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第6章:大地を揺らす影

第23話:大地の誓い

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影の巨人が広場に立ちふさがった。

その一歩ごとに地面が沈み、石畳がひび割れていく。
黒い靄が村全体を覆い、空すら曇らせた。

『……ここで眠れ……忘れよ……』

重苦しい声が大地を揺らす。

リサが木箱を抱きしめ、ミナが風を震わせ、カイが小枝を握り直した。
リオは仲間の前に立ち、拳を握りしめる。

「……僕らは眠らない! 忘れない! 影に呑まれるくらいなら、光を選ぶ!」

掌に炎が灯り、アウラの声が響いた。

『リオ、君の誓いを大地に示せ。炎は影を焼き尽くすためでなく――照らすためにあると』

巨人が腕を振り下ろす。
大地が裂け、影の波が押し寄せる。

「ミナ!」

「わかった!」

ミナが風を起こし、影の波を逸らす。
リサが灰を掬い、箱の中の欠片を掲げる。

「忘れない! この灰は、誰かが生きた証!」

カイが小枝を構え、必死に叫んだ。

「僕は火を持たないけど……勇気で、みんなを守る!」

三人の声が重なり、リオの炎が膨れ上がった。
紅蓮ではない、黄金の光を帯びた炎。

「これが僕たちの――大地への誓いだ!!」

リオは炎を地面へ叩きつけた。

轟音とともに炎は大地を駆け巡り、影を照らし出す。
ひび割れた地面から光が溢れ、村全体を包み込んだ。

巨人は呻き声を上げ、影を撒き散らしながら崩れていく。
黒い靄が霧散し、空に青が戻っていった。

やがて、広場の中央にひとつの石が残った。
そこには古代の文字でこう刻まれていた。

――「大地は眠らず。影をも抱きしめ、明日へ繋ぐ」

リオはその石に手を置き、静かに目を閉じた。
胸の奥に温かな感覚が広がる。

それは「大地の加護」。
影を退ける力を、ほんのわずかに授けられた証だった。

村人たちの瞳にも光が戻り、沈黙していた街に再び声が生まれる。
子どもの泣き声、老人の笑い声――どれも確かに“生きている”音だった。

リオは仲間を振り返り、力強く言った。

「僕たちは進もう。影に呑まれないように。大地に誓った、この光を胸に」

三人も頷き、笑みを浮かべる。
彼らの足音は、もう影に沈むことはなかった。
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