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第8章:燃え尽きぬ影

第30話:仲間の誓いの力

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燃え尽きぬ影の黒い触手がうねり、仲間たちへと襲いかかった。
闇は形を変え、囁きながら心の隙間へ入り込もうとする。

『風は災いを運ぶ……お前に未来はない』

影がミナへ囁く。

「……違う!」

ミナの足元に黒い靄が絡みつくが、彼女は深く息を吸い込んだ。

「風は災いじゃない。人をつなげる道になるんだ! 私は……その風を信じる!」

その声と共に、風が強く吹き抜けた。
囁きを裂き、黒い靄を切り裂く。

ミナの髪が翻り、彼女の瞳に迷いはなかった。

『記録は無意味だ……灰は忘れられ、誰も思い出しはしない』

影はリサの耳元で嘲笑する。

リサは箱を抱きしめ、涙を流しながら叫んだ。

「無意味なんかじゃない! 灰は“誰かが生きた証”。忘れられるかどうかは関係ない。わたしが忘れないって決めたの!」

箱の欠片が光を帯び、影の囁きを押し返す。
リサの灰は、決して虚無にはならなかった。

『お前には焔がない。勇気など幻だ……』

影はカイを嘲り、彼の小さな体を縛ろうとした。

カイは膝を震わせながら、それでも立ち上がった。

「僕には火はない。でも……勇気は本物だ!リオ兄ちゃんが教えてくれたんだ! 僕も人を守れるんだ!」

枝を振りかざし、闇へと突き出す。
小さな動きだった。

だが、その一撃は確かに影を裂いた。

三人の声が荒野に響き渡る。
それは闇の囁きよりも強く、確かな光を持っていた。

リオの胸が熱くなる。
仲間たちの誓いが炎へと流れ込み、掌の焔は一層輝きを増した。

『……愚か者どもが。ならば全てまとめて呑み込んでやる!』

影の巨体が膨れ上がり、荒野を覆うほどの闇を放つ。

リオは一歩前に出て、叫んだ。

「僕たちはもう負けない! 仲間の誓いがある限り、この炎は消えない!」

炎と闇、最後の衝突が始まろうとしていた。
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