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25・ガールズバンドには、ちょっと憧れていました。
しおりを挟む意外でした。
ハルが、『これからの事』などと、まともな顔して言うものですから、てっきり『明日のおすすめメニューは何だ、出来ればツミレ汁を頼みたいのだが』とか、『ガールズバンドのメンバーになってくれ、カスタネットが叩ければ十分だ』とか、上斜めの方向から写真を取り出して、『資産家の息子さんなのだがお見合いする気は無いか』とか、ふざけた事を言ってくるかと思いきや、いえ、まあ、その、『お見合いは1度は経験しても良いかな~』と思ったのはさておいて、至極真面目な事を言い出しました。
「百鬼夜行。リコの概念だとヴァルプルギスの夜会の道程。現世と常世の狭間を、生死定かならざる異質、異形の物の怪共が顕現するのだ」
思った通り何か別の世界と繋がったという事ですか。
「何故急にそんな事が起きたの?」
「急にという事では無い。兆候はあったのだ。先だって大きな地震があっただろう」
「あぁ、そういえば」
不幸中の幸いですが、軽傷者が何名か出ただけで済んだものの、地崩れが起こって多少家屋に被害が出た事は聞き及んでいます。
「南神朱雀の祠が地滑りで崩れ落ち、四神結界の力が弱まったのと、地形の変動で地水脈相位に亀裂が入り、人外魔境の魑魅魍魎共が跋扈するようになったのだ」
風水的な信仰は全く信じていませんが、あの光景を目の当たりにしては、信じざるを得ません。
「その祠を直すだけでは駄目なの?」
「単純な物理的問題ではないからな、結界修復には特殊な『術』と『力』が必要だし、何日かかるか分からないのが実情だ……」
ハルは言葉を切って、横に首を2,3、ど振って言います。
「しかも今までにない強大な力が加わっているようなのだ」
「強大な力が加わっている?」
「あぁ、それが何かは全く分かっていないのだが」
「あの真っ赤な血の色をした夕陽も何か関係しているの?」
「そうだ、あれが奴らが顕現する前兆だ、夕陽が沈み空が藍色に染まるまでの間……『逢魔が刻』だ」
「いやー!」
マリが急にむずがりだしたのをリコがしっかりと抱きしめて宥めます。
ちょっと羨ましいです。
「マリ、大丈夫、怖くないわ」
「だいじょうぶ?」
「えぇ、マリは強いですから」
「何故、マリが怖がるの? 花喰だったかしら、マリが捕まえたんでしょう。それにウロコにだって向かって行ったじゃない」
「強いからと言って、怖くない訳じゃない、花喰はパッと見た目は綺麗だろ。私もそうだが日向だって、あの小さくて黒光りする奴怖いだろ」
何でしょうこの凄く良く分かるようで分からない理屈は。
「花喰は美味いという事を知っていて、食欲が恐怖より勝っているという事かもしれないがな、マリの感覚は読み切れないところがあるからな」
うん、良く分かった!
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