異世界グルメ紀行~魔王城のレストラン~商品開発部2

ペンギン饅頭

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64・丸すぎます!

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「はらへったー!」

「あらあら、大変。この瓦礫を片付けなくちゃ。さあさ、お仕事、お仕事、忙しいわ~」

 マリの一言に慌てて、お仕事のお手伝い開始です。マリにジト目で見られても気にせず、賄いを食べる権利を獲得です。

「ウルに『マカナイ、ツクリヤガレ!』って、言ってある!」

 と、マリが言うので、みんな揃って開発室に向かいました。
 まーた、マリが無茶振りを言っていやがる、とも思いましたが、ウルちゃんなら美味しい物を作ってくれるに違いありません。楽しみです。

 開発室ではウルちゃんを取り囲んで、皆さん和気あいあいとお仕事に励んでいました。

『ウル! マカナイ、デキタカ?』
『できてるっス!』

 マリの問い掛けに、ウルちゃんがイソイソと運んできてくれたのは、大皿に山盛りになった……あれ? 何だかどこかで見たような?……ビックリです!
 どう見てもハンバーガー!? 
 マリが教えたのかと思い、尋ねようとすると……マリの眼が真ん丸だ!!
 マリも驚いた顔をしているのですから、マリがウルちゃんにハンバーガーを教えた訳では無いという事です。

『……コレ? ウルちゃんが作ったの!?』
『……っス?』

 何故、マリと私が驚いているのか理由が分から無いのか、耳をピクピクさせて、小首を傾げるウルちゃん。可愛すぎます。

『ねえ、ウルちゃん。コレなんて言うお料理?』

 念の為尋ねてみると、

『ホットドック改ウルスペシャル、っス!』
『腸詰用に作った牛肉のミンチが余ったので、ウルさんが炭火で直に焙ってパンに挟んだのです。同じ材料でも調理法を変えると、風味が全然違ってくるものですね。勉強になります』

 腰に手を当て、言い切った感を醸し出しているウルちゃんに代わって、若手の調理師さんが説明してくれました。

『まあ、とにかく頂きましょう』

 私とマリの驚きなど意にも介さず、私達を押しのけて横から手を伸ばして来やがったのは言わずもがな、突然現れた魔王様です。

『あ! 魔王様。それはココ様のっス!』
『……へ?』
『まあ、ウル。わざわざ、わたくしの為に作って下さったの? 感激だわ』

 あ! ココ様が魔王様を突き飛ばしやがった。
 しかし魔王様、突き飛ばされて、たたらを踏みながらも食い下がります。

『ウルさん。何故ココ様だけに!?』
『魔王様の分も有るっス?』
『いやいや、ココ様がお手にしたのだけ、見た目が違う気がしますが?』
『マリ様に教わったっス!『オイシーカオ、シテイヤガルカ!』って』

 あー、なるほど。好みは人それぞれ、極力その人の好みに合ったお料理をお出しするという事ですね。確かにココ様がお手にしたハンバーガーだけ、やけにパテが分厚いし、厚切りのベーコンがバンズからはみ出しています。

『ウルさん。私もお肉大好きなのですが』
『……?』

 魔王様、尚も食い下がります。しかし、ウルちゃんは尻尾をクルリと丸めて『えっ? そうなんスか?』と言わんばかりです。
 魔王様、ガックリと肩を落として、しょんぼりしちゃっています。

 何だか可哀想になって来ちゃいました。
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