異世界グルメ紀行~魔王城のレストラン~商品開発部2

ペンギン饅頭

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63・燃えています!

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『ロキエル様、私もこれで忙しい身でございまして。魔王城も老朽化が進んでおりまして、あちらこちら手を加えなければならないところも多々あり、特にここ最近、何・故・か・急に仕事が増えまして……』

 はい、存じ上げております。
 私の隣で恨みがましい声を上げていらっしゃるのは、施工部営繕課の課長さんです。

『シュカンチョウサマ! スゲー! スゲー! ヒロビロ-!』

 酒管長が見せつけるように作った力こぶに、マリがぶら下がって大はしゃぎしていやがります。
 その周りには瓦礫の山が……。見上げれば天井が綺麗サッパリ無くなっちゃって……。

『ちょっとスペースが足りないので、吹き抜けの中二階を作ろうと思ったの』
『良い感じですね。アチラ側に螺旋階段を作りましょう。バーカウンターはコチラにして、天井まで届く酒棚を作って、ズラリと酒瓶を並べたら壮観です』
『酒樽ごとドーンと何種類か並べるのも有りね』

 いけしゃあしゃあと言ってくれちゃっているのは、ココ様と給仕長です。二人揃って暴走が加速し始めて、やりたい放題です。頭痛くなってきました。

『課長さん、申し訳ございません。この人たちに何を言っても無駄だと思いますので』
『えぇ、それは重々承知しております』

 課長さん、肩を落として、あきらめ顔です。話が早くて助かります。

『ところでココ様、ウルちゃんから聞いたのですが『ステージ』って、何の事ですか?』
『あぁ、マリから聞いたの。オープンキッチン。調理の作業工程を見せてお客様に楽しんでもらうなんて、こちらには無い概念よね。斬新で素晴らしいわ。ウルやラビの、あの素晴らしいパフォーマンスは実験店舗の良い売りになるわ。全体から見える様、ど真ん中に一段高くしたオープンキッチンを作ろうと思って』

 う~ん、アイデアとしては良いと思いますが、ウルちゃんはまだしも、ラビちゃんが委縮したりしないかチョッと心配ですね。しかし、身振り手振りを交えて、オーラ全開にして熱く語るココ様に、異論など唱えようも有りません。

『そうですか、ステージと聞いて、てっきり楽隊でも入れてBGMでも流すのかと思っていました』
『ダメ、ダメ。店舗の主役はピザよ! 余計な音楽に気を取られずに、あの美味しいピザを味わって欲しいのよ。お客様同士の会話、笑い声、食器の触れ合う音、給仕の注文を伝える活気あふれる声。さざ波のように寄せては返し聞こえて来る自然な音こそが、最っ高の! BGMなのよ!』

 ココ様、熱すぎます。
 
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