべくしてこのチームに入ったに違いない。そう信じてしまうほど目の前の光景をみて神鳥 切は微笑んだ。
「これよりバトル祭を開始します。選手の皆様は準備をお願いします。」
放送が流れた。
「お!始まるのか!切くんたちはBブロックでしょ?Aブロックの見ものはどれ?」
多壊 陽が楽しそうに聞いてる。
「僕らがこれから観戦するバトルはあそこです。」
神鳥 切は指をさした。
「さっきの赤毛の子か。友達のバトルって事?」
「まぁ、それもあるんですけど、今回は対戦相手をしっかり見たくて。」
神鳥 切は今までの経緯を話した。
学園では須堂 恵が有名な事。
千場 流が既に負けた事。
相鐘財閥の相鐘 拓斗がチームにいる事。
敵意を向けられている事。
「へぇー恵くんが学園で有名ね。なるほど、敵状視察ってことね。確かに謎が多くて相当ヤバそうな相手だね。」
それと同時に多壊 陽は前にウィッグを切らせた時の2人のレベルに驚いた事を思い出した。
学園に入学してからの成長ではなく、才能では片付けられない物。
楽しい学生時代を引き換えに身につけた過去の重さが垣間見えた気がした。
そして、この子達に置ける信念や、目標が測りきれない物なのではないか、そんな気さえしていた。
「そうか。とりあえずどんなもんか見物ですね。」
多壊 陽が呟き、会場に目を落とすと赤髪の上条 明と黒髮のツインテールの双葉 沙切が会話をしていた。
すると、双葉 沙切がこちらに目を向けた。
「恵くん見られてるよ。手でも振ってあげたら?」
多壊 陽は冗談を言う。
「やめてくださいよ。俺多分あの人苦手なんすから。」
そして、アナウンスが流れた。
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