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#21 巻き込まれ・幼馴染 ※GL
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※ガールズラブ(女性同士の恋愛)要素のある話です。
***
ねえ、聞いてよ。
無茶ブリもいい加減にしてよねって話なんだけれどね……。
半年くらい前に聖女がきたでしょ?
巡礼の旅もふつうに終わったから、あなたも知ってるでしょう?
……そう。その子に関係した話なんだけれどね……。
実は召喚されたのはその子ひとりだけじゃなかったの。
あ、違うわよ。
以前みたいに聖女がふたり! っていう状況じゃなくってね。
聖女の力が宿っていたのはひとりだけ。
もうひとりはなんていうか……巻き込まれたカタチでこちらに喚ばれちゃって。
それでその子と巻き込まれた子は親しい間柄だったから、まあさほどモメなかったんだけど。
……そう。まあ親しい相手がいれば人間、けっこう冷静でいられるものみたい。
だからふたりとも「まあ事故なら仕方ないよね」って感じだったの。
ふたりとも寛大でよかったわ。
それでそのふたりは仲がよかったのと、離れ離れのあいだになにかあっても怖いからって、いっしょに巡礼の旅に出たのね。
そうね、特にトラブルなんかはなかったわ。
どちらか片方が弱音を吐くようなことはなかったし、随行した騎士によれば、ふたりともごくふつうの仲のいい女の子同士って感じだったんですって。
それでまあ、ふつうに巡礼の旅は終わったのね。
パレードもしたから、あなたの耳にもそのことは入っているでしょうけれど。
それでそのふたりはてっきり元の世界に帰るのかなって思ったのよ。
まあ、たいていの聖女は元の世界に帰りたがるからね。
けれどもそのふたりはこちらに移住するのもアリかな? みたいな態度だったの。
要は、返事を保留にしたのね。
わたしはちょっと意外に思ったんだけれど、まあひとの心の内なんて正しく推し量るのは難しいことだから……。
世の中には色々あるもの。
ただ、新鮮な世界に興奮して、その流れで移住を考えてる……みたいな感じではなかったのよね。
そのときの印象ではね。
けれどもふたりは帰っちゃった。
途中までは、けっこう乗り気だったんだけどね。
なんでかっていうと、わたしがウンザリしていることにつながるワケなんだけど……。
聖女だったあの子は、直截にいうと美人だったわ。
スラッとした美人でねえ……所作もキレイで。
女でもちょっと見惚れるような子だったのよ。
で、あの子にひと目惚れしちゃったやつが何人か出てきた。
たいていはあの子にアプローチしても梨のつぶてって感じだったけどね。
それがまた一部の男には受けてねえ……。
クールビューティっていうの?
ちょっとドライなところがむしろイイ! みたいな感じで……。
城の女衆にも実は隠れたファンがいたのよ? あの子。
色目使ってくる連中には冷たかったけれど、それ以外にはだれに対しても丁寧で親切だったしね。
荷物が多くて困ってる女中を助けたり、口説かれてる侍女を助けたり。
まあ、そういうわけで最初は嫉妬されてたりもしたんだけれど、次第にファンが増えていったって感じ。
もうひとりの子は……言っちゃあなんだけど、あの子に比べると地味な存在だったわね。
というか、あの子がひと目を引きすぎていたってわけで、その子になにか落ち度があったわけじゃないいだけれど。
でもその子は手が器用だったわね。
女中の針仕事なんかも見事だったわ。刺繍なんかも上手くて……。
あといつだったかお菓子を振る舞ってもらったけれど、それも見事なものだったわよ。
お店開けるわよ! って言ったら照れ笑いしてたっけ。
あの子に比べるとその子はパッと見地味だったけれど、素朴なよさがある子だったわね。
いっけんすると、あのふたりは正反対な感じだったけど、仲はよかったわ。
幼馴染だそうよ。
昔からあんな感じだったんでしょうねーって思えるような雰囲気だったわ。
それでまあ移住の話が本格化しそうになったころから、ちょっと暗雲が立ち込めてね……。
他でもない、王子のせいなんだけれど。
王子がね、あの子に惚れちゃったのよね。
いつ惚れたんだかはしらないけれど、たぶんひと目惚れってやつでしょうね。
それは別にいのよ。どこに惹かれるかなんてのはひとの勝手だからね。
惚れるのも別に悪くはないのよ。
悪いのは惚れたあとの行動ね。
王子は案の定あの子にはすげない態度を取られたわ。
王子が特別じゃなくて、あの子は自分に気のある相手にはまあそんな感じだったから、おどろくようなことではないんだけれど。
王子はそれでもあきらめなかった。
あの手この手であの子の気を引こうとしたわ。
まあ、全部骨折り損に終わったんだけれども。
どんな金銀宝石にもあの子は見向きもしなかった。花もドレスもあの子の気を引くには足らなかった。
それであきらめられればよかったんだけれど、恋ってやつは厄介よね。
どうしてもあきらめられなくて、でもあの子の気は引けなくて……。
それで王子はその鬱憤をどうしたと思う?
……そこがねえ、理解できないんだけれど。
まあ、幼稚だったっていうか、ガキっていうか……え? 同じだって?
……まあ、言いたいことはわかるでしょ?
王子はあの子と仲のいいその子に嫉妬したのよ。
で、そうしたかっていうとねえ……。
はじめは悪評を流したりするくらいだけだったんだけど……。
まあ、「だけ」っていったけれど、これだけでもじゅうぶん悪質よねえ。
もちろん誹謗中傷だけに留まらずに取り巻きを使ってあれやこれや。
根も葉もないウワサを吹き込もうとしたり、嫌がらせしたりね。
もう見てるこっちがウンザリしちゃうわよ。
わたし?
もちろん王子に文句言ったわよ。だって、その子はなんにも悪くないんだもの。
でもねえ、聞く耳持たずって感じで……なりふり構ってられなかったのかしら?
でも、ふつうの神経してたらそんな姿見て惚れたりしないわよねえ?
まったく、なに考えてたんだか。
それでイヤな予感がしてその子にちょっとしたお守りを持たせたのね。
それがビンゴ。
まあ、言いたくないんだけど乱暴されかけてね……ひっどいわよねえ。
実行犯は結局首謀者の名前を吐かなかったんだけれど、だれの差し金かなんてまるわかりだったわ。
それであの子はキレた。
こんなところにはいられないって、その子といっしょに元の世界に帰っちゃった。
最後に王子に引導を渡してね。
あの子にはすでに恋人がいたのよ。
まあ、それが幼馴染のその子だったっていう話なんだけれど……。
でもこの国じゃ同性婚は認められてないから、どんな目で見られるかわからないってひみつにしてたのよ。
それでアプローチしてくる男には気のない態度だったけれど、まさか恋人がいますとは言えない。
じゃあ、なんで移住したいそぶりを見せてるんだって話になっちゃうからね。
まあ、そういうわけで王子は木端微塵にされたわけよ。
……で、その王子は最後まであきらめが悪かったわ。
わたしにも色々と無茶ブリしてくるし……。
惚れ薬なんて作らないわよ! わたしは!
……はあ。でも残念。
あの子たちがいればしばらくは楽しくすごせそうだなって思ったんだけどね。
特にお菓子……あれはなかなか食べられない、いいものだったわあ……。
え? 色気より食い気?
そ、そんなことないわよ。
わたしがモテないのは色気がないからじゃなくて魔女だからだってば。
……きっとね。
ちょっと、目が笑ってるわよ!
もー、あんまりそういうこと言ってると、呪いのひとつやふたつ、かけちゃうんだからね!
……そうね、まずはお菓子が作りたくて仕方なくなる呪いでもかけちゃおうかしら?
***
ねえ、聞いてよ。
無茶ブリもいい加減にしてよねって話なんだけれどね……。
半年くらい前に聖女がきたでしょ?
巡礼の旅もふつうに終わったから、あなたも知ってるでしょう?
……そう。その子に関係した話なんだけれどね……。
実は召喚されたのはその子ひとりだけじゃなかったの。
あ、違うわよ。
以前みたいに聖女がふたり! っていう状況じゃなくってね。
聖女の力が宿っていたのはひとりだけ。
もうひとりはなんていうか……巻き込まれたカタチでこちらに喚ばれちゃって。
それでその子と巻き込まれた子は親しい間柄だったから、まあさほどモメなかったんだけど。
……そう。まあ親しい相手がいれば人間、けっこう冷静でいられるものみたい。
だからふたりとも「まあ事故なら仕方ないよね」って感じだったの。
ふたりとも寛大でよかったわ。
それでそのふたりは仲がよかったのと、離れ離れのあいだになにかあっても怖いからって、いっしょに巡礼の旅に出たのね。
そうね、特にトラブルなんかはなかったわ。
どちらか片方が弱音を吐くようなことはなかったし、随行した騎士によれば、ふたりともごくふつうの仲のいい女の子同士って感じだったんですって。
それでまあ、ふつうに巡礼の旅は終わったのね。
パレードもしたから、あなたの耳にもそのことは入っているでしょうけれど。
それでそのふたりはてっきり元の世界に帰るのかなって思ったのよ。
まあ、たいていの聖女は元の世界に帰りたがるからね。
けれどもそのふたりはこちらに移住するのもアリかな? みたいな態度だったの。
要は、返事を保留にしたのね。
わたしはちょっと意外に思ったんだけれど、まあひとの心の内なんて正しく推し量るのは難しいことだから……。
世の中には色々あるもの。
ただ、新鮮な世界に興奮して、その流れで移住を考えてる……みたいな感じではなかったのよね。
そのときの印象ではね。
けれどもふたりは帰っちゃった。
途中までは、けっこう乗り気だったんだけどね。
なんでかっていうと、わたしがウンザリしていることにつながるワケなんだけど……。
聖女だったあの子は、直截にいうと美人だったわ。
スラッとした美人でねえ……所作もキレイで。
女でもちょっと見惚れるような子だったのよ。
で、あの子にひと目惚れしちゃったやつが何人か出てきた。
たいていはあの子にアプローチしても梨のつぶてって感じだったけどね。
それがまた一部の男には受けてねえ……。
クールビューティっていうの?
ちょっとドライなところがむしろイイ! みたいな感じで……。
城の女衆にも実は隠れたファンがいたのよ? あの子。
色目使ってくる連中には冷たかったけれど、それ以外にはだれに対しても丁寧で親切だったしね。
荷物が多くて困ってる女中を助けたり、口説かれてる侍女を助けたり。
まあ、そういうわけで最初は嫉妬されてたりもしたんだけれど、次第にファンが増えていったって感じ。
もうひとりの子は……言っちゃあなんだけど、あの子に比べると地味な存在だったわね。
というか、あの子がひと目を引きすぎていたってわけで、その子になにか落ち度があったわけじゃないいだけれど。
でもその子は手が器用だったわね。
女中の針仕事なんかも見事だったわ。刺繍なんかも上手くて……。
あといつだったかお菓子を振る舞ってもらったけれど、それも見事なものだったわよ。
お店開けるわよ! って言ったら照れ笑いしてたっけ。
あの子に比べるとその子はパッと見地味だったけれど、素朴なよさがある子だったわね。
いっけんすると、あのふたりは正反対な感じだったけど、仲はよかったわ。
幼馴染だそうよ。
昔からあんな感じだったんでしょうねーって思えるような雰囲気だったわ。
それでまあ移住の話が本格化しそうになったころから、ちょっと暗雲が立ち込めてね……。
他でもない、王子のせいなんだけれど。
王子がね、あの子に惚れちゃったのよね。
いつ惚れたんだかはしらないけれど、たぶんひと目惚れってやつでしょうね。
それは別にいのよ。どこに惹かれるかなんてのはひとの勝手だからね。
惚れるのも別に悪くはないのよ。
悪いのは惚れたあとの行動ね。
王子は案の定あの子にはすげない態度を取られたわ。
王子が特別じゃなくて、あの子は自分に気のある相手にはまあそんな感じだったから、おどろくようなことではないんだけれど。
王子はそれでもあきらめなかった。
あの手この手であの子の気を引こうとしたわ。
まあ、全部骨折り損に終わったんだけれども。
どんな金銀宝石にもあの子は見向きもしなかった。花もドレスもあの子の気を引くには足らなかった。
それであきらめられればよかったんだけれど、恋ってやつは厄介よね。
どうしてもあきらめられなくて、でもあの子の気は引けなくて……。
それで王子はその鬱憤をどうしたと思う?
……そこがねえ、理解できないんだけれど。
まあ、幼稚だったっていうか、ガキっていうか……え? 同じだって?
……まあ、言いたいことはわかるでしょ?
王子はあの子と仲のいいその子に嫉妬したのよ。
で、そうしたかっていうとねえ……。
はじめは悪評を流したりするくらいだけだったんだけど……。
まあ、「だけ」っていったけれど、これだけでもじゅうぶん悪質よねえ。
もちろん誹謗中傷だけに留まらずに取り巻きを使ってあれやこれや。
根も葉もないウワサを吹き込もうとしたり、嫌がらせしたりね。
もう見てるこっちがウンザリしちゃうわよ。
わたし?
もちろん王子に文句言ったわよ。だって、その子はなんにも悪くないんだもの。
でもねえ、聞く耳持たずって感じで……なりふり構ってられなかったのかしら?
でも、ふつうの神経してたらそんな姿見て惚れたりしないわよねえ?
まったく、なに考えてたんだか。
それでイヤな予感がしてその子にちょっとしたお守りを持たせたのね。
それがビンゴ。
まあ、言いたくないんだけど乱暴されかけてね……ひっどいわよねえ。
実行犯は結局首謀者の名前を吐かなかったんだけれど、だれの差し金かなんてまるわかりだったわ。
それであの子はキレた。
こんなところにはいられないって、その子といっしょに元の世界に帰っちゃった。
最後に王子に引導を渡してね。
あの子にはすでに恋人がいたのよ。
まあ、それが幼馴染のその子だったっていう話なんだけれど……。
でもこの国じゃ同性婚は認められてないから、どんな目で見られるかわからないってひみつにしてたのよ。
それでアプローチしてくる男には気のない態度だったけれど、まさか恋人がいますとは言えない。
じゃあ、なんで移住したいそぶりを見せてるんだって話になっちゃうからね。
まあ、そういうわけで王子は木端微塵にされたわけよ。
……で、その王子は最後まであきらめが悪かったわ。
わたしにも色々と無茶ブリしてくるし……。
惚れ薬なんて作らないわよ! わたしは!
……はあ。でも残念。
あの子たちがいればしばらくは楽しくすごせそうだなって思ったんだけどね。
特にお菓子……あれはなかなか食べられない、いいものだったわあ……。
え? 色気より食い気?
そ、そんなことないわよ。
わたしがモテないのは色気がないからじゃなくて魔女だからだってば。
……きっとね。
ちょっと、目が笑ってるわよ!
もー、あんまりそういうこと言ってると、呪いのひとつやふたつ、かけちゃうんだからね!
……そうね、まずはお菓子が作りたくて仕方なくなる呪いでもかけちゃおうかしら?
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