忘却の呪いにかかった最弱冒険者 実は…100年先の未来が視えるらしい〜未来予想が百発百中だけど自分のことは、わかりません💦〜

Ⅶ.a Works

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第3話: 忘却の呪いの発動

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第3話: 忘却の呪いの発動

夜明け前、青年とリディアは再び旅を続けることにした。彼らの目的地は、伝説の武具が眠っていると言われる「黄昏の神殿」だ。未来のヴィジョンでは、そこにたどり着いたリディアが手にする力が王国を救う手がかりになることはわかっているが、具体的な道筋は曖昧だ。それに、青年自身がどう関わるのかも全く見えていなかった。

「ここから先は、森を抜けて山を越えなきゃならないわね。何日かかるかしら」

リディアが地図を広げながらつぶやいた。険しい道のりであることは明白だったが、彼女は一歩も引かない。青年も、彼女についていく覚悟を決めていた。

「まあ、これまでの旅と比べれば、大したことはないだろう」

青年は笑みを浮かべながら言ったが、その直後、頭がズキリと痛むのを感じた。

「…あれ?」

突然、記憶が薄れていく感覚に襲われた。手にしていた地図の詳細が思い出せなくなり、今自分がどこにいるのかさえも曖昧になる。

「どうしたの?」

リディアが心配そうに振り返る。

「いや、ちょっと…」

青年は頭を抱え、記憶の霧がゆっくりと広がっていくのを感じた。忘却の呪いが再び発動し始めたのだ。この呪いは不定期に発作のようにやってくる。今まで過去の出来事や人々の名前を何度も忘れてしまい、そのたびに周囲の人間関係に支障をきたしてきた。

「俺の…名前、なんだっけ…?」

自分の名前さえも、薄れていく感覚に包まれる。100年先の未来は視えても、自分自身に関することはこの呪いによってどんどん奪われていく。リディアは彼の異変に気づき、すぐに駆け寄った。

「あなた、また呪いが…」

リディアは彼の肩に手を置き、優しく声をかけた。彼女は青年が忘却の呪いにかかっていることを知っていたが、呪いが発動するたびにどれほど苦しんでいるのかまでは理解できなかった。

「大丈夫、ゆっくりでいいから、私が今いる場所や目的を教えてあげるわ」

リディアは落ち着いた声で説明を始めた。彼女の言葉は青年の心に少しずつ染み渡り、忘却の霧が晴れていくのを感じた。自分の名前や今の状況を完全に取り戻すことはできなかったが、彼女の存在が支えとなっていた。

「ありがとう、リディア…お前がいなかったら、俺は何度もここで終わっていたかもしれない」

青年は感謝の言葉を口にしながら、再び歩き出す決意を固めた。忘却の呪いがどれほど自分を苦しめても、この旅を止めることはできない。リディアと共に歩む未来を信じて、彼は再び前を向いた。

だが、その後も幾度か呪いが襲い、青年は何度も記憶を失いかける。自分が何者であるのかを忘れるたびに、リディアがそばで助けてくれた。しかし、それが続くにつれ、青年は次第に自分の存在に疑問を抱き始める。

「俺は一体、何のためにここにいるんだ…?」

その問いに対する答えは、彼にはまだ見えていなかった。

次の展開――運命の出会い

旅を続ける中で、青年とリディアは次第に仲間を増やしていく。ある日、山中で魔法使いの少女ティリアと出会う。彼女は呪術の専門家であり、青年の呪いに興味を持つ。ティリアは、忘却の呪いに何かしらの方法で対処できるかもしれないと告げ、二人の旅に同行することを決意する。

「この呪いには何か特別な力が隠されているようね。放っておけば未来をも変えるかもしれないわ」

ティリアの言葉に、青年は初めて自分の呪いが単なる不幸ではない可能性を感じた。彼は、自分の運命を変えるために、仲間と共に新たな旅路を歩み始める。

その道のりは、困難と謎に満ちているが、未来を知る力と仲間たちの力を合わせて、青年は少しずつ自分自身の答えに近づいていくのだった。

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