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#2 スタンダード・ハッピーエンド
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ねえ、聞いてよ。
え? そうよ、また聖女の話。けどまだ話してないわよね?
そうそう。このあいだ婚約を発表された聖女様のお話よ。さすがにあなたも知っているでしょう?
もうお祭り騒ぎだもの。なにせお相手は巷で人気の最年少将軍様だしね。
あ、ビラ取ってたの。そう、街にきたときにちょうど。タイミングよかったじゃない。
え? そこかしこでお祝い割引してくれたの? そう、よかったじゃない。
……別に、わたしは怒ってなんていないわよ。これが普通の顔なの。
しいていうならアテられちゃったってとこかしらね。
違うわよ、あの将軍なんて狙ってないわよ。
将軍なんてたいそうな地位についているけれど、わたしからしたらまだまだ尻の青いガキよ。
ちょっと、わたしから見たらどんな老将軍も子供同然だって言いたいの?
……まあたしかにそうだけれどね。わたしに年齢で釣りあう人間なんていないもの。仕方がないことだわ。
って、そうじゃなくて。今日は聖女の話をしにきたのよ。
あなただって気になるでしょう? いったいどんな女の子が、あのカタブツ将軍の心を射止めたのか。
どうせだからなれそめから懇切丁寧に教えてあげるわ。
ええ、遠慮しなくていいのよ?
え? 遠慮なんてしてない?
まあいいじゃない。たまには俗世の有象無象にも目を向けたほうがいいわよ、あなた。
あら、有象無象はひどいって顔ね? あなただってそう思っているんでしょうに。
わたしほど薄情じゃないって? ひどいわね。わたしほど情に篤い魔女はいないわよ。
今回の聖女は召喚してからすぐは大変だったわ。
……え? 別に聞きたいなんて言ってない? わたしが言いたいのよ! わかるでしょ?
そう、それで召喚してすぐは大変だったのよ、ホント。
根が大人しいタイプなのね。小動物系っていうのかしら? 男なら思わず守ってあげたくなっちゃう、あざといタイプ。
だーかーらー、別に将軍なんて狙ってなかったってば! ホントに!
話を戻すわ。
まあちょっと引っ込み思案な子だったのよね。
召喚したときはパニックで過呼吸を起こしちゃって。儀式の間にいた人たちはみんな慌てていたわ。
幸い、大事にはいたらなかったけれど、聖女召喚の儀に使う召喚魔法ってもっと改良が必要だと思わない?
たとえば世界に嫌気が差していて、新天地を求めているタイプを喚ぶとか。
自殺志願者? ダメじゃない? そんなメンタルが弱り切っている人間。
メンタルケアをこっちでして、ってなると諸経費がかかりすぎる気がするわ。
……まあこの話はまた今度にしましょう。
とにかく今回の子は内気なタイプだったのよ。
自己主張があんまりできない子なのね。
だから他人から頼まれごとをされたら断れない。内心でイヤだと思っていてもね。
その子はそういうタイプだと思ってくれて構わないわ。
だから巡礼の旅を承諾させるのは簡単だったの。
まあ他人の役に立てるなら……って。自己評価が低くて他人から求められたいと思っているタイプなのかしら?
根は悪くないんだけれどね。
そういう子だから、ちゃんと最後まで巡礼の旅に耐えられるのかってヒソヒソされてたわ。
今でこそ巡礼の旅もだいぶ楽になったけれど、聖地ってやつは人が踏み入るには骨が折れる場所が多いから。
まず異世界人ってどうも馬車に慣れていないみたいだから、そこで心が折れそうになる子も過去にいたしね。
馬車よりもずっと快適な乗り物があるなんてうらやましいわ。
え? まあわたしは馬車になんて乗らないけれどね。ホウキがあるし。
でさ、将軍も最初はこの聖女でだいじょうぶなのかって思っていたみたいなのね。
ああ、そうそう。将軍が護衛役を務めたのよ。
最年少将軍てのも大変よねえ。大役を押しつけられちゃってさ。
まああの将軍は押しつけられたなんて思ってはいないだろうけどね。イノシシだもの。
それがまあフタを開けてみればあの子は泣きごとも言わず巡礼の旅を終えた。
なんだかんだ言ってタフな子だったみたい。これはちょっと、みんなにとっても意外だったみたいね。
出発する前は侍女のほうが弱々しい聖女に付くのを嫌がって泣きごとを言っていたのにね。
それで帰ってきてたら完全にデキちゃってたわけよ。あの子と将軍。
ああ、違うわよ。デキてるって言ってもなにかしらあったわけじゃないの。
未だに清い身なんじゃないの? あの子。将軍の頭はカタいから。
なんていうのかしら、こういうの。……両片思い?
とにかく互いに互いを思いあってるのがどう見てもバレバレなわけ。
将軍なんてあの子の名前を出されただけでわかりやすく動揺しちゃうの。それはあの子も同じだったわ。
もう、リアクションが使い古された恋する人間そのものなのよ!
……わかった? わたしがアテられたっていう理由。
そりゃあんな顔にもなるってのよ。
それで早くくっつけばいいのに、そうはならないのがああもうイライラする!
きっとみんな同じ気持ちだったわ。いや、絶対そうね。
え? あー……惚れた理由ね。
聖女は巡礼の道中に付き添ってくれるたくましい将軍に惚れたみたい。
寝食を共にしていればまあ情くらい湧くわよね。
それがまた、容姿も悪くなくてたくましい男なら、なおさらだわ。
将軍は聖女の芯の強さに惹かれたそうよ。
なんだかんだ言って約束はちゃんと守ったし。
道中、危険に晒されてもケナゲに乗り越えて行ったところとかで好きになったみたい。
そりゃあ知ってるわよ。だって、直接聞いたんだから。
無粋だって? いいじゃない。これくらい。
わたしだってちょくちょくあの子たちの道中を見守っていたんだから!
そこ、召喚した責任を果たしているだけとか言わない!
ホントにムズがゆかったのよ~……あの旅は……。
それでよく婚約出来たと思わない? 思うでしょ?
結局、プロポーズは将軍からしたのよ。お付き合いゼロ日で婚約したってわけ。
それも王様の目の前でしたのよ。それだけテンパってたんだろうけれど、伝説になるわね。このプロポーズ。
あの子も泣いて喜んだわ。
あれだけ互いにわかりやすく矢印を出していたのに、当の本人たちはまったく気づかないんだもの。
あの子は将軍との恋は成就しないと思い込んでいたみたい。
どうしてそうなるのかしらね? もっと広い視野を持つ必要があると思うわ。
それであの子は帰らないことになったの。
まあ、帰っても居場所なんてないって本人は言っていたけれどね。
元の世界では孤児院にいたって言ってたわ。孤児院とは言ってなかったけど、まあ同じような施設にいたんですって。
心配してくれているひとはいるだろうけれど、でも愛する将軍とこの世界でいっしょに生きて行きたいんですって。
男冥利に尽きるわよね。
でもホント、くっついてよかったわよ。
思いあっているのに別れてしまうなんて悲しすぎるわ。
たまにはこういうハッピーエンドもいいわよね。
え? ……あなたってホント冷めてるわよね。
たしかに最大の問題はこれからどういう夫婦になるかだけれどもね。文化も違うし。
でも今は夫婦という形で結ばれたことを憂いなく祝福してあげましょうよ。
だーかーらー。わたしは将軍を狙ってなんていないってば!
ちゃんと祝福してるから! 心から! この顔は元々!
……はあ、ホントつかれたわ。
将軍のケツ叩いて尻に火をつけてあげるなんて、出血大サービスもいいところよ。
そうよ、わたしが焚きつけてあげたの。まあ、あそこまでテンパるとは思わなかったけれどね。
おかげで伝説、作っちゃったわあ。
なんにせよ、今回は「めでたしめでたし」でちゃんと終わりそうで安心ね。
さ、お祝いにワインでもいただこうかしら。
え? ちょっと、出し渋るのはナシだからね。
お祝い割引でいいのを買ったの、知ってるんだから。
はいはい。性根の悪い魔女で悪うござんしたね。
観念して、一杯やりましょ。
え? そうよ、また聖女の話。けどまだ話してないわよね?
そうそう。このあいだ婚約を発表された聖女様のお話よ。さすがにあなたも知っているでしょう?
もうお祭り騒ぎだもの。なにせお相手は巷で人気の最年少将軍様だしね。
あ、ビラ取ってたの。そう、街にきたときにちょうど。タイミングよかったじゃない。
え? そこかしこでお祝い割引してくれたの? そう、よかったじゃない。
……別に、わたしは怒ってなんていないわよ。これが普通の顔なの。
しいていうならアテられちゃったってとこかしらね。
違うわよ、あの将軍なんて狙ってないわよ。
将軍なんてたいそうな地位についているけれど、わたしからしたらまだまだ尻の青いガキよ。
ちょっと、わたしから見たらどんな老将軍も子供同然だって言いたいの?
……まあたしかにそうだけれどね。わたしに年齢で釣りあう人間なんていないもの。仕方がないことだわ。
って、そうじゃなくて。今日は聖女の話をしにきたのよ。
あなただって気になるでしょう? いったいどんな女の子が、あのカタブツ将軍の心を射止めたのか。
どうせだからなれそめから懇切丁寧に教えてあげるわ。
ええ、遠慮しなくていいのよ?
え? 遠慮なんてしてない?
まあいいじゃない。たまには俗世の有象無象にも目を向けたほうがいいわよ、あなた。
あら、有象無象はひどいって顔ね? あなただってそう思っているんでしょうに。
わたしほど薄情じゃないって? ひどいわね。わたしほど情に篤い魔女はいないわよ。
今回の聖女は召喚してからすぐは大変だったわ。
……え? 別に聞きたいなんて言ってない? わたしが言いたいのよ! わかるでしょ?
そう、それで召喚してすぐは大変だったのよ、ホント。
根が大人しいタイプなのね。小動物系っていうのかしら? 男なら思わず守ってあげたくなっちゃう、あざといタイプ。
だーかーらー、別に将軍なんて狙ってなかったってば! ホントに!
話を戻すわ。
まあちょっと引っ込み思案な子だったのよね。
召喚したときはパニックで過呼吸を起こしちゃって。儀式の間にいた人たちはみんな慌てていたわ。
幸い、大事にはいたらなかったけれど、聖女召喚の儀に使う召喚魔法ってもっと改良が必要だと思わない?
たとえば世界に嫌気が差していて、新天地を求めているタイプを喚ぶとか。
自殺志願者? ダメじゃない? そんなメンタルが弱り切っている人間。
メンタルケアをこっちでして、ってなると諸経費がかかりすぎる気がするわ。
……まあこの話はまた今度にしましょう。
とにかく今回の子は内気なタイプだったのよ。
自己主張があんまりできない子なのね。
だから他人から頼まれごとをされたら断れない。内心でイヤだと思っていてもね。
その子はそういうタイプだと思ってくれて構わないわ。
だから巡礼の旅を承諾させるのは簡単だったの。
まあ他人の役に立てるなら……って。自己評価が低くて他人から求められたいと思っているタイプなのかしら?
根は悪くないんだけれどね。
そういう子だから、ちゃんと最後まで巡礼の旅に耐えられるのかってヒソヒソされてたわ。
今でこそ巡礼の旅もだいぶ楽になったけれど、聖地ってやつは人が踏み入るには骨が折れる場所が多いから。
まず異世界人ってどうも馬車に慣れていないみたいだから、そこで心が折れそうになる子も過去にいたしね。
馬車よりもずっと快適な乗り物があるなんてうらやましいわ。
え? まあわたしは馬車になんて乗らないけれどね。ホウキがあるし。
でさ、将軍も最初はこの聖女でだいじょうぶなのかって思っていたみたいなのね。
ああ、そうそう。将軍が護衛役を務めたのよ。
最年少将軍てのも大変よねえ。大役を押しつけられちゃってさ。
まああの将軍は押しつけられたなんて思ってはいないだろうけどね。イノシシだもの。
それがまあフタを開けてみればあの子は泣きごとも言わず巡礼の旅を終えた。
なんだかんだ言ってタフな子だったみたい。これはちょっと、みんなにとっても意外だったみたいね。
出発する前は侍女のほうが弱々しい聖女に付くのを嫌がって泣きごとを言っていたのにね。
それで帰ってきてたら完全にデキちゃってたわけよ。あの子と将軍。
ああ、違うわよ。デキてるって言ってもなにかしらあったわけじゃないの。
未だに清い身なんじゃないの? あの子。将軍の頭はカタいから。
なんていうのかしら、こういうの。……両片思い?
とにかく互いに互いを思いあってるのがどう見てもバレバレなわけ。
将軍なんてあの子の名前を出されただけでわかりやすく動揺しちゃうの。それはあの子も同じだったわ。
もう、リアクションが使い古された恋する人間そのものなのよ!
……わかった? わたしがアテられたっていう理由。
そりゃあんな顔にもなるってのよ。
それで早くくっつけばいいのに、そうはならないのがああもうイライラする!
きっとみんな同じ気持ちだったわ。いや、絶対そうね。
え? あー……惚れた理由ね。
聖女は巡礼の道中に付き添ってくれるたくましい将軍に惚れたみたい。
寝食を共にしていればまあ情くらい湧くわよね。
それがまた、容姿も悪くなくてたくましい男なら、なおさらだわ。
将軍は聖女の芯の強さに惹かれたそうよ。
なんだかんだ言って約束はちゃんと守ったし。
道中、危険に晒されてもケナゲに乗り越えて行ったところとかで好きになったみたい。
そりゃあ知ってるわよ。だって、直接聞いたんだから。
無粋だって? いいじゃない。これくらい。
わたしだってちょくちょくあの子たちの道中を見守っていたんだから!
そこ、召喚した責任を果たしているだけとか言わない!
ホントにムズがゆかったのよ~……あの旅は……。
それでよく婚約出来たと思わない? 思うでしょ?
結局、プロポーズは将軍からしたのよ。お付き合いゼロ日で婚約したってわけ。
それも王様の目の前でしたのよ。それだけテンパってたんだろうけれど、伝説になるわね。このプロポーズ。
あの子も泣いて喜んだわ。
あれだけ互いにわかりやすく矢印を出していたのに、当の本人たちはまったく気づかないんだもの。
あの子は将軍との恋は成就しないと思い込んでいたみたい。
どうしてそうなるのかしらね? もっと広い視野を持つ必要があると思うわ。
それであの子は帰らないことになったの。
まあ、帰っても居場所なんてないって本人は言っていたけれどね。
元の世界では孤児院にいたって言ってたわ。孤児院とは言ってなかったけど、まあ同じような施設にいたんですって。
心配してくれているひとはいるだろうけれど、でも愛する将軍とこの世界でいっしょに生きて行きたいんですって。
男冥利に尽きるわよね。
でもホント、くっついてよかったわよ。
思いあっているのに別れてしまうなんて悲しすぎるわ。
たまにはこういうハッピーエンドもいいわよね。
え? ……あなたってホント冷めてるわよね。
たしかに最大の問題はこれからどういう夫婦になるかだけれどもね。文化も違うし。
でも今は夫婦という形で結ばれたことを憂いなく祝福してあげましょうよ。
だーかーらー。わたしは将軍を狙ってなんていないってば!
ちゃんと祝福してるから! 心から! この顔は元々!
……はあ、ホントつかれたわ。
将軍のケツ叩いて尻に火をつけてあげるなんて、出血大サービスもいいところよ。
そうよ、わたしが焚きつけてあげたの。まあ、あそこまでテンパるとは思わなかったけれどね。
おかげで伝説、作っちゃったわあ。
なんにせよ、今回は「めでたしめでたし」でちゃんと終わりそうで安心ね。
さ、お祝いにワインでもいただこうかしら。
え? ちょっと、出し渋るのはナシだからね。
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