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7・変な奴らがやって来た。
しおりを挟む「おねいさんは、ご無事ですの?」
「あぁ、リコ、大丈夫だ」
「良かったですわ」
扉を開けて入って来たのは赤髪の少女でした。
それにしても、かなり目立ちます。
私はかなり背の高い方で、黒髪の少女も同じくらい高いのですが、リコと呼ばれた、赤髪の少女は私よりも頭半分位は大きそうですし、何より頭のてっぺんで無造作にくくった、燃えるように揺らめく長い赤髪と、鮮やかな紅眼が目を引きます。
容貌はといえば、彫が深く、造作の一つ一つが大きく、はっきりと自己主張をしながら、絶妙なバランスで配置されていて、『はい、これがイタリア美女の典型ですよ、映画で見た事ありませんか?』 と、言っているようです。
その容姿で完全なネイティブスピーカー、しかも、お嬢様が使うような口調にびっくりです。
もっとも、お嬢様の知り合いなど一人も居ませんし、いわゆる都市伝説の一つだと思っていました。
「ほら、マリも恥ずかしがってはいけませんわ」
リコさんの後ろにしがみついて隠れるようにしていた、金色のふわふわしたのが出てきました。
私の胸元にも届かない位の小さな金髪の幼女? 少女? です。
あ! 私と眼が合ったと思ったら、また隠れてしまい、顔を半分だけ出しては引っ込め、恥ずかしそうにしています。
マリと呼ばれた金髪の少女は、緩やかにウエーブのかかった癖っ毛が肩まで伸び、長いまつげに彩られた、艶めき輝く碧眼は大きく、少し太めの眉に、小振りな鼻と唇、微かに漂う薔薇の香り、世界中の可愛い物を集めて、こねて、丸くしたら出来上がるのではないでしょうか。
3人ともどう見ても同い年には見えませんが、何故か同じ制服を着ています。
マリちゃん、少し袖が余っているのが可愛いです。
「ハル、処理班には連絡しておきましたわ」
リコさんはそう言いながら私の前の椅子に腰掛け、膝の上にマリちゃんを座らせます。
黒髪の美人さんは、ハルさんというのですか。
「うむ、済まない」
私が唖然として三人のやり取りを聞いていたのを気遣ったのでしょうか、ハルさんが口を開きます。
「改めまして。わたくし、大友晴美と申します。こちらが」
「リコですわ」
「マリ!」
おー、マリちゃん元気一杯です。
「あ、は、はい。山背日向です」
私が名前を告げると晴美さんの眼が細まり、一瞬、熱を帯びたように見えたのは、気の所為などではありません。
ですが晴美さんは直ぐに表情を変え、リコさんが肩から掛けている鞄を指差して、にこやかに私に問いかけます。
「ところで、お伺いしたいが、こちらでは食材を持ち込んだら、調理をして頂けるのか?」
はいー!? なんですとー?
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